ウツボカズラの管理場所・日当たり・温度について

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ウツボカズラ(ネペンテス)の基本の管理

季節ごとの管理場所

ウツボカズラネペンテス)は基本的に日当たりを好みます。春と秋は戸外か室内の日当たりで管理し、カーテンなどで遮光します。真夏は強い直射日光で葉っぱが焼けてしまいますので、日陰か半日陰か室内に移動させます。冬は室内の日当たりで管理します。

秋に戸外で管理している場合、15度以下になると捕虫器が枯れてしまいますので、早めに室内に取り込みます。
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光量について

ネペンテスは強い日光に当たると葉焼けします。そこで、ネペンテスの栽培家は遮光して管理しますが、遮光しすぎると袋ができず、ネペンテス栽培の意味がありません。
年間を通して、葉焼けしないようにし
春…30%〜50%遮光。
夏…70%遮光。
秋…30%〜50%遮光。
冬…遮光しない。

を目安に遮光してください。光量が適切なら明るい緑色になります。光量が不足してくると深い緑になります。光量が多いと赤み(もしくは紫)がかってくる。さらに光量が多すぎると葉緑素が死んで黄色く変色する…これが「葉焼け」。上記の遮光をしても葉焼けする場合は、遮光を強めます。葉焼け部分は取り除かずに放置しておきます。

光量がある程度あるとツヤがあるが、光量が足りなくなってくると光を反射しないようにツヤが失われる。逆に光量が多すぎるとツヤが強く、葉っぱがカチカチに硬くなる。

ほとんどのネペンテスは冬の晴天(50000ルクス)以下の環境を好み、それ以上だと葉焼けする。品種(在来種など)によっては夏の直射日光に負けないし、株がよく成長すると夏の直射日光に耐性ができますが、基本的には避けるべき。

袋をつけなくなる要因の最大は日光不足。日光に弱いタイプでも室内の日陰で管理すると袋ができない。理想としては「葉焼けしないギリギリの光量」に当てることだが、現実には難しいので遮光して弱めの光で管理する。

光量が適切だと節が詰まる。不足すると間延びして徒長する。

風について

風通しをよくすることで二酸化炭素を吸収しやすくなり、光合成が活発に行われるので風通しは必要。ネペンテス栽培に送風機(扇風機)は必須。風があるかないかで生育が全く違い、袋の有無、袋の大きさも変わってくる。扇風機で風を送るが、風は心地よい程度の弱風にする。

ネペンテスは夏の高温を嫌うので、扇風機には温度を下げる目的もあります。ただ、乾燥するので必ず、葉水をして防いでください。
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夏の管理

低温乾燥性・熱帯性

低温乾燥性・熱帯性のネペンテスは暑さに強い。夏はグラシリスなどの一部の品種以外のほとんどは直射日光に当てると葉焼けするので、必ずレースのカーテンや寒冷紗で遮光する。寒冷地(関東北部以北)ならば夏の直射日光でも葉焼けしないかもしれないが基本的に室内でも遮光するものだと考えてください。
在来系は強い種類で育てやすいが、それでも高山性(ハイランド)と同じような環境(夏涼しく・冬暖かい)の方がよく袋をつけ、袋も大きくなる。

枯れてないし、成長はしているのに袋をつけないなら、高山性の夏の管理を参考にし、夏の室温を下げて、湿度を上げて、日光に当てて、根の状態をよくする。特に夏は高温すぎて弱りがちです。

高山性

高山性(ハイランドネペンテス)は日本の夏の暑さが苦手で、夏越しさせるためには昼は最高気温25度以下を維持しつつ、遮光した日光に当て、夜は昼間より10度ほど低い温度にしないと光合成した栄養を利用できず生育できず、枯れてしまいます。

基本的に高山性ネペンテスの栽培には夏の「冷房」が必要で、冷房をかけつつ、湿度60%以上を維持しなくてはいけないので、なかなか難儀。条件を満たせば夏も袋を作らせることが出来る。

保冷ケースに入れ、保冷剤を入れ、USB扇風機を入れ、室内用栽培ライト(ラブホライト)を入れて管理する。保冷剤が「温度を下げつつ、湿度を上げる」ので袋ができやすい。ただ、非常に面倒で、仕事と割り切るか、よほどの愛がなければ出来ない。
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●夕方に葉っぱに葉水をしてやるといい。
●冷やしつつ、乾燥しないパッド&ファン方式という温室冷房があるが、一般家庭では現実的じゃない。
●クーラーはかけっぱなしでも1部屋なら1ヶ月1万円程度なので、そこまでコストはかからないが、そこがネックなら高山性以外のネペンテスを栽培しましょう。冷房が必要なのは8月前後の2ヶ月間くらいなので、そこまでの負担ではない?という意見もあります。

低温乾燥性・高山性の冬越し

ネペンテスの低温乾燥性・高山性は、冬は10度以上の場所で管理すれば越冬するのですが、10度で越冬しても「どうにかやっと、越冬した」程度のことで寒さで株がすっかり弱ってしまいます。

アラタ・グラシリスなどは無加温で越冬できることもあるが、自生地ではありえない寒さに当たっているためダメージがどうしてもあります。ダメージがあると春以降の生育不良を起こし、生育がよくなるのが夏の終わりになり、生育が十分でないうちにまた冬がやってくる。冬は加温し、できれば小さくても袋ができる温度を持って管理したい。

温室なしの越冬

冬に霧吹きで葉っぱに水をかけて、土への水を控えめにして、乾燥気味に管理すると寒さには多少強くなります。

捕虫器は15度以下になるとしぼんで枯れてしまいます。冬は捕虫器がなくなると割り切ってしまうなら、10度くらいまで下がっても大丈夫です。日当たりの良い室内でできるだけ暖かいところで管理します。窓辺がいいですが、寒波が来ると夜は5度以下になるので、夜は窓から離して管理し、朝になったら窓辺に移動させます。

15度以下にしないためには、夜はダンボールや発泡スチロールの箱をかぶせて保温します。それでも相当難しいです。

温室ありの越冬

本格的に越冬させるには最低でも15度以上を保てる「温室」がないとむつかしいです。もしくはワーディアンケースがあると管理が楽。ラン用のビニール温室でもいいです。
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熱帯でも高山性でも湿度の高い環境に生育しており、湿度50%以下にならないようにする。温室に入れ、霧吹きで水をやり、他の植物(シダなど)を入れておくと湿度は保てます。高山性には扇風機を入れて、風の流れを作るといいです。できれば湿度60%を維持し、室温は15度以上を保ちます。温度は最高最低温度計を確認しておくといいでしょう。
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温度が足りないなら、園芸用ヒーターを設置して温度を保ちます。
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熱帯雨林系の冬越し

熱帯雨林系のネペンテスは暑さに強く、寒さに弱い。昼間最高温度35度最低温度20度で生育する。冬にも生育させたいなら28度以上を維持する。28度以上でなおかつ、湿度が60%以上を維持しないといけないのですが、さすがに28度に加温すると過湿しても追いつかず、乾燥で枯れるので現実的ではなく、気温15度湿度60%でも十分生育はするので、こちらを目指しましょう。10度でも枯れないが、種類によっては寒さで生育障害を起こし、ダメージが春以降に取り返せないので15度以上を維持したいです。

熱帯雨林系を越冬させるなら、家庭用温室に入れ、加温して15度以上にし、霧吹きで湿度60%を維持しましょう。
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栽培のコツ

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