ヘンルーダ(猫寄らず・コモンルー)の育て方…猫よけの効果は?

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ヘンルーダの基礎データ
ヘンルーダ
科名ミカン科
属名ヘンルーダ属
学名Ruta graveolens
別名コモンルー・ハーブオブグレイス・ネコヨラズ
耐寒マイナス10度
水やり水控え目
場所外の半日蔭
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
種蒔
植え
肥料
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ヘンルーダ(猫寄らず)の特徴は?

ヘンルーダ:ヘンルーダ(猫寄らず)の特徴は?
ヘンルーダはミカン科ヘンルーダ属の半耐寒性の常緑低木ハーブの一種。かつては調味料として利用されてきましたが、その成分に毒性があり、現在はほぼ口にされていない観賞用ハーブ。

香りが強いので、虫よけ・猫よけの効果があるとされます。猫よけとして植える人が多い。お店によっては「ネコヨラズ」という名前で売られることもあります。が、実際に猫よけの効果がどのくらいあるかは疑問。多少、嫌なのかもしれないが、猫はそれなりに知能があり、慣れてしまうので、結局効果はないですね。猫を忌避したいなら、猫忌避剤を使いましょう。
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蒸れに弱く、梅雨になると高温過湿で腐ることがあるので、梅雨前に葉っぱをさばいて風通しを良くする。これで丈夫に育ちます。葉っぱをむしる場合は、必ず軍手をします。ヘンルーダの葉っぱや茎の汁は刺激が強く、皮膚が炎症を起こすことがあります。

冬は霜に当てないようにすることで関東以西では戸外で越冬する。霜に当たっても枯れるわけではない。葉先が傷む程度。

芋虫が葉を食べます。アゲハ蝶をなめてはいけない。
草丈50cmから1m

水やり

庭植えの水やり

庭植えにしたら、自然に降る雨でほぼ大丈夫。
あんまりに日照りが続くようなら水をやる程度です。

鉢植えの水やり

ヘンルーダは乾燥を好み、過湿にすると腐ってしまいます。土が乾いてから水をやってください。水をやるときはちょっとずつではなく、鉢底から水が出てくるくらいにタップリとやってください。

乾燥気味に管理するというのは一回にやる水の量ではなくて「頻度を減らす」という意味です。水をたっぷりとやり、その後、カラカラに乾くまでは水やりをせず、またたっぷりと水をやるということです。

冬は寒さで生育が止まっているので、水やりは控えてください。土が乾いて数日経って水をやる程度にします。水やりを控えることで寒さに強くなります。土壌水分計(水分チェッカー)で計測してから水やりをすると失敗が減ります。
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肥料

春(3月)から秋(9月)にかけて液体肥料を二週間に一回程度やってください。この時期に肥料が切れると生育が悪くなりますし葉もまばらになります。ただ、肥料が多くても調子が悪くなるので、様子を見て調節しましょう。

冬は生育が鈍くなるので肥料をやりません。冬に肥料成分が残っていると根を傷めるので、早めに肥料をストップするといいです。
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植え付け・植えかえ

時期・頻度

春(3月から5月)か秋(9月10月)に苗を植えたり、鉢植えを植え替えたりします。理想は春で、春にできなかったら秋にしましょう。

鉢植えは2年に一回、できれば毎年、春に植え替えをします。

用土

ヘンルーダは酸性の土を嫌いますので、庭植えならば植えつける前に苦土石灰を混ぜ込んで中和しておきます。混ぜ込むのは植え付けの二週間前にします。

用土は一般的な花と野菜の土を利用します。自作する場合は赤玉土腐葉土3を混ぜたものを利用します。庭植えの場合は庭土に2割か3割か腐葉土を追加します。肥沃な土を好みますので、庭土や鉢の土に更に鶏糞や牛フン堆肥などの有機肥料を足してください。

鉢植え

最初は6号〜7号鉢に1苗を植えます。

鉢の底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、網の上に軽石を3センチほど入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をやって完成です。

植え替えの場合は、株の古い土は三分の一ほど落として、地上部は半分ほど刈り込んで植え替える。鉢は同じ大きさでもいいし一回り大きな鉢でもいいです。植え替えの時に株分けも可能。サックリと手で割いてもいいし、ナイフで切ってもいい。そんなんじゃ枯れません。

庭植え

植え付ける深さ30cm直径30cmの穴を掘って、苦土石灰を混ぜて中和させます。中和反応が1週間〜10日ほどかかるので、反応が終わってから、掘り返した土に腐葉土か堆肥を3割ほど追加して、よく混ぜ用土とします。

穴に半分の用土を戻して、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をやります。
株同士は40cmから50cmは空けるようにします。

庭植えの場合はこのまま植えっぱなしですが、密生していたり、増やしたい場合は掘り返して株分けも可能です。

株の増やし方

株分け

株分けで増やすのが一般的で簡単。鉢植えのときは植え替えの時にサックリと分けて株分けをする。庭植えでも掘り返して株分けするのもできます。

種まき・育苗

花の後に出来る種子をまくと発芽して増えます。

確実にしたい場合は、秋に採種して、紙袋に入れて保存しておいて、3月〜4月にまきます。ビニールポットや鉢に栽培用土を入れて、種をまき、土をうっすらかぶせて、明るい日陰で乾燥しないように水をやっていると発芽します。発芽したら間引いて、鉢や庭に植え付けます。

挿し木

4月〜6月に枝を切って水揚げしてから土に挿していると発根して株が増えます。

管理場所・日当たり

日当たりか半日蔭で育てます。日当たりが好ましいですが、半日蔭でも生育に問題はありません。
ヘンルーダは乾燥気味の環境を好み、過湿を嫌います。風通しの良いところで管理すると丈夫に育ちます。また梅雨前に葉っぱをさばいて風通しを良くしてください。

冬越し

ヘンルーダは霜に当たると葉っぱが変色して枯れてしまいますが、それで完全に枯死するわけではなく根まで枯れていなければまた春には芽吹きます。

霜に当たらないようにすれば、常緑で越冬しますので、鉢植えならば冬は軒下など霜の当たらない場所で管理します。

関東以西であれば軒下なら常緑で問題無く越冬します。土が凍るような寒冷地だと根まで枯死しますので、冬は室内に取り入れてください。

剪定

梅雨・夏の蒸れに弱いので、梅雨前に株全体の枝をさばいて風通しを良くしてやり、梅雨〜夏に蒸れて腐った葉っぱをむしって取り除いてください。これで健康に夏越ししてくれます。

ヘンルーダの葉や枝を切ると、樹液が出て、皮膚がカブれるので作業の際は必ず軍手をしてください。
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病気・害虫

アゲハ蝶が卵を産みつけます。香りが強く、その虫よけ効果で大抵の害虫は発生しないのですが、アゲハだけは寄って来て、アゲハチョウの幼虫があっというまに丸裸にしてしまいます。舐めていると泣きます。速攻で虫をつまみ出します。もしくは食用のハーブではないので、薬剤(ゼンターリなどのBT剤でも)を散布して駆除しましょう。
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特徴・由来・伝承

南ヨーロッパ地中海原産の植物で草丈は50センチから1メートル。ヘンルーダは多年草で、育つと木質化します。別名はハーブオブグレイス。日本には江戸時代に渡来。抽出したオイルは「ルーオイル」と呼ばれます。

葉っぱに強い香りがありかつては薬用ハーブとして食用にしていましたが、毒性があるとも言われ、現在は食べていません。葉っぱや茎の汁が肌に触れると炎症を起こすことがあるので注意してください。乾燥させたものが堕胎薬となるほど刺激が強いので、口にしてはいけません。
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