エアープランツの育て方

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エアープランツの基礎データ
エアープランツ
科名アナナス科
属名チランジア属
学名Tillandsia
水やりたまにやる程度
場所室内
難易度中級者向け
画像投稿
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植え
肥料
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エアープランツ(チランジア)とは?

チランジアパイナップル科アナナス科)のチランジアの仲間全般を指す。土に植える必要がないので「エアープランツ」と呼ばれる。残念なことですが非常に多くの人がチランジアをミイラにしてしまっています。チランジアは毎日水をやる必要はありませんが、定期的に水分補給をする必要があるにも関わらず、見た目に変化が薄いために、水やりを忘れがちだからです。

このページではチランジアの育て方をまとめていますが、品種名が分かっている場合はその品種の育て方のページを参考にしてください。また水やりの頻度などは個人の環境によってかなり違うため「答え」はありません。あくまで「参考」としてください。

栽培のまとめ

●チランジアはパイナップル科(アナナス科)の植物。
●風通しの良い明るい日陰で育てると花が咲く。観賞価値は高い
●霧吹きで夜に水をやる。水のやりすぎ、やらなすぎに注意。
●古い葉っぱが葉先が茶色くなるもの。気にしない。
●株の根元は茶色いもの。気にしない。
●変な匂いがしたり、新芽が簡単に抜けるようであれば腐っている。
●日が当たらない古い葉っぱは茶色くなる。
●花の後に種子が出来る。種子が入っているものをシードポットと呼ぶ。

参考
エアープランツが枯れる理由
チランジア・イオナンタ・グアテマラ(ごく一般的に流通しているエアープランツはコレのこと)

水やり

チランジアが自生しているのは霧の立ち込めるような湿度の高い場所です。日本が湿度が高いといっても、そこまで湿度が高いわけではありませんので、霧吹きで水をやっていないと乾燥してミイラになります。チランジアは昼は気孔を閉じて蒸発を防いでいて、昼に水をやってもなかなか吸収しません。夜になると気孔が開くので、水やりは夜にやってください。

水やりの注意点

●乾燥地帯と温帯のチランジアもある。乾燥地帯のはかなり乾燥に強い。品種による。
●春から秋の戸外での管理に適した時期ならば、ほぼ毎日水をかける。夏は日没後に水をやるといい。水やりはホースで水をかけるだけ。霧吹きなんてぬるいことをやっていると乾燥に追いつかない。
食虫植物の温室のような湿度の高い場所でも育つ。ビチャビチャでなければ大丈夫です。
●小さい毛が生えている銀葉系チランジアの場合、肥料や水をしっかりやるとトリコームが剥げ易いし、藻がついて緑色になる。
シリンジ(ミスティング)…霧吹きで水をかけようと、ホースやジョウロでかけようと一緒。簡単に乾かない程度の水をしっかりとやるようにする。

夏の水やり

30度を超えると生育が鈍くなり、水を吸収しづらくなります。すると水が葉っぱの隙間に溜まり、それが腐って病気になります。水が葉っぱの間にたまっているようならティッシュで「こより」を作って吸い出し、霧吹きの頻度を見直しましょう。クーラーがかかっている部屋では空気が乾燥しがちで逆に水を欲しがるかもしれない。
●戸外の風通しの良い日陰で管理するといいです。
●自生地では夜に結露した露を、気孔を開いて吸収しているので、夕方か夜に水やりをすると吸収されやすい。昼間に水をやると夜までに乾いて、意味がないことがある。

冬の水やり

チランジアは10度以下になると生育が止まるので冬の水やりはストップしてもいい。ただし暖房のかかっている部屋で管理している場合、生育は止まっておらず、なおかつ暖房で乾燥しやすいため、逆に霧吹きは多めにした方がいい。

ソーキング

エアープランツ:ソーキング
霧吹きでは水が足りない場合(夏と梅雨を除く春から秋にかけて)は、ソーキングをします。ソーキングは1ヶ月に1回です。ですが、これはあくまで目安で、環境や種類によって適している頻度はかなり変化します。ソーキングの詳細は以下のリンクを参考にしてください。
●ソーキングはよくある手法だが、あくまで「緊急措置」であって、ソーキングが必要な時点で「水不足」の状態。長時間つけていると窒息死してしまう。短時間、水につけることをディッピングを呼ぶこともある。

