ゼオライトの園芸での効果は?
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ゼオライト
ゼオライトは1756年に発見された粘土鉱物の一種。ミクロ多孔性(規則正しい非常に小さな穴の空いた構造)の結晶性アルミノケイ酸塩(アルミニウムとケイ素の酸化物)。ゼオライトには水がたくさん含まれているのですが、結合がゆるく、加熱すると水が沸騰するように泡になって出てくるため沸石と呼ばれる。
ゼオライトは園芸では
根腐れを防止するもの・土壌改良剤として、土の中に入れる。また穴が多くあるため、保肥(
肥料を流れ出ないように止めること)する効果、通気性を高めて根の発育を促す性質もあります。
かなり便利な園芸材。鉢底に入れる場合もあれば、土に混ぜ込むこともある。ただ、ちょっと重い。
培養土に最初から入っている。
まとめ
●土に混ぜ込んで「土壌改良剤」として使う。「保肥効果」もあり、「根腐れ防止」にもなる。
●鉢底に敷いて「根腐れ防止」に使う。
●水挿しや、水耕栽培の水に入れて、「水腐れ防止」に使う。
●ゼオライトは合成・人工・天然がある。園芸では天然を使う。
●園芸以外では消臭・水質改善・濾過・湿度調整・飼料に入れて家畜の健康促進などに使う。
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ゼオライトの種類
合成ゼオライト
合成ゼオライトは化学物質から合成したもので、純度が高くて工業製品製造に使うものです。
人工ゼオライト
人工ゼオライトは発電所などで生まれた石炭灰を固めて作ったものです。主に脱臭剤などに使います。
天然ゼオライト
天然ゼオライトは純度が低い反面、天然のミネラルが含まれているので、園芸の土壌改良剤や、脱臭剤や、水処理に使います。水に使うと軟水になります。また、飼料に混ぜて家畜に食べさせることで、健康になるとも。
粒の大きさと質は関係ない
5mmや2mmや粉状と、粒の大きさで別商品として販売されていますが、品質に違いはありません。ただ、土壌に混ぜて使用するのであれば、粉状が適しています。
園芸での利用
土壌改良剤として
天然ゼオライトにはミネラルが含まれていて、
微生物の増殖を促す「土壌改良剤」になります。園芸用に購入するのであれば天然由来でミネラルが含まれる「園芸用」を購入します。土壌改良剤として土に混ぜ込んで使います。混ぜ込んでもpHには影響しない。
1平方mあたり2kg入れます。
ホームセンターで売ってます。
保肥の効果
ゼオライトには非常に小さな穴が空いていて、この穴がアンモニウム(NH3)や
カリウム(K)とほぼ同じなため、これらが吸着する。そのため、
窒素(N)とカリウム(K)の保肥が可能。逆に窒素過多になりやすいため、窒素肥料を控える必要がある。
赤玉土はリン酸を吸収してリン酸の利用効率を下げてしまうが、ゼオライトは土が中性近くであれば、交換性カルシウムが含まれていて、
リン酸を吸着し保肥し、利用効率が高まる。根腐れ防止・水腐れ防止
ゼオライトは水中のアンモニアイオン(NH4+)を吸着する性質があり、アンモニアを餌にして増える菌の増殖を防ぎます。そのため、
土入れたり、鉢底に敷くことで根腐れ防止効果があります。また、ゼイオライトが通気性をよくするので、鉢底に入れると根の生育がよくなります。
水耕栽培、水挿しなどでも水の中にゼオライトを入れると水の腐敗防止になります。園芸以外の利用
水質改善(アクアリウムに)
アク
アリウムの濾過剤として水槽によく入れています。ゼオライトはマイナスに帯電していて、アンモニア(NH4+)などの物質を吸着します。魚などの糞の匂いを取り除けます。ただし、海水はナトリウム(Na+)を吸着するため、アンモニアへの効果がなくなってしまいますので、淡水にのみ効果がある(感じられやすい)。
ゼオライトを焼き固めたビオトープなどに使える「ゼオライト玉」があります。アクアリウムにはこれが便利です。
湿度調節剤(建築剤として)
ゼオライトは水を多く含み、また結合が弱い性質があります。乾燥すると空気中にゼオライト中の水分を放出し、湿度が高くなると空気中の水分を吸着する性質があります。結露を予防したり、逆に乾燥しすぎも予防できて、建築材にも使われます。
消臭・濾過剤
ゼオライトは水素、窒素、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、バリウム、アンモニア、アルコール、硫化水素などを吸着します。アンモニアの吸着は活性炭と同じか優れているので消臭として利用される。
また、濾過剤として利用されます。
くん炭も同様の効果が…
くん炭も根腐れ防止・通気性向上の効果があるので、同様に利用が可能です。ただ炭なのでpHが8〜9で土に入れると、土壌がアルカリ性に傾きがちで、植物によってはゼオライトの方がいいこともあります。
…ゼオライトの方が無難に思います。
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