ペーハーとは?植物にとっての酸性と中性とアルカリ性

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日本は基本的に弱酸性

ペーハーと植物:日本は基本的に弱酸性
鹿沼土酸性赤玉土は中性、ピートモスは酸性、腐葉土は中性……酸性の土を中和する為に石灰を入れる。よくそういうことが書かれていますが、この酸性・アルカリ性を表すpH(ペーハー)ってナンなんでしょうか。

ペーハーは水素イオンの濃度のことです。7が中性で塩酸はph1.5くらい。土が強酸性というと5あたりのことになります。まぁイオンがどうこうというのはガーデニングにとってはどうでもいいことですよね。
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雨は弱酸性

ペーハーと植物:雨は弱酸性
雨は空気中の二酸化炭素を吸収し「炭酸水」となって降り注いだもの。炭酸といってもシュワシュワするほどではなくて、若干です。でもその炭酸化した雨は当然「弱酸性」で、この雨が土に降り注ぐと土中のアルカリ成分を中和し、洗い流し、土を弱酸性にします。

日本は世界的に見ても「雨の多い地域」ですから、土は自然と弱酸性になります。

ガーデニングをしていると「酸性は駄目。石灰で中和」という記述を見かけるので、酸性は悪いものと想いがちですが、それは外来の園芸品種を植えることが多いからというだけです。特に野菜は雨の少ない地域を原産地にしていることが多いから酸性は苦手なものが多いです。日本に自生している植物は基本的に弱酸性で問題なしです。

ペーハーによって吸収される成分が違う

植物が生育する為にはチッソとカリとリンという成分が必要です。ところが、それぞれの成分はこのペーハーによって水に溶けにくくなったり、溶けやすくなったり、吸収されやすかったり、吸収されにくくなったりと実はややこしいのです。

それで、極端な酸性・アルカリ性になると植物は生育不良を起こすわけです……ん?それで納得いきますか??

成分とペーハーを表に

中性がPH7ですからね
5が強酸性で8が弱アルカリ性です。Caはカルシウム、Mgはマグネシウム、Mnはマンガンです。
5678
リン××××
カリ×
窒素×××
カルシウム×××××××
マグネシウム
マンガン×××


●は吸収しやすい。▲はまぁまぁ。×は吸収しにくいです。これは指標であって絶対ではありませんが、この表を見るとまず、「アルカリ」は実は植物にとっては生育しづらいのが分かります。まだ酸性の方が吸収しやすい成分が多い(項目が多いから生育しやすいわけではないのですが)。

こうしてみると完全に全てをカバーするものは完全な中性だけですが、植物には酸性土壌でないと生きられない植物も沢山ありますよね。

必殺技!共生菌から成分を得る

ツツジ科の植物は酸性の土でないと枯れてしまいます。これは根に菌を飼って共生することで成分を吸収するからです。その菌のことを菌根菌(キンコンキン)といいます。嘘っぽいです。

菌根菌は土中の落ち葉などを分解して、それを植物に渡し、代わりに植物が光合成して作った炭素化合物を得て成長します。そのおかげでツツジ科は劣悪な強酸性土壌の環境でも生育することが出来ます。それどころか、この菌が死んでしまう環境ではこの共生環境は成り立たず、酸性でないと枯れてしまうわけです。

アルカリ化という問題も

土に石灰を混ぜることで中和する。と言う記述がみられますよね。だから土に植えるときは石灰を混ぜるのが当たり前だと思っていると、ちょっとまずいこともあります。

根から酸が出ているのもあるでしょうが、基本的には雨が空気中の二酸化炭素を吸収して「炭酸水」になって降り注ぐ為に土が「弱酸性」になるのがメカニズムです。よってビニールで土を覆う「マルチング」をしていたり、そもそも庭が軒下になっていて雨が当たらない場合は、酸性化しずらく、ここに毎回石灰を混ぜ込んでいると土がアルカリ化して、植物が育ちづらくなります。

そもそもアルカリは苦手

自生地が石灰岩で、アルカリ性の土に自生している植物であっても、それは単に「アルカリ性でも生きていける」という程度で、「中性が適している」「中性の方が生育が良い」ということがほとんどです。

なので中性で十分です。
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