肥料

肥料はある程度必要。春と秋の成長期には液肥を薄めたものを、水の代わりに葉っぱに霧吹きしてやってください。液肥入りの霧吹きも当然、夜にやる。肥料があった方が生育がよく健康だが、日光・温度・風通しが十分ではない状態で肥料をやると傷んでしまうので、よくわからない場合は肥料をやらないか、やってもごく薄いものから始める。

肥料の注意点

●大型になる品種は肥料をやると大きくなる。大きいとかわいくないかも。
●葉が伸びて深くなると、水が入り込んでも吸い出せず、水が腐って枯れやすい。なので風通しの良い環境であるべき。
●肥料がないから枯れるということはない。成長時期に肥料をやることで肥大するだけ。調子が悪いチランジアに肥料をやれば止めを刺すことになるので注意する。肥料は葉っぱから吸収するので非常に薄い液肥(2000倍から4000倍)をやるのみ。

株は百円均一でも売っているし、ホームセンターやネットショップでも取り扱っている。安価なものは枯らしても再購入が簡単で、失敗しがちな初心者は安い品種からコツを掴んでいく。

ダイソーでもチランジアは売っている。品質には問題ないが、店員が管理しないので、長期間売れ残っていると店頭でミイラになっているので、購入前にチェック。仕入れ当日が安心です。ダイソーの店員にチランジアの知識なんてないですからしょうがないです。

蘭展などで業者が珍しい株を販売しているが、知識が乏しいなら行っても無駄。海外から輸入した苗を日本である程度の期間、栽培して慣らすことを馴化と言う。馴化していない株を一般人が買うと枯れやすい。まともな業者は輸入した株を栽培して、対応できずに枯れた株は廃棄し、残った株を育てて出来た子株を販売するため、リスクは少なくなる。馴化させずに輸入株を売る業者もあるが、それが「悪い」ってことではなく、納得して買うなら問題ない。

株に関する注意事項

●エチレンガスなどの植物ホルモンで老化&開花させてから出荷することが多く、見た目が綺麗だが枯れやすい。ホルモン漬けと呼ばれる。
●アリ植物・・・壺型種はアリが内部に巣を作るものとされる。アリが住むと水苔を巣の材料とするために、水苔がボソボソとなる。
●有茎チランジアをカウレッセントと呼ぶ。
●チランジアにハマってくると、新しい品種が欲しくなる。が、沢山扱っている店は無いので、品種を狙うとなると、蘭展などの業者が集まるイベントや、ネットでの購入が一般的。どちらにしても結構高価。
●真冬に寒冷地の人がネットで買うと輸送中に枯れるかもしれないので、春まで待って購入する。
●本気のマニアはメキシコにチランジアを探しにいく。仮にそこで珍しいものを採取できても検疫があるので持ち込みは難しいが。手荷物に突っ込んで持って帰る人もいるが当然違法。
●ブラジルの山で採取して日本に輸入する業者も。

植え付け

植え付け時期

水苔が劣化して黒く変色したり、ボロボロになったら、春から秋に植え替えをします。植え替えおというか、水苔の取り替えです。

植え付け手順

株元を水苔で包んで、ヘゴやコルクや流木につけたり、網棚に固定してもいいです。ヘゴや流木に固定すると環境が良ければ根が伸びてきます。ミズゴケは保水力が高いので水やりはミズゴケが乾いてから霧吹きで吹き付けましょう。

植え付けの注意点

●銀葉系チランジの場合、ヘゴやコルクなどに固定することで銀色に見えるトリコームがはげにくくなる。
●トリコームが発達して銀色に見えるものを銀葉系(ギンヨウケイ)と呼び、緑のものは緑葉系(リョクヨウケイ)と呼ぶ。
●ヘゴもコルクも手に入りにくい。流木にワイヤーかボンドでくくりつけても良いです。
●複数の子株で一つの株ができている状態をクランプという。クランプの方が強いため、子株ができても取り除かずにそのままにしておく方が良い。植え替えるのも面倒だし。
●普通、親株の根元から子株が発生するが、花茎から子株が発生することをヴィヴィパラと呼ぶ。

