ヤツデの育て方

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ヤツデの基礎データ

ヤツデ
科名
ウコギ科
属名
ヤツデ属
学名
Fatsia japonica
別名
八つ手
水やり
水を好む
場所
外の半日蔭
難易度
中級者向け
ヤツデの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

ヤツデとは?

ヤツデはウコギ科ヤツデ属の常緑低木。福島以南の本州・四国・九州・沖縄で自生していて、育てやすいので関東以西で庭木に使われることが多い。八つ手と書きますが、実際には八つに裂けていることは少なく、大抵は7か9、少なくて5という奇数です。八つというのは「たくさん」という意味かもしれませんが、八は末広がりで縁起が良いことと手が人を招くイメージから、昔から「千客万来」の縁起のいい植物として門に飾ったり、植え込んだりする植物です。

強い日ざしが苦手で、ジメジメした場所を好みます。一般的に樹木が育たないような…1日2時間ほどの日当たりしかない場所でも育てられるので、北側の庭木によく見かけます。11月〜12月に開花し、5月に果実が見られます。

葉っぱと茎、根に毒があり、口にすると体調不良を起こします。犬などの動物も口にすると体調不良を起こします。ただし、実際に問題が発生したという事例はありません。普通にしていれば問題は発生しないかと思われます。
樹高2m〜3m

ヤツデの水やり

乾燥が苦手で、ちょっとジメジメした場所を好みます。一般的には半日陰や日陰に庭植えしてしまいます。庭植えしたらほぼ雨だけで水やりは不要です。夏にあまりに乾燥するようであれば、水をやってください。

鉢植えの場合は、土が乾いていたら水をしっかりとやります。一般的な樹木や苗の鉢植えと同じですが、水切れしやすいので、頻繁に水やりをすることになります。面倒なので可能であれば庭植えにします。

肥料

肥料が不足して枯れることはありませんが、成長するには肥料はあげた方がいいです。2月に緩効性肥料か油粕を根本に撒きます。結実後のお礼肥として、同様に肥料をやります。
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植え付け・植えかえ

時期・頻度

植え付け・植え替えは気温が上昇してから梅雨までの4月〜6月に行います。鉢植えの場合は2年に1回植え替えをします。植え替えのときに株分けもできます。

用土

湿度の高い状態の保水力のある土を好みます。水はけが良すぎる場合は、腐葉土堆肥を混ぜ込んで水もちをよくしてください。鉢植えの場合は一般的な培養土を使います。
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鉢植え

現在より一回り大きな鉢か同じ大きさの鉢を用意します。

同じ大きさの鉢に植え替える場合は、古い鉢から株を取り出し、3分の1ほど土を落としておきます。鉢底の穴を鉢底網で塞いで土が出ないようにしてから軽石を2cmから3cmほど入れて、軽石の上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
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庭植えの手順

根鉢の二倍か三倍の深さと大きさの穴…深さ40cm直径40cmくらいの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か堆肥を3割か4割混ぜて、半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。

ヤツデの増やし方

挿木

3月〜4月であれば去年に成長した枝、5月〜9月にする場合は新しく伸びた枝を使って挿木にします。赤玉土小粒単用をさし床にして、切り口に発根剤を塗って、さします。あとは日陰で乾燥しないように水をやっていると発根します。発根したら鉢植え・庭植えにします。

種まきから増やす

5月に果実が熟して黒になるので、種子を取り出してすぐにまきます。乾燥すると発芽しなくなるのでとりまきにします。苗床の土にはバーミキュライトピートモスココピート)にまき、乾燥しないように水をやっていると発芽します。葉っぱが4枚になったら鉢植え・庭植えにします。

ヤツデの管理場所・日当たり

強い日差しを嫌い、年間を通して半日陰か明るい日陰で育つ植物です。日陰を好むといっても一日中、日が当たらないようであれば、枯れないまでも徒長(ヒョロ長に成長すること)して、下葉が黄色くなって落ちてしまいます。最低でも1日2時間以上日光が当たる場所で育てましょう。

もともと森の中の高い木の根本に生える植物で、ジメジメした環境を好みます。また強風に晒されたり、乾燥することも苦手です。冬の寒風が苦手ですので、強い風が通る場所は避けてください。夏もあまりに乾燥するようであれば枯れてしまいます。

日光を好む植物が多い中で、日陰でも育つヤツデは昔から庭木(シェードガーデン)として利用されてきました。今でもよく見かけます。花が少ない時期に真っ白い花を咲かせます。

ヤツデの剪定

ヤツデの特徴である葉っぱの大きいところも、植えた場所によっては邪魔になります。通路が狭い場合だと通るときに圧迫感を感じてストレスになります。

それでは困るので、余計な葉を落とすことで、葉っぱを小さく抑えます。まだ成長途中のヤツデを成長点(新芽)付近の葉っぱを三枚か四枚残して落とします。葉っぱを落とすと光合成する力が落ちて株全体の力を抑制して、結果、生えてくる葉っぱが小ぶりになります。これはヤツデの力を削ぐことでになるので、頻繁に行うと枯れてしまいます。目安は二年か三年に一回です。

ヤツデもバラウメのようにヤゴ(ヒコバエ・シュート)が生えてきます。ヒコバエというのは、株の根元から出てくる勢いの良い新枝のこと。これを全て落とすのではなく、いくつかは残しておきます。ヤツデの幹は徐々に硬くなり、年数を経て幹がガチガチに硬くなってくると摘芯切り戻しをしても脇芽が出なくなります。そうなったら、古い幹は切ってしまいます。いつも次の候補を残して3本から5本の幹を生やすようにしましょう。

病気・害虫

黄色紋羽病、炭そ病、黄斑病、貝殻虫などが発生します。

特徴・由来・伝承

葉っぱは8つに分かれていないのですが、学名のFatsia は日本語の「はち」→「ふぁち(古い発音)」から来ています。葉っぱも個性的ですが、花も目立つ花で、庭に植えるととにかく目立つ。花が少ない時期に花を咲かせること、日陰でも育つことから、庭植えに重宝します。

ヤツデの花は一見すると大きなフワフワした花の塊にも見えますが、全体が小さな花の集合体。しかし、もっと細かく見るとヤツデの花が一塊の中で多種な状態になっているのが分かると思います。つぼみ、花が咲いているもの、種子が出来始めているもの。どうしてこんなことをするのか?というと、自家受粉を避けるためです。

ヤツデの花は冬に咲きます。この時期は虫が少ないのですが、他の花も咲かず、虫達を独占できます。その代わり、かなり濃い蜜を用意しています。鳥達もこの蜜を目当てにやってきます。個人的にはツバキ同様に鳥がメインじゃないかと思うのです。

雄性先熟
植物にとって自家受粉は最終手段。出来るならば他の遺伝子を取り込んで種子を残したいと考えています。そこで、一つの花の中に雄しべとメシベがあるタイプであっても、出来るだけその中で受粉しないように、成熟期をずらします。まず雄しべが花粉を出しますが、そのとき雌しべはまだ成熟しておらず受粉する能力がありません。
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