グリーンカーテンにオススメの植物と栽培注意点まとめ

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グリーンカーテンとは

グリーンカーテンは緑のカーテンとも言われます。ツル性の植物を繁茂させて、日陰を作り、家の温度を下げるためのものです。壁から地面へと貼ったネットに絡ませて繁茂させます。葉っぱからの気化熱での気温上昇抑制や、建物が日陰になることによる室内気温上昇抑制が望めます。東日本大震災による「節電意識の高まり」からグリーンカーテン(緑のカーテン)への関心が高まっています。

グリーンカーテン栽培ではネットを張らなくちゃいけません。百均のミニ万力(吸盤じゃなくてクランプのやつ)を何かで挟んで、ひっかけるといいです。もしくは針金で手すりなどに結びつけるか。百均にはグリーンカーテンを吊る商品もあるので、それを使うといいです。管理・収穫が難しくなるので、ネットは高さ2m程度に抑えます。

ゴーヤ朝顔がやっぱり定番ですが、葉っぱの大きいヘチマがグリーンカーテンにはもっとも適している。収穫するならゴーヤ、雲南百薬草オカワカメ)、ツルムラサキ。花目当てなら、朝顔・宿根朝顔系、ルコウソウです。
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グリーンカーテン向けの植物

ゴーヤ

ヘチマよりは日陰は薄いものの、グリーンカーテンとしては十分な影の濃さ(=つまり葉っぱの大きさ)で、葉っぱの形も綺麗。ちょっといい香りもする(人の好みによるかな)。カーテンにもできて、ゴーヤが収穫できるのは魅力的ではあります。テレビや新聞は「美味しい」と言いますが、好みによる、というか、何回も食べる気にはなりません。一家族なら苗一個で十分収穫できるので、ゴーヤと他のウリ科植物のヘチマ・キュウリメロンスイカを混ぜるなどするのがいいです。
●キュウリ・メロン・スイカ・カボチャなどはウドンコ病害虫がやってきて、葉っぱが汚くなりがちだし、他のウリ科はゴーヤより先に枯れてしまいます。
●ウリ科以外のグリーンカーテンと混植するとゴーヤが競り勝ってしまう。意味がないのでウリ科以外とは混植しないようにする。

ヘチマ

葉っぱが大きくて、夏の暑さに強い。一番濃い日陰を作ることが出来ます。栽培は簡単ですので初めて挑戦するならヘチマを。夏に水切れするのでプランターの場合は、底面給水プランターを使いましょう。水切れしやすいので庭植え推奨。果実はボディタオルにできますし、沖縄料理の材料でもあり食用にも。

キュウリ・カボチャ・スイカ・メロン

自家栽培のキュウリには愛着が。しかし肥料が悪いと、変な匂いがあって食べにくい。グリーンカーテンとしては優秀ですので、ウリ科を並べるならば一つキュウリを混ぜてみてはいかがでしょう。

他にもカボチャ・スイカ・メロンもネットに絡ませてグリーンカーテンにできます。ウリ科のゴーヤ・ヘチマと混植にすることが多い。ただ、大きな野菜がネットにぶら下がって「空中カボチャ」「空中スイカ」「空中メロン」ができて、これでネットが切れたり、風で窓に当たって窓ガラスが割れることもあるので注意。

育て方は
キュウリカボチャスイカメロンを参考に。
●キュウリ・カボチャ・スイカ・メロンはウドンコ病・ウリハムシや風で葉っぱが汚くなる。また、ゴーヤ・ヘチマより早くに枯れてしまい、混植していると枯れて穴が空くことになる。
●マイクロキュウリという葉っぱも実も小さい品種がある。葉っぱは小さいがカーテンには十分。
ズッキーニは株が短命でグリーンカーテンには向かないかな。

朝顔(アサガオ)

鑑賞価値を考えるとアサガオという選択肢もあります。カーテンとしての日陰は薄いですが、花がとにかくキレイ。種子がこぼれて翌年も芽を出します。鉢植え・プランターでグリーンカーテンを作った翌年に庭に植えていない野良朝顔が生えてくる。

オーシャンブルー(琉球朝顔・宿根朝顔)

霜に当たるまで花が咲きます。生育の勢いがあって、場合によっては2階建てなら屋根まで上り、横に暴れると隣家まで行くこともある。また、宿根で土中に芋が残って越冬すると来年も生え、年々生育が旺盛になる。葉っぱが濃い緑で暑苦しいと感じる人もいるが、花色が澄んで綺麗。グリーンカーテンより塀・フェンスに絡ませることが多い、というかそっちに勝手に絡んでいることが多い。

