胡蝶蘭(コチョウラン)の育て方…水やり・肥料・日当たりなど管理場所は?

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胡蝶蘭の基礎データ
胡蝶蘭
科名ラン科
属名コチョウラン属
学名Phalaenopsis
別名ファレノプシス、コチョウラン
水やり乾かし気味に
場所室内
難易度上級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
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胡蝶蘭(コチョウラン)の特徴は?

胡蝶蘭:胡蝶蘭(コチョウラン)の特徴は?
胡蝶蘭(コチョウラン)はラン科の植物。熱帯の樹木に着生して生きる、植物の進化の過程としてはかなり新しい部類となります。その鮮やかな花色と独特なフォルム、大きな花、そして花としては長持ちするので、フラワーギフトとしてお祝い事によくプレゼントされるのですが、栽培は一般家庭では結構難儀です。

このページでは胡蝶蘭の育て方をまとめています。

最初に簡単にまとめ

●胡蝶蘭はラン科の植物。
●寒さに弱い。乾燥に弱い。
●しおれた花は摘む。
ミズゴケが乾いていたら霧吹きで水をやる。葉っぱにも水をかけてやる。
●花が咲き終わったら、2、3節を残して切る。
●冷暖房の風が当たらない場所で管理する。
●他の植物とは育て方が全く違うと理解する。
●生育期には肥料を。
ファレノミディ(=ミニ胡蝶蘭)の方が若干育てやすい。

咲かせる人ってこんな人

胡蝶蘭:咲かせる人ってこんな人
頑張って水をやって世話をやった人が意外と胡蝶蘭を枯らしてしまうのに対して、胡蝶蘭に興味がない人や、水をやるのも面倒だな、と言う人が翌年も咲かせる傾向があります。

手を掛ける人は、水をやりすぎたり、日当たりを気にしてアチコチ移動させてストレスを掛けたりするためではないかな、と思いますが、ラン類は株のよしあしや家の環境の相性もあって、一律に成長するとも限りませんので、胡蝶蘭に振り回されない、ということが大事です。

水やり

水をやる前にミズゴケに触れてみて、濡れている間は水をやらないでください。水やりの頻度が多いと根腐れして、枯れてしまいます。水はジョウロではなくて霧吹きでやります。

水をやる→乾くまではやらない→水をやる→乾くまではやらない…と繰り返します。大事なのはメリハリです。常時濡れていると根が腐ります。

水やりの頻度は夏は三日に一回、冬は一週間に一回を目安にしてください。環境や温度や湿度によって変わりますので、あくまで目安です。

通常のガーデニング植物に水をやるとき、「土が乾いていたらたっぷりと」という記述を見かけますが、コチョウランの場合は、鉢底からドバドバとしみ出す位に水をあげるとやりすぎです。少し注ぐか、霧吹きでコケをしっかり濡らす感じです。

受け皿の水をそのままにしておくと、水が腐って病気の原因になります。

葉に霧吹きをかけてあげてください

冬も夏も冷暖房のせいで室内は乾燥気味です。ミズゴケに水をやるだけでは、水が不足して葉っぱの元気が無くなってしまいます。元々胡蝶蘭の根には他の植物ほどの給水能力がありません。そこで霧吹きで根と葉っぱに水を掛けてください。

ミズゴケが水を弾いたら

胡蝶蘭:ミズゴケが水を弾いたら
水苔が完全に乾くと水を弾きます。水をやっても、水が流れ落ちるだけです。その時はジョウロではなく霧吹きで水をやるようにするか、バケツに水を張って鉢を10分ほど水につけます。

葉っぱの間に水が溜まっていたら吸い出す

葉っぱと葉っぱの間や茎の隙間に水が溜まっていると水が腐って病気になります。夏なら蒸発するので問題ないですが、冬に残っていると腐って病気の元になります。水のやりすぎに注意してください。水が残っている場合は、ティッシュでコヨリを作って吸い取ってあげてください。

