ソテツ(蘇鉄)の育て方

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ソテツの基礎データ
ソテツ
科名ソテツ科
属名ソテツ属
学名Cycas revoluta
別名蘇鉄
水やり水控え目
場所外の日なた
難易度初心者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
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ソテツの特徴は?

ソテツ(蘇鉄)は日本に自生するソテツ科ソテツ属の常緑低木。樹高は3m〜10mと大きく育ちますが、成長が遅い。枝分かれせずに一本の太い幹だけが伸びて、その先に大きな葉を茂らせます。

枝分かれしないので庭植えにする場合でも計画が立てやすいのがよいところです。雌雄異株で、メス株の場合、赤い種子ができます。生育が非常に遅いです。
ソテツ:補足情報
形状がなんだかヤシの木に似ていますが性質が全然違います。
樹高3m〜10m
ソテツ鉢
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水やり

鉢植えの水やりは?

鉢植えの場合、土が乾いていたら水をしっかりとやります。頑健で乾燥に強い…というかソテツは乾燥が好きで、水分が多い土壌では根が腐って枯れてしまいます。

水やりには神経質にならず、気がついたら水をやる程度で十分です。冬は土が乾いてから数日たってから濡らす程度の水やりにしておきます。

庭植え(地植え)の水やりは?

庭植え(地植え)であれば、自然に降る雨だけで十分です。あまりに日照りが続く時期に様子を見て水やりをしますが、それでもやらなくても枯れるのは余程のことです。

肥料

ソテツは根にシアノバクテリアを飼い、空気中の窒素を取り込んで栄養とするため肥料はなくてもいいし、肥料があると根を傷めて枯れ込むこともあります。なので基本的に肥料はなしでいいです。

肥料をやる場合は、一年で春に一回だけ、援効性の固形肥料(油粕か化成肥料)を根本においてやります。肥料が多いと枯れ込みますし、あんまり大きくなっても困ることが多いので控えめにします。
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植え付け・植えかえ

植え替え時期

植え替えに適した季節は5月〜9月の暖かい時期です(最低温度15度以上のときに)。できれば春に植え替え、そのダメージを秋までに取り返すのがよいです。

ソテツの成長は遅いので、根詰まりを避けるための植え替えは四年に一回の頻度です。ただ、土が劣化して…赤玉土が泥状になって根腐れを起こすようなら、土の入れ替えのために植え替えをしましょう。

用土

ソテツは水はけの良い痩せた土を好みます。用土は水はけのよいものを使います。

鉢植えであれば、観葉植物の土を利用するとよいです。地植えする場合は元の土に対して赤玉土と腐葉土を足し入れて、水はけが悪いなら、ここに川砂を混ぜて水はけをよくしてから植え付け・植え替えをします。
●用土の配合例…赤玉土5腐葉土3パーライト2
ハーブ用の培養土でもいいです。

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鉢植えの植え替え手順は?

古い鉢から株を抜きます。根詰まりでガチガチになってたら、鉢をカナヅチなどで叩き割って取り出します。株の古い土を三分の一ほど落として、新しい鉢に植え替えます。新しい鉢は同じ大きさでもいいですし、一回り大きな鉢でもいいです。

新しい鉢の底の穴に土が流れ出ないように鉢底ネット(鉢底網)を敷いて、その上に鉢底石(軽石)を3cmほど入れます。その上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を詰めます。鉢を揺らすと隙間が出ますので、その隙間にまた土を入れていきます。最後に水をやって完成です。
●現在より極端に大きな鉢に植え替えないようにします。
●大きな鉢に植えて大きくなると冬に室内に取り込むのが大変。腰を抜かしますよ。鉢は軽いプラスチックにしときましょう。小さな鉢にしておくと小さいままです。

庭植え(地植え)の手順は?

植え付けの2週間前に根鉢の2倍の深さ、2倍の直径の穴を掘り、元の土に対して腐葉土を3割ほど追加してよく耕します。水捌けが悪いのであれば元の土に川砂を混ぜて水はけをよくします。土を半分戻し、株を入れ、
地面より少し高い…20cm〜50cmほどの「高植え」にします。高植えにすることで水捌けがよくなります。最後に水をしっかりとやります。
地植えの場合は植え付けのときに水をやれば、あとは自然に降る雨だけで十分です。

株分け

ソテツの幹から子株(不定芽)が出てきます。この子株がこぶし大くらいに大きくなってきたら、切り離して別の鉢に植え付けます。土はときどき濡らす程度に水をやります。地植えの場合は、株分けした時に水をやって以降はそのまま放置で根付きます。
●株が小さいうちは寒さに弱いので、鉢植えにして冬は室内管理が無難です。

