ポインセチアの短日処理のやり方

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ポインセチアを赤くする!短日処理のやり方

短日処理のやり方:ポインセチアを赤くする!短日処理のやり方
ここではポインセチアを赤くするための「短日処理」の方法だけを特化してまとめています。
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最初に簡単にまとめ

●8月〜10月あたりから、夜7時から翌朝9時まで、ダンボールで覆って光を遮断する。これで花芽がつくと、赤くなる。赤くなるまで短日処理を続ける。
●ダンボールの上から黒いビニール袋をかぶせるか、段ボールの継ぎ目をガムテープで塞いで完全に中に光が入らないようにする。
●蛍光灯の光も「昼」だと認識して花芽をつけない。
●光が当たるとリセットされる。
●40日間続けるのは厳しい。

ポインセチアはなぜ赤いか

ポインセチアの赤い部分は厳密に言うと「花びら」ではなく、苞(ホウ)です。苞の形状はほぼ葉っぱと同じなので苞葉(