もしくは風の通るところで管理すればいいです。

肥料

生育・開花には肥料が必要です。春から秋の生育期にラン用の肥料をあげてください。液肥を水に薄めてジョウロでやるか、霧吹きでやります。頻度は2週間に一回程度です。
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肥料の注意点

肥料は生育スピードを速めるもので、弱った固体を元気にするものではありません。弱った胡蝶蘭に肥料をやるとトドメを挿すことになります。調子が悪い時は施肥しないでください。

35度を超えるような真夏は暑さでヘバりますから、肥料はやらないでください。

逆に真冬に室温が、夜でも15度以上あるなら肥料をやってもいいです。

管理場所・日当たり

胡蝶蘭:管理場所・日当たり
胡蝶蘭の管理場所の条件で大事なのは気温・湿度・日光です。

気温は冬で、できれば10度以上。理想は15度以上。逆に35度を超えると暑さで生育が止まります。

忘れがちなのが湿度。湿度の理想は60%。60%を維持するのは大変なので、冬は加湿器をかけて50%にし、さらに葉っぱに霧吹きで水をやって湿度を保ちます。

そして日光。胡蝶蘭は熱帯雨林の樹の枝の上で生育する植物で、直射日光に当たると葉焼けをしてしまいます。そこで年間を通して、カーテン越しの日に当てます。もしくは戸外の明るい日陰で管理します。直射日光に当たると葉焼けするのですが、それでも日光は必要です。一年中、一定の柔らかな光がないと生育しません。
胡蝶蘭が咲いているときは人が通る場所で花を楽しんで花がしぼんだら、茎を3節残して斬り戻して、春から秋は戸外の半日陰か明るい日陰、室内の明るい場所、冬は室内の明るい場所などで管理します。

春と秋の管理場所

春と秋は戸外の半日陰か明るい日陰か、室内で。日光に当たる場合は寒冷紗などで50%遮光しましょう。

冷暖房の風の当たらないところに置きましょう。

暖房やクーラー、扇風機などなど、乾燥した風が当たると胡蝶蘭の花がしぼんでしまうので、風が直接当たらない場所で管理してください。直接当たらなかったら大丈夫です。

夏の管理場所

夏は半日陰でも葉焼けを起こしますので、必ず日陰か、室内に移動させます。日光に当たる場合は夏は70%から75%の遮光をする。

夏は気温が30度以上になり、湿度が高い状態になります。真夏は35度以下の場所で管理したいです。このときに風通しが悪いと病気になりやすいです。出来れば夏は風通しのよいところで管理します。台の上に置く。針金で吊るすなどして風通しを確保しましょう。

冬の管理場所

寒さに弱いので冬は室内で管理します。大体5度くらいまでは耐えますが出来れば10度以上を維持したい。たまに強い寒波が来ると室内で管理していても枯れることがありますが、通常は室内のリビングなどで日が入る部屋なら簡単に越冬します。冬は日差しが弱いので遮光しなくて良いです。

出窓に注意

冬の出窓は氷点下になることがあります。寒波が来たら夜は部屋の中へ移動させます。

防寒について

7度以下になると枯れないまでも大ダメージを食らう。健康に冬越しするためには防寒をする。最低気温…つまり夜中の温度が10度以上なら冬越しは確実。理想は夜中の温度が15度以上。15度以上なら昼間に日光に当てれば生育します。以下のリンクを参考にして防寒をしてください。

植え付け・植えかえ

咲き終ったら、花茎を切る

胡蝶蘭:咲き終ったら、花茎を切る
咲き終わった胡蝶蘭の花の茎を2節か3節残して切る。この節から新芽が出てきます。節がないと次がないので気をつけてください。

植え替え時期

植え替えは気温が上昇し最低気温が15度か18度以上になってから。だいたい5月の下旬になります。このころから胡蝶蘭は生育しますので、多少植え替えてストレスを与えてもすぐに取り返せます。

