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バットグアノ

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目次
バットグアノ
成分と性質
 リン酸
 カルシウム
 バットグアノでは土壌改良は難しい
管理人の余談
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バットグアノ

バットグアノはコウモリの糞のこと。コウモリは虫・果物などを食べ、洞窟に潜んで、そこで糞をします。この洞窟に堆積した糞を袋詰めしたものがバットグアノです。なんて書くと、虫・果物が原料のような気がしますが、コウモリの死骸も多く含まれています。カルシウム(石灰)の割合が多いのは、虫の殻とコウモリの骨ですね。

1990年代あたりから流通し始めたのですが、似たような性質の肥料で効果の高い鶏糞に比べると、輸入品なので高価になり、現在はあまり一般的ではないです。

リン酸を非常に多く含み、相対的に窒素(N)とカリウム(K)が少なめとなっています。開花に必要なリン酸が多く、花・収穫を目的とした場合に適した肥料です。また、pHは7.5で弱アルカリ性で、土壌を酸性にしないという性質もあります。ただ、鶏糞と性質が近いので、よほどこだわらない限りは鶏糞で十分です。
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成分と性質

リン酸

リン酸(P)が25%〜30%と他の肥料に比べるとかなり多く含まれます。バットグアノに含まれるリン酸はク溶性と呼ばれるものです。土中の肥料は植物の根から出る「根酸」で溶かしてから、吸収するのですが、ク溶性は根酸で溶けやすく、ゆっくりと吸収されやすいという性質があります。また水には溶けにくいので、流れ出にくいという性質もあります。ただ、ク溶性のリン酸は鶏糞・油粕といった肥料にも含まれていますし、ク溶性に加工した有機肥料(骨粉)もあるので、バットグアノの特性というほどでもないです。

リン酸が多いのは間違いなく、バットグアノを使う目的はコレ。ただリン酸も多すぎると土がおかしくなるので、何事もほどほどに。

カルシウム

硫黄・亜鉛・カルシウムも多く含まれます。
中でもカルシウムは40%になります。カルシウムは植物の健康に必要な成分ではあるんですが、土が固くなったり、過剰にあると土が弱アルカリになって植物が逆に育ちにくいなんてこともあります。あと、土壌phの調整によく使う「苦土石灰」は中和するだけでなく、マグネシウムの補給をしています。マグネシウムは葉緑素の材料でもあり、不足すると葉っぱが黄色くなるので、バットグアノに依存するのはよくないです。

バットグアノでは土壌改良は難しい

バットグアノはリン酸の補給には適していますが、さすがに土壌改良の効果は堆肥腐葉土には及びません。もちろん、バットグアノは有機物ですから、多少の効果はあるんですが、主な目的としては利用しない方がいいでしょう。

管理人の余談

リンを多く含むものとして「糞」と「死体」があります。江戸時代の長屋では、トイレが共同で、そのトイレの糞を大家は農家に売って、お金を得ていました。その金額もそこそこだったとか。その人糞を郊外に運んで、畑にまいて、そこでできた野菜がまた江戸で消費される。なんてエコなんでしょう。

個人的には神への人身御供…つまり生贄の原型は土への「リン酸の供給」だったんじゃないか?とも思っています。つまり、人を殺して大地に捧げることが、土地を豊かにする方法だった。死体にはリン酸が含まれていますからね。

そう考えると糞と死体のハイブリットのバットグアノって、理にかなってるなとも思うのですよね。ちょっと強引ですけどね。
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