管理場所

春から秋の管理場所

室内で管理する場合は、年間を通じて半日陰〜明るい日陰が適しています。例としてはカーテン越しの窓や戸外の陽だまりや雨の当たらない軒下の明るい日陰です。直射日光がバリバリと当たると枯れてしまいますが、あまりに暗いのもNG。室内で管理する場合は日光が必要なので明るい窓辺で管理しましょう。

できれば戸外の半日陰〜明るい日陰で管理しましょう。室内で管理しているとどうしても弱って枯れてきます。戸外で風通しがあれば水をジャバーっとかけてやっても、蒸発するのでそれで枯れるってことはなほぼないです。

葉っぱが白いタイプは銀葉系とされ、一般に緑のチランジアよりも日光を好みます。詳細はトリコームを参考にしてください。

春から秋の注意事項

●直射日光はとにかく厳禁。
●風通しが良いことが大事。人によってはエアープランツ用のサーキュレーター(扇風機)を持っている。
●チランジアの自生地域は高山地域で涼しく、風通しが良くて霧が立ち込めるような地域の木や岩にへばりついて育ちます。冷暖房の風は極端に乾燥しています。この風に当たっているとすぐにカラカラのミイラになるので、直接当たらないようにしてください。
●最低気温が10度以上なら春から秋は風通しの良い戸外の半日陰(ここでん半日陰は木陰)での管理をする。樹木の下やヨシズなどで遮光した環境がよい。コンクリートの照り返しは避ける。
●雨に当たると葉っぱの隙間に水がたまるが、戸外で風通しがいいなら、病気になることはほぼない。またヘゴなどに活着させていると自然と下向き(もしくは横向き)になって水は貯まらない。
●ただし梅雨は別。梅雨の長雨は避ける。室内に取り込むか、雨の当たらない場所で管理する。

冬の管理場所

種類によっては冬はマイナス五度まで耐えられますが、それは「枯れない」だけで、霜に当たれば傷みます。ベランダで育てられる地域もありますが、基本的に室内に取り込んでください。できれば5度以上の環境で育てましょう。昼間に人がいて暖房をかけている部屋なら暖房を切った真夜中でも5度以下にはならないので、リビングの出窓などの明るい窓辺で管理しましょう。

冬の注意事項

●冬に出窓に置いていて、寒波が来ると出窓は外気に近く温度が下がり、枯れてしまいます。寒波が来るようならば出窓に置かないようにします。
●寒さに当たると赤くなります。凍死の前兆と捉えましょう。暖かい場所に移動させます。
●冬は温室などで5度以上、できれば10度以上の環境を作るといい。ただし冬にある程度の寒さに当てた方が花芽が分化して咲きやすい。

花について

チランジアは株が充実していると2年か3年に一回花をつけます。花を咲かせるために必要なのは日光と肥料と水。チランジアはインテリアとして飾られることが多く、日光は不足しがちです。春から秋に戸外で日光(木陰などの弱光)に当てるか、室内でしっかりと日光に当てましょう。

観葉植物や多肉の中ではかなり「派手」な花が咲く。葉っぱに目が行きがちだけど花もかなり美しく、また「独特」な色合いと印象がある。花が咲き終わると種子ができるが、種子栽培する気がないなら、花茎を切り取る。種子をつくると株が弱る。

チランジアは花が咲き、子株が出来ると、親株は徐々に衰弱して枯れて、世代交代を行う。チランジアは親株とくっついた状態で成熟期間を経て開花するが、引き剥がされた子株を販売する場合がある。この子株のうち、親株と一緒に時点で花芽ができた場合、すぐに開花し、その開花による消耗で枯れやすい。
●早熟開花…株が十分に大きくないのに開花したもの。株が成熟していないため、貧弱な花しか咲かないし、子株も発生しづらい。ホルモンを使ったか、環境が悪いから。

病気・害虫

コナカイガラムシアブラムシハダニナメクジバッタが発生することがあるが、それより水やりの方がずっと大事。
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