種まき

種子はほとんど流通していませんから、普通は鉢を買います。種子をもらうこともありますので、実生から育てる手順をまとめておきます。

まず種子を48時間以上水につけておきます。5号鉢に種まき培養土(赤玉土単用小粒)を敷き、その上に種子を置きます。日陰で種子を乾かさないように水やりをして管理していると2ヶ月〜6ヶ月で発芽します。発芽しても乾燥しないように管理し、一年、栽培して育ったら、徐々に大きな鉢に植え替えていきます。
●ネットオークションで種子を売ってますけど、うーん、信用できるかなぁ…

管理場所・日当たり

日光を好みます。できるだけ一年中しっかりと日光が当たる場所で管理してください。夏の直射日光にも負けませんので、春から秋は戸外の日当たりで管理しましょう。
●潮風、大気汚染にも強い。

冬越し

耐寒温度は5度であるために、霜に当たらないようにしないといけません。霜が降りる地域では室内に取り込むか、冬の間は幹をワラで巻いて防寒してやる必要があります。葉っぱは落とした方がより寒さには強くなりますが、葉っぱを縛ってまとめるくらいにしておきます。基本的には鉢植えで室内に取り込んだ方がいいです。
●広島では軒下で防寒ナシに越冬します。ただし広島でも南の暖かい地域です。
●品種によって耐寒温度は違う。レボルタ、クリスタータなどは関東の戸外で防寒なしに越冬する。
●株が大きいと耐寒性があがり、越冬しやすくなる。

剪定

生育が遅く、変化が少ない植物ですので剪定することはほとんどありません。古い葉っぱが枯れ込んだり、枝垂れたら剪定しましょう。

根腐れ

水をやりすぎると根腐れを起こします。おそらくソテツを枯らすことがあるとするなら、ほぼ根腐れでしょう。

根腐れしているなら、鉢から株を取り出し、腐った根を切除します。また、古い葉っぱを取り除き、新芽だけにしてしまいます。これをまず、風通しの良い日陰で切り口を乾かします。切り口が乾いたら、植え替えの時と同じように鉢に植えます。

病害虫

カイガラムシ
小さな白い虫で、くっついて汁を吸います。みつけたら歯ブラシなどで削ぎ落とします。落としてしまえば自力では動けないため、死んでしまいます。大量に発生したら薬剤で駆除しましょう。

クロマダラソテツシジミ
本来は熱帯アジア(台湾・フィリピンなど)の蝶の扁平な赤い幼虫で、本来は日本にはいないはずなんですが、最近は日本でも見られるようになっていまして、これがソテツの葉っぱ(新芽)を食べます。

特徴・由来・伝承

九州や南西諸島で自生している日本で唯一のソテツ類。南国の雰囲気満載で、よく夏を演出するシーンで見かけられます。本州でも冬に防寒すると越冬可能です。雌雄異株で雄株と雌株があります。雄花が縦長の、雌花が丸いものです。

名前の由来は?

弱ってくると、「鉄で蘇る」とされていて「蘇鉄」という名前になりました。昔は、鉄釘を打ち込まれているソテツがよくあったとか。しかし実際に鉄分で蘇鉄が元気になるかは不明。

ちなみにソテツは根に藍藻類を強制させ、空気中の窒素を固定させることができるためにやせ地でも育ちます。

ソテツ地獄

蘇鉄は実をたわわに実らせますが、実には毒があり、皮を剥いで水にさらして発酵させ、乾燥させると食べることができましたが、処理が難しく、うまく処理しないと食用にはできません。

沖縄では飢餓のときや戦後間もなくの食料が乏しい時期にこのソテツが「仕方なく」食べられた時期があり、処理が半端で、毒で苦しむ様子から「ソテツ地獄」という言葉があったほど。死ぬこともありました。

雑記

●ワシントン条約の正式名称が「絶滅のおそれのある野生動植物種の国際取引に関する条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)」で、頭文字を取って主にCITES(サイテス)と呼ばれます。このワシントン条約で「保護すべき植物」の中にソテツが入っていて、国家間で取引する場合は関連書類(CITES書類)が必要になります。過去に輸入したものにも書類は申請すれば取得できます。
●幹から透明状のゼリーのようなものが出ていることがある。これは吸い上げた水分が余分になって排出しているだけで病気ではないが、水のやりすぎかもしれない。鉢植えであれば水やりを控えます。また、このゼリー(樹液)が付着したままだと幹が腐ることがあるので取り除きましょう。
●ネットオークションでは枯れた葉っぱのソテツを黄金葉として出品していることがある。葉焼けしたソテツを斑入りとして出品していることがある。気をつけましょう。
●雌雄は開花するまでわからない。
●根にコブのようなものがあるが、これは根粒菌を飼っているところなので病気ではないです。
●新芽が出るのは4月か9月、もしくは両方。
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ソテツのカテゴリ・タグ
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