理想は5月〜6月。最悪でも7月までには植え替えを。9月以降、翌年の春までは植え替えのダメージを胡蝶蘭が取り返せないので、植え替えはやらないでください。

植え替えの方法

3号か3.5号くらいの鉢に一株植えるか、株を網で包むか、ヘゴなどの自然素材に植えつけます。胡蝶蘭の自生地では木に着生するものですから、自然素材に植えるのが株にとっては自然です。ただし一般的には鉢植えです。

植え替えは株についた古い水苔を全て落とし、新しい水苔で根を包んで、鉢植えに入れるだけです。作業は慣れれば簡単だし、慣れていなくても出来ます。大事なのはこの作業よりは、「植え替えの時期」の方です。

作業の細かい内容は以下のリンクを参考にしてください。

花茎が伸びたら支柱を

胡蝶蘭の花茎が15センチくらいになったら支柱をします。詳細は以下のリンクを。

病害虫・トラブル

ウィルス病灰色カビ病などが発生する。
詳細は以下のリンクを参考に。

痛んだ花は摘みましょう

傷んで透けてしまった花は摘んでしまいましょう。しおれた花が他の花にあたっていると、しおれてない方も傷んでしまいます。

調子が悪いと高芽が出てくることが

環境が悪くなると高芽を出して株を増やそうとします。高芽とは花茎から葉や根が出てきている状態のことです。熱帯夜や水のやりすぎや肥料のやりすぎで危機的になっていると高芽が出てきます。

その他のトラブルの予防と対処法

特徴・由来・伝承

寄生ではなく木に着生

胡蝶蘭は非常に微細な種を作り、それが風に乗って熱帯雨林の木に張り付き、根を伸ばして育ちます。木にくっついてはいますが、寄生しているわけではありません。

自然では最初の葉っぱを出すのに数年、花が咲くまで非常に長い時間が掛かる植物です。

熱帯雨林に自生している

胡蝶蘭は熱帯雨林で生息する植物で、空気中の湿度が高い地域の植物で、土に根を張って水を吸い上げるというよりは、空気中の水分を葉や根から吸収します。木の上ですから「風通しがよい」環境を好み、亜熱帯で昼間は28度。夜は18度の環境で育ちます。胡蝶蘭は昼に光合成をするために、夜の間に「呼吸をして二酸化炭素を吸収」しています。よって夜中に寒さで呼吸が出来なくなると、昼間に光合成が行えなくなり、株がみるみる弱っていきます。

花が長持ちな理由

普通、花が受粉すると、花は役割を終えてしおれるのが通例です。花を維持するメリットがないからです。ところが胡蝶蘭は、花が受粉した後に明らかに緑色に変化して光合成を始める種類もあるように、花の役割がほかの植物とは明らかに違うのが特徴とされています。

流通している胡蝶蘭にはそういったモノはありませんが、持ちがいいのはそういう理由があるのかもしれません。

名前の由来

学名は「ファレノプシス」で、ギリシャ語で蛾(ファライナ)と見かけ(オプシス)を意味する言葉を合わせた名前です。これは花の形状が「蛾」に似ていることから。胡蝶蘭という名前は花を蝶と見立てているわけですから、ヨーロッパとアジアでの捉え方の違いが分かります。

月別育て方

1月の胡蝶蘭の管理のコツ
2月の胡蝶蘭の管理のコツ
3月の胡蝶蘭の管理のコツ
4月の胡蝶蘭の管理のコツ
5月の胡蝶蘭の管理のコツ
6月の胡蝶蘭の管理のコツ
7月の胡蝶蘭の管理のコツ
8月の胡蝶蘭の管理のコツ
9月の胡蝶蘭の管理のコツ
10月の胡蝶蘭の管理のコツ
11月の胡蝶蘭の管理のコツ
12月の胡蝶蘭の管理のコツ
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