苦土石灰と消石灰・生石灰・有機石灰との違いと効果と使い方

TOP > 園芸用語 > 用土最終更新画像投稿

苦土石灰とは

苦土石灰とはドロマイトという岩石を原料とした石灰(正確には炭酸カルシウム)とマグネシウム(正確には酸化マグネシウム)が混ざったものです。つまり苦土とはマグネシウムのことです。ちなみに苦土と書くのは、マグネシウムが舐めると「苦い」からです。

このページでは苦土石灰とその他の石灰(生石灰・消石灰・有機石灰)の違いについてまとめています。
スポンサーリンク

苦土石灰を使用する目的

中和(pH調整)

石灰は主に「pHの調整」のために使用されます。大抵の植物は中性(pH7.0)〜弱酸性(pH6.5)を好み、酸性の土を嫌います。日本の雨は弱酸性で雨に当たっていると酸性に傾き、生育不良を起こします。そこで、各種石灰で中和します。

苦土石灰の主な目的なこのpH調整です。

カルシウム

チッソ・リン酸・カリウム肥料の三大要素と言われています。そこにマグネシウムとカルシウムを足して、五大要素ということもあります。苦土石灰はこのうちカルシウムとマグネシウムを補給してくれます。

カルシウムは根を強くする性質がありますので、苦土石灰をまくことで根の生育をよくする効果があります。

マグネシウム

マグネシウムは土に含まれる量は決して多くはありませんが、これが不足すると葉緑素が形成されなくなり、下草から黄色く変色して枯れていきます。ゴーヤを育てたことがある人はゴーヤが徐々に下草から黄色くなっていくのを見たことがあると思います。これは土中のマグネシウムが不足して、葉緑素が作られにくくなったためです。他の植物でも同様の症状が現れます。

苦土石灰にはマグネシウムが含まれていて、葉の黄変を抑える効果があります。

石灰の種類

生石灰

生石灰(セイセッカイ・キセッカイ)は酸化カルシウムで石灰石を焼成したものです。水に触れると反応して発火はしないものの数百度の高温になって水酸化カルシウム(消石灰)になります。人の手に触れると炎症を起こし、吸入すると呼吸困難を起こします。

ガーデニングをする上では見かけることはないです。

消石灰

消石灰(ショウセッカイ)は生石灰が水と反応したものが、消石灰です。水に溶け、石灰水になり、コンニャクの凝固剤としても利用されます。昔はグランドの線引きに使っていた真っ白い粉です。ガーデニングで使用することはありますが、反応が強く、呼吸器・皮膚に触れると炎症を起こしますし、目に入ると失明したという事件もあり、一般家庭での使用はあまりお勧めしない。
消石灰の商品画像
消石灰の購入はこちら
Amazon
楽天市場
苦土石灰か、有機石灰にしましょう。

苦土石灰

苦土石灰:苦土石灰
苦土石灰はドロマイト・ブルーサイトと呼ばれる鉱石を砕いたもので、葉緑素の材料となるマグネシウムを含んでいます。なにより、反応が生石灰・消石灰よりも遅く、触れても手が炎症を起こしにくいので、一般家庭のガーデニングには適しています。

窒素肥料に触れると反応し、窒素がアンモニアになって消えてしまうので、苦土石灰をまいてから、1週間経って中和が終わってから、肥料を入れてください。
苦土石灰の商品画像
苦土石灰の購入はこちら
Amazon
楽天市場

有機石灰

有機石灰は牡蠣やホタテの貝殻の化石や卵の殻などが原料の粉で、反応が緩やかなのが特徴です。苦土石灰の場合は、使用してから1週間待って腐葉土堆肥を混ぜますが、有機石灰は腐葉土・堆肥と一緒になっても反応しないので、有機石灰+堆肥を同時に畑に入れても大丈夫です。

有機石灰には「有機物」が含まれているので、微生物が活動して土が団粒構造になり、土壌改良にもなりますので、pHの微調整と土壌改良を兼ねるのであれば有機石灰を候補にしましょう。
有機石灰の商品画像
有機石灰の購入はこちら
Amazon
楽天市場

過リン酸石灰

過リン酸石灰は「石灰」と名前についていますが、pHの調整ではなく、リン酸(花・実のための栄養素)の補給のための肥料で、即効性があります。
過リン酸石灰の商品画像
過リン酸石灰の購入はこちら
Amazon
楽天市場

苦土石灰の使い方

庭土を掘り返し、掘り返した土に苦土石灰を1平方mあたり100g〜150g、もしくは土1kgあたり1.5gをまいて、耕します。反応が終わるまで1週間かかりますが、できれば、その1週間のうちに2回ほど土を混ぜて、満遍なく反応させてください。

その後に堆肥や腐葉土や肥料を入れてください。
スポンサーリンク
記事が気に入ったら拡散をお願いします。
はてブ LINE

関連する花BBSの投稿

スポンサーリンク