セロリ(セルリー)の育て方

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セロリの基礎データ

セロリ
科名
セリ科
属名
オランダミツバ属
学名
Apium graveolens var. dulce
別名
オランダミツバ・清正ニンジン
水やり
水を好む
場所
外の半日蔭
難易度
上級者向け
セロリの開花時期…種まき時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

セロリとは?

セロリ(オランダミツバ)はヨーロッパ〜地中海原産のセリ科一年草。独特の香りを持つ香草として料理に利用され、βカロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、カルシウム、鉄と食物繊維を多く含む野菜です。

4月〜5月に種まき、7月〜8月に苗の植え付けを行って、秋(10月〜12月)に収穫します。セロリは気温が10度以下(13度以下とも)になるとトウが立って花が咲きます。花が咲くと葉っぱが硬くなって食べられません。つまり10度以下になる前に収穫します。苗から育てるなら簡単で一般的。

収穫までは種まきからなら半年、苗からなら2ヶ月〜3ヶ月ほどかかり、時間のかかる葉野菜ですので、上級者向けの野菜です。

軟白処理について
よくスーパーで見かけるセロリは軟白処理がしてあります。軟白というのは、ウドやモヤシ栽培のように日を遮断して、白くすることです。これで身が軟らかくなり、キツイ香りがマイルドになります。ただし軟化すると栄養素が少なくなるので、最近はしないケースが多いです。

管理場所

セロリは日光を好みます。日が当たれば生育は早いです。生育温度は15度〜20度と涼しい環境を好み、25度以上になると生育が鈍くなり、枯れやすくなります。夏に半日陰になる風通しの良いところが適していて、風通しがいいなら、マンションのベランダでも十分生育します。

軟白処理
スーパーで売ってるセロリは軟白処理をしています。食べる三週間前にダンボールなどで遮光して、徒長させると柔らかく美味しいセロリになります。もしくは、食べる3週間前に、「茎」部分に新聞紙を巻いて遮光して白くします。

植え付け・種蒔き

苗の植え付けは暖地中間地で6月下旬。中間地・寒冷地は7月以降に植え付けをします。

種から育てる場合は大量にできるので嬉しいですが、そんなにセロリを食べることはまずありませんし、種まきから苗を育てると時間がかかるので、苗を鉢やプランターで育てるのが賢明。13度以下の気温に当たるとトウが立つので、気温が上がりきるまで植えないようにします。植え付けしたら日光に当ててください。

用土

酸性土壌を嫌い、弱酸性(pH6.0〜6.5)の少し湿った、有機質に富んだ土を好みます。市販の培養度を利用します。自作する場合は赤玉土7腐葉土2バーミキュライト1に化成肥料を入れて混ぜたものを使う。連作障害があるので、過去2年、セロリを植えたところには植えず、去年の土を使い回さないでください。

種まき(4月〜6月)

発芽温度は15度〜20度。15度以下だと発芽まで時間がかかる。25度以上になると発芽する率が下がり30度以上になると発芽しない。寒冷地なら6月、中間地なら5月、暖地なら4月〜5月に種まきをします。
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育苗マットか、最初からビニールポットで栽培します。ポットに用土を入れ、種子をまき、水をやります。セロリの種子は光に反応して発芽する好光性種子ですので、土は薄くかけてください。厚くかけると発芽しません。土の上に不織布や新聞紙をかけておくと、乾燥避けになり、発芽しやすくなります。
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乾燥しないように水をやり、明るい日陰で管理していると、10日から2週間で発芽します。発芽したら、不織布・新聞紙を取り除き、間引いて一本立ちにします。育苗マットで発芽させた場合、本葉が3枚になったら、ポットにひとつずつ植え替えをします。本葉が7枚以上になったら、畑やプランターに植えます。
本葉3枚の苗でも13度以下の低温に当たるとトウ立ちするので注意。

畑植え(6月〜7月)

畑植えする場合は土を25cm〜30cmを掘り返し、苦土石灰を撒いて中和させておきます。中和は1週間〜10日で終わるので、1週間後に掘り返した土に腐葉土や完熟堆肥を3割ほどと、化成肥料を規定量ほど混ぜて、用土とします。

その用土で幅80~100センチ、高さ10センチの畝を作って、苗を2列植えていきます。株同士は20センチから30センチ間隔で植えます。苗の土は崩さず、根をいじらないで、深植えにならないように植え付けましょう。ポット苗の地面が少し、高くなるように植え付けましょう。

苗は深植えせず、浅く植えます。株元が少し土から出るくらいに植える。深く植えると根本が腐りやすい。

畝にはビニールマルチをするか、ワラなどを敷いて蒸発を防ぎます。マルチには雑草を防ぐ効果もあるのでやっておいて損はないです。
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畑に畝を作り、種を直まきもできます。間引いて、株間30cmにしていけばいいです。

