ハエトリソウ(蠅取草)の育て方…植え替えの時期と手順は?

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ハエトリソウの基礎データ

ハエトリソウ
科名
モウセンゴケ科
属名
ハエトリグサ属
学名
Dionaea muscipula
別名
蠅捕草・ハエ地獄・ディオネア
耐寒
0度〜5度
水やり
水を好む
場所
外の半日蔭
難易度
上級者向け
ハエトリソウの開花時期…植え付け・植え替え時期…月別スケジュールです。

ハエトリソウの特徴と育て方の概要

ハエトリソウ(蠅捕草)はモウセンゴケ科食虫植物。葉っぱの中の小さな毛に2回触れると葉っぱが閉じ、虫を閉じ込め、消化液で溶かしてタンパク質を吸収して栄養とする、のですが、別に虫を食べなくても有機物・肥料があれば生育しますし、頻繁に捕虫器(葉っぱ)を動かしているとストレスで弱って枯れることもあるので、虫は無理に与えないようにしましょう。

ところでハエトリソウはハエを分泌物を撒いて呼び寄せて捕まえるのではなく、たまたま着地したハエを捕まえているだけなので、部屋に発生したハエ・コバエなどを自発的に捕まえることはなく、虫は減りません。捕虫目的での栽培は意味はないですよ。

春になると新芽が伸び、秋まで生育して、冬に休眠します。植え替えはこの休眠時期に行います。

余談ですが、1950年代に採取されたハエトリソウの株が株分されて現存しているのでハエトリソウに限って言えば、寿命というのはないです。もしも枯れるとしたら、管理環境が悪化したから、と考えましょう。

ハエトリソウの植え替え

植え替えの時期は??

植え替えは休眠していて目覚める直前の冬(2月〜3月)に行いますが、それは理想論で他の時期でも植え替えは可能です。もちろん、一番ダメージが少なく済むのは2月前後です。

ハエトリソウは水やりが多く、ずっとミズゴケが湿っているため、腐りやすく、1年で黒く変色してしまうので、毎年植え替えをしましょう。多少綺麗に見えても毎年植え替えた方が株の健康には良いです。

植え付けの資材(用土)は?

ハエトリソウは水苔で植え付けます。ピートモスで植えることもありますが、一般的には水苔ですね。

植え替えの手順は?

植え替えの前の日に水苔を水につけて吸水させます。あまった水苔は天日干しして乾燥させて、また袋に入れて保存しておきます。

鉢から株を取り出し、水苔をピンセットで全て取り除きます。もしも土やピートモスで植えていた場合も全て取り除きます。このとき、適当に株分して別々に植えておくと炭そ病の予防にもなります。根を水苔で包んで、それを鉢に突っ込んで完成です。

鉢底石は不要です。

水やり

ハエトリソウは湿地に育ち、水を好む植物です。水苔(みずごけ)で植え付ける場合、この水苔がずっと濡れているように水やりをします。

春や秋は水やりでいいのですが、真夏は水やりが追いつかないので腰水にして乾燥予防しましょう。いや、春も秋も腰水管理でいいくらいです。そのくらいに水を欲しがります。

肥料を与えて、虫は与えないでいいですよ

ハエトリソウはそもそも栄養の少ない湿地で生きていくために虫を捕まえていて、過剰な栄養にはむしろ弱いくらいです。わざわざ、あなたが虫を与える必要はないです。それどころか虫を捕まえると葉っぱが汚くなりやすいので、葉を綺麗に保ちたいなら、むしろ、虫は与えないようにしてください。

虫の代わりに一ヶ月に一回、通常の2倍の水で薄めた、薄い液体肥料をやります。肥料はなくても枯れるわけじゃないですし、肥料があると水苔が緑になったり、病気の原因になるので、控えめにしておくか無肥料でもいいです。

管理場所

春から秋管理場所は?

ハエトリソウは本来は日光を好む植物で、年間を通して日光を好みます。春と秋は戸外の日当たりか半日陰(木陰)で管理します。夏の直射日光には葉焼けするので、木陰、もしくは50%遮光した環境で管理します。

夏の管理について直射でも大丈夫とか、半日陰いいとか議論があるんですが、株の健康状態や個体差にもよるので木陰が無難だと思ってください。また気温が35度以上になるとさすがにどんだけ腰水しても直射日光下では水が茹って枯れてしまいます。

越冬のための条件は?

耐寒温度は0度〜5度と見た目より寒さに強いです。とはいえ霜に当たると枯れるのか、一発で枯れなくても弱るので、当てないようにしてください。

大事なのはハエトリソウを休眠させることです。冬は10度以下…できれば5度前後の環境で休眠します。休眠すると小さな葉っぱになり、心細いですが、それでいいのです。休眠してから春に目を覚ますことで春以降に旺盛に生育するので、冬はしっかりと寒さに当てましょう。じゃないと調子を崩してしまいます。

室内に取り込むと簡単に越冬はするのですが、春に調子を崩すので冬はできるだけ戸外で寒さに当てて休眠させましょう。ただし、土が凍ったり、霜に当たると枯れてしまいます。

ちなみに寒冷地では戸外では枯れてしまうので、ジップロックに入れて冷蔵庫で休眠させるといいです。

病害虫

ナメクジ、炭そ病、ハダニが発生します。

ナメクジ

水やりが多く、年中湿気ているのでナメクジの被害が多いです。ナメクジを捕虫器で捕まえることもあるんですが、水分が多くてそのまま腐って捕虫器ごと腐って、果てはハエトリソウごと枯れることがあります。ナメクジは誘引駆除剤を散布しておくといいです。それでも完全に駆除はできないんですけどね。

炭そ病

炭そ病はどこからか感染して、葉っぱや新芽が黒く変色してしまいます。放置すると確実に全滅してしまいます。ハエトリソウでは絶対に警戒しないといけない病気です。殺菌剤(ベニカ、ダコニールなど)を散布して駆除しましょう。もしくは変色した部分をピンセットで細かく取り除くと、徐々に回復します。

炭そ病は生育がよくて根詰まりというか、鉢に対してギュウギュウだと発生しやすいので、株分して植え直すと回復します。でも、株分するとどんどんハエトリクサが無限に増えていくんですよね。それはそれで困るんですよね。

ただ、葉っぱも新芽もあらかた真っ黒になったら、他の株に感染するので廃棄して買い直した方がいいかなと思います。
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