ミズゴケ(水苔)の使い方
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ミズゴケとは?
ガーデニングやラン栽培をしている人ならば、「ミズゴケ」というと茶色く乾燥しているものと思っていますが、ミズゴケは本来は緑色の生体で、ミズゴケを育てようとしている人も中には居ます。それは置いておいて……
水苔は湿地帯に自生するコケで、これを乾燥させたものをランなどの植物の植え付け資材として利用します。水もちがよく、また、水苔の繊維同士に隙間があり、通気性も確保されます。
圧縮されたものと、圧縮されていないものがあり、圧縮されたものの方が輸送費がやすくつくので価格は安いです。ただ、一度に大量に使いきれないので大量に植え替えをするなら圧縮ミズゴケがいいですが、ちょっと植え替えるだけなら、非圧縮のミズゴケにしておきましょう。
グレードがある
ミズゴケにはグレードがありAAA、とかAAAAなんて記述がミズゴケの袋にあります。
このグレードはミズゴケの長さとゴミの混入具合だと言われています。ゴミってのは例えばミズゴケではない「
針葉樹の葉」などです。AAAAだと全く、ゴミがないです。できればグレードの良いものを使った方がいいですが、これは植物の健康というよりは、作業中にチクチクするかどうか?だと思います。気にならないならAAAでも問題ないです。
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乾燥ミズゴケの戻し方
ミズゴケはバケツに水を張り、そこにドボンとミズゴケを入れて、丸1日、水を吸わせておきます。2日吸わせるとよいです。利用前にしっかりと水を絞り取ってから利用します。
圧縮ミズゴケはブロックごとバケツに入れて水を吸わせます。切ったり、ちぎって水につけるとミズゴケの繊維が切れて、フカフカにならなくなってしまいます。粉が出て、これを使うと、水もちが良すぎてしまうので、必ずブロックごと水につけます。
余ったら?
水につけて戻したミズゴケが余ったら、また天日干しして乾燥させてカラカラにしてから、ビニールに入れて密閉し、保管しておきます。
乾燥しすぎると水をはじく!
乾燥ミズゴケをそのままにしておくと、乾燥しすぎて水をはじくようになります。
シンビジュウムや
胡蝶蘭などの場合、うっかり水をやらずにいると、ミズゴケが乾燥しきって水を吸収しなくなります。そういう時は鉢ごとバケツに張った水につけて10分ほど放置します。これで復活です。でも注意して欲しいのは、水を必要としない冬などにコレをすると
根腐れ原因になることがありますので、時間を短くするか、この手法は諦めて、新しいミズゴケで植え替えるなどケースバイケースで検討して下さい。
黒や緑に変色したら?
ミズゴケは濡れている時間が長いので、藻類が発生して緑になることがあります。これは放置していても問題ありません。また、ミズゴケが復活して緑に戻ることもあります。これも放置していても問題ありません。
ミズゴケが黒く変色しているのは劣化して、腐っています。これは雑菌が繁殖していて、植物の根が腐ってしまうので、植え替えのときにピンセットを使って全て取り除いて、新しいミズゴケにやりかえてください。
ミズゴケは高品質のものを
百均でも売ってるんですが、できれば
ホームセンターやネットショップで、そこそこの価格のものを買いましょう。特に
初心者はホームセンターで圧縮していないものを買ってください。
安いミズゴケは品質が悪いです。ここでの品質とは、水もちが悪い・
水はけが悪い・繊維が短い・粉が多い…などです。水もちが悪いと保水が効かず、
水やりの頻度が多くなり、水はけが悪いと、根腐れを起こしやすくなり、繊維が短いということはフカフカにならず、通気性が悪くなり、粉が多いということは劣化しやすい(泥化しやすい)ということです。
ミズゴケが適した植物
ラン類
コチョウラン、
キンギアナム、
カトレア、
デンファレ、
オンシジュウムなどのラン類はミズゴケが適しています。これらは本来は樹木の樹皮に根をねじこんで着生して生育しています。ミズゴケはこの樹皮の代用です。
ハエトリソウ
ハエトリソウは
酸性土壌を好むので、ミズゴケより未調整
ピートモスが適しています。ハエトリソウをミズゴケで育てることが多いのは、湿地で育つ植物で、土よりミズゴケの方が管理が楽だから、です。自生地では土に根を張って生育しています。
ウツボカズラ
ウツボカズラは湿地の植物ではないですが、湿度の高い環境を好み、水管理が楽なのでミズゴケで植えられることが多いです。ですが、ミズゴケだと根腐れしやすい人も多く、そういう人は
日向土・
鹿沼土単用の方がいいかもしれないです。
コウモリラン
コウモリランは樹木に着生して育つ植物。ミズゴケに植えられていることが多いです。ヘゴや流木に着生させた方が、自生地での姿に近いのもあるんですが、かっこいいので、余裕があれば挑戦してみるといいです。栽培の詳細は以下のページを参考に。
サギソウ
サギソウは
ラン科の
球根植物で、湿地に自生しています。鉢底に
軽石、
培養土を入れ、球根を配置してから、ミズゴケを保水のためにかぶせます。
グズマニア
グズマニアは
アナナス科の
多年草で、樹木の樹皮に着生して育ちます。根には水を吸い上げる力はなく、株をささえるためにミズゴケで植え付けます。植えるというよりはひっくり返らないように、詰めるといった感じ。
グズマニアもヘゴや流木に着生させるとかっこいいです。
ネオレゲリア
ネオレゲリアは葉っぱの隙間に水をためて、それを吸収して育つ植物です。株を固定するのにミズゴケを使うことが多いです。軽石などでもいいです。
シノブ
シノブは
シノブ科のシダ植物。
学名で
ダバリアなのでそちらで呼ばれることもあります。夏に吊るされ、風鈴をつけて涼を取ることもあります。シノブは冬に落葉するが、
トキワシノブは常緑。
雑記
今、日本に来ている「乾燥ミズゴケ」は外国の自然なミズゴケをゴソっと採種して、これを乾燥後プレスで圧縮したものです。なので、実は資材としては有限で、いずれはなくなってしまうとも言われています。
外国産ミズゴケはそういった経緯もあって、不純物が混じっていて、手を怪我することがあるので軍手かゴム手袋をはめて使用しましょう。
ちなみに「国産ミズゴケ」も作っています。
外国の苗がミズゴケに植えられてる理由
日本は外来種が国内に流入することを嫌います。これは日本の自然が(割と簡単に)外来種によって壊されてしまうからです。そのため「土」で植わった植物の輸入を禁止しています。土の中に虫の卵や繁殖力の強い植物の
種子が入っていては困るからです、そこで外国から「株」を輸入する場合はミズゴケを利用します。
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