鉢・プランター植え(6月〜7月)

プランターなら二株か三株植える。鉢は大株なら10号鉢、小株なら8号鉢に1苗。

鉢底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで土が出ないようにしてから鉢底石(軽石)を2cmから3cmほど入れて、軽石の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。

直根性で根を傷つけられると生育不良を起こす。植えるときはポット苗の土を落とさず、根をほぐさないで植えること。
プランターに直まきして、育てることも可能です。深さ1cmの溝を指でつくって、そこに種子をまき、土をかぶせて水をやります。発芽したら、間引いて、2株か3株にしていきます。

作業

水やり

セロリは水を好み、土が湿潤な方がよく生育します。乾燥すると枯れてしまいます。春から秋にかけて、土が乾ききる前に水をやるようにします。他の野菜よりかなり水を欲します。

しかし、あまり水やりが多いと茎が腐ってきます。なので、土への水やりをしつつ、風通しがよくなるように、脇芽を摘んでください。

追肥(6月以降)

セロリは肥料があるとよく生育し、肥料をよく食います。肥料が不足すると、「ス」が入るので、肥料は切れないように追肥をしましょう。苗を植え付けて10日〜20日後から、緩効性固形肥料を一ヶ月に2回、周囲にパラパラをまいて、土を軽く耕します。もしくは液体肥料を一週間に二回くらいの割合で、やってください。

芽かき(7月以降)

一ヶ月ほど育てると、株元から脇芽が出てきます。株元が密生していると蒸れて腐りやすいので、脇芽は取り除き、また株元に近い葉っぱも取り除きます。脇芽は食べられます。

日除け(7月〜9月)

夏の直射日光に当たると葉っぱが固くなって美味しくなくなるのもありまして、夏に日当たりが良すぎるときは、寒冷紗などで遮光します。

収穫(10月〜12月)

収穫は茎の部分が20cm以上になってから、草丈としては30cm〜40cmが収穫の適した頃合い。気温が13度以下になってトウがたつ前に収穫しましょう。時期としては10月〜12月になります。

長い間栽培していると茎のスポンジ状のところに「ス」が入って筋ばってきます。この「ス」は畑の肥料が不足したり、寒さに当たると出るものです。これが出る前に収穫します。

収穫方法
1株丸ごと収穫するパターンと、一枚づつはがして収穫するパターンがあります。一株丸ごとの場合は、葉を掴んでナイフなどでサクっと切って収穫します。

初心者は「ス」が入るタイミングがわからないので、一株丸ごと収穫するよりも、外側から一枚ずつ剥がしていく方が便利。
「す」は食べられる。むしろ香りは強い。が、筋張って美味しくない。

新聞紙でくるんで、ビニール袋に入れて冷蔵庫に入れていると保存も可能です。

品種

コーネル619(香りが少なく日本人向きの大株)
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ミニセロリミニホワイト(75日で収穫できる・ミツバに近い)
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病害虫

エカキムシ(マメハモグリバエ)も発生します。

アブラムシ
アブラムシが発生します。食べるものなので、農薬ではなく天然成分の殺虫剤を利用するか、手で取ります。一家族分のセロリならば、大量ではないので、手で取るほうが現実的です。

キアゲハ
セリ科の植物を専門に食害するキアゲハの幼虫の被害があります。食欲が強く、あっというまに丸坊主になります。防虫ネットで卵を産みつけられないようにしましょう。

軟腐病
株元の風通しが悪いと茎が腐ってきます。芽かきをして、風通しをよくした上で、風通しの良い場所で管理し、株間をちゃんととって密生を防ぐことで予防します。

芯腐れ
葉っぱが黒くなり、枯れていく症状で、病気ではなく「カルシウム不足」です。カルシウムが不足すると細胞壁がうまく作れず、症状が出ます。植え付けの際に苦土石灰を混ぜて、予防し、症状が見られたら、苦土石灰を溶かして水の代わりにあげてください。
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特徴・由来・伝承

日本には1800年ごろにオランダによって渡来したものの、あの独特の匂いのせいで、好まれず栽培はほとんどされなかった。1800年以前、加藤清正が文禄・慶長の役の際に朝鮮半島から持ち帰ったという説もある(眉唾)。どちらにしても、日本でセロリが栽培されるようになったのは明治以降。日本の食の西洋化のため。
ミツバやニンジン、パセリの仲間。
いろいろあるセロリ
セロリは
①黄色種(軟白栽培に向いている)
②緑色種
③黄色と緑色の雑種
④東洋在来種(芹菜(キンサイ)=スープセロリ)
に分けられます。
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