いつか引っこ抜く覚悟を持って植えましょう。
参考:オーシャンブルー、★ラッキーブルー

雲南百薬草(オカワカメ)

火を通せば食べられるツタ植物。繁茂する速度が早く、グリーンカーテンというよりはほぼ完全に「遮光」して影になるくらい。ネットはかなりしっかりとしたものを使わないと、ネットが破れて倒壊しかねない。ネットをかける鉄柱を立てるくらいじゃないといけない。ただし、上へと伸びて脇芽が出ないので、カーテンにするには横にかなり植えないと厳しい。ゴーヤなどと混植すると負けてしまうので、雲南百薬草(オカワカメ)だけで植える。

花ガラ(=花がしぼんだもの)が落ちて汚いのと、ムカゴが落ちて繁茂して駆除が大変なことになるかもしれない。花が咲くとハエがやってくるので開花する前に撤収するといいです。花は甘い香りがする。味はツルムラサキと同じ。味噌汁に入れると食感がワカメっぽい。
(オカワカメ)

ツルムラサキ

健康野菜としても人気のあるツタ植物。スーパーで売ってるくらいメジャーな野菜になりました。ネットで這わせてグリーンカーテンをしながら、葉っぱを収穫するということも可能。

オキナワスズメウリ(琉球オモチャウリ)

初期の成長が遅くて、カーテンとしては夏に間に合わないことがあるし、葉っぱが小さくてカーテンとしては影が弱い。カラスウリの芋を植えた方が生育は早いので、そちらを。一年草なのでその年に開花して結実する。摘芯して脇芽を出させて、葉っぱの密度を上げていきましょう。カラスウリのように芋はできません。苗も流通している。

ルコウソウ(サイプレスバイン)

自分からネットに巻きつく。生育が早い。マルバルコウソウ雑草化しているが、ルコウソウは自力で自生はできないくらいの繁殖力です。百均にも種子は売っています。生育は良いが、朝顔や他のウリ系と混植すると負けるので、ルコウソウを植える場合は、ルコウソウ単植にする。

ちなみに百均の種子は例によってパッケージ通りのピンクの花が咲かない。

風船葛(フウセンカズラ)

鉢植えでも。葉っぱが小さくて十分なカーテンにはならない!と感じるかもしれない。逆に涼しげとも。肥料を効かせると葉っぱが大きくなり、緑が濃くなる。するとなんか暑苦しく感じるかも(影は濃くなるからカーテンとしては機能してるのに)。

アサリナ

花がかわいい。最初はヒョロヒョロだがしっかりとしてくる。ちぎれたものを土に挿していると株が増える。生育がちょっと遅く、台風で折れたりちぎれたりして十分な成果を得られないことがある。

ツル性マメ科植物

ツル性のマメ科植物をグリーンカーテンに利用することもあります。中でも青い花が咲き、ハーブティーにすると真っ青なお茶になりレモン汁を入れるとピンクのお茶に変わるバタフライピーや、薄い青い花が咲くスネイルフラワー、食べられるマメではスナップエンドウ、ササゲシカクマメフジマメなどがあります。インゲンマメは収穫が6月〜8月でグリーンカーテンとしては時期がズレることがあります。

カラスウリ

夜に開花する独特な花。芋は深く植えないようにする。種子の発芽率はいいが開花までは種まきから3年かかるので芋を植える。芋が太っていないと開花はしない。雑草扱いされることも多い。雌雄異株で1株に雄花か雌花しか咲かないので近くに雄株がないなら結実はしないです。庭植えすると、ツルが地面に触れたところで発根して小芋を作って拡散し、駆除するのが大変なことになる。また、果実を鳥が食べ、種子をあちこちに拡散するため、近所にカラスウリが生えてきてトラブルの元になりかねないので、問題が起きそうなら植えない方がいいです。

宇宙芋(エアポテト)

スズメガ・イモムシ・カナブンなどが発生する。戸外地植えの越冬はできない(できることもあるができないことが多い)ので、毎年、植え直すことになります。まだ苗の単価が高いです。

ムカゴを保存しておいて、春に植え付けすると毎年更新も可能。葉っぱが大きくて、大人の手のひらくらい。ムカゴの味は普通の山芋だが、さほど美味しいわけじゃない。

グリーンカーテンの栽培の注意点

水切れしやすい

夏の涼を取る意味では非常に優秀なのですが、真夏の日ざしに晒されることから、水切れがおきやすいです。夏は鉢植えだと朝に水やって夕方に水やっても、それでも追いつかないことがあります。対処方法としては、庭植えにするか、鉢を出来るだけ大きなものにするか、水やりの頻度をあげるか、のどれかです。

鉢植え・プランターだと土が少ないために肥料切れもしやすいです。ゴーヤや朝顔は一株に対して直径30センチの尺鉢を利用するべきです。幅60センチから65センチのプランターにゴーヤや朝顔を3株植えてることが多いですが、途中で息切れします(水も肥料も)。

虫が集まる

植物がある以上、虫は集まります。ただ、グリーンカーテンは家屋に近い場所に植えるので、生活圏と虫が近づきます。花が咲き、蝶々が集まるくらいなら問題は無いのですが、アブラムシやイモムシが発生し、それらを食べにスズメバチやアシナガバチがやってくると、危険です。

わたしの家もゴーヤを育てていたら、虫が集まり、アシナガバチがやってきて、ベランダに巣を作っていました。殺虫剤ですぐに駆除しましたが、そういうこともあります。ただ、この問題はガーデニングをするのであれば大なり小なり起きることです。
を参考に。

室外機に注意する

クーラーの室外機のそばにも茂ると、室外機が熱を持って火事になることもあります。逆に室外機の熱風で植物の生育が悪くなることも。とにかく室外機の近くにはグリーンカーテンはしない方がいいです。

壁面緑化に注意

壁面緑化とグリーンカーテンは違いますが、同じところで議論されがちなので、ちょっと書いておきます。壁面緑化は壁に蔦などを這わせること。

ヘデラやオタフクカズラ・木蔦といった壁に吸着するものは壁の中に根がもぐりこむなどして壁が劣化することがありますので注意してください。自宅の壁が劣化するだけならまだしも、庭から塀を乗り越えて、隣家の庭に入り込んで隣家の壁を登り始めると、ご近所トラブルに発展しかねない。自宅の庭から逃げ出さないようにしましょう。
●壁面を蔦で覆われた家に憧れる人も多いですが、いろいろと問題が発生しやすい。グリーンカーテンで一時的に…夏だけ覆うか、ヨシズ・簾(スダレ)で日除けする方がいいです。
●壁面緑化すると、湿気っぽくなる。西日を嫌がって壁面緑化したくても、西側以外もいつのまにか蔦で覆われて大変なことになる。

台風と風について

グリーンカーテンが、台風・強風で千切れたり、吹き飛んだり――そういうこともあります。葉っぱが大きいゴーヤ・ヘチマなどは台風が来たら葉っぱが軒並み吹っ飛んでしまう。台風に関しては、葉っぱが小さくて、カーテンとしては日陰が弱いものの方が被害が少ないです。
ネットにからめている場合は、台風が来る前にネットごと外して地面において、重しを載せておくといいです。

その他の植物

ヨルガオ
アサガオのようなものです。ヨルガオは香りがあります。育て方はアサガオと同じです。

クレマチストケイソウ・パッションフルーツ
新枝咲き品種なら毎年冬に根元から刈り込んでリセットできるので、可能ではあるんですが、枝が硬くてネットから取り外すのが大変なのと、庭植えにすると繁茂しすぎて管理しきれないときが来る可能性が非常に高い。

クズ
カメムシなど害虫を呼び寄せる。斑入り品種もある。花は綺麗。植えてはいけない植物に挙げられるくらいなので、植え付けするにはそれなりの覚悟は必要。

ヘクソカズラ
花・茎・葉が臭く、切れると匂いがする。どんな植物でも多少は匂うわけで、どう捉えるかは人によるが、猫の糞・尿のような匂い。斑入り品種もあり、グリーンカーテンに使う人もいる。元々イメージが悪いし、匂いのリスクを考えると植えない方がいい。ホウジャクが発生する。

千成ひょうたん
葉っぱが小さくで、葉っぱが上向きにつくため、日陰が薄い。

シカクマメ
なぜかグリーンカーテンではうまくいかないらしい。グリーンカーテンとしては初期の成長が遅いので、夏に間に合わない。

最後に…

グリーンカーテンに適した植物と、その栽培方法のコツについてまとめてみました。グリーンカーテンは暑い夏を涼しく過ごすためのコツでもありますが、花と野菜の収穫も兼ねることもできます。

最初はヘチマ・ゴーヤ・アサガオといったオーソドックスなものから始めて、ルコウソウ・琉球オモチャウリ(=オキナワスズメウリ)などの少し栽培難易度の高いものへと手をつけるといいと思います。

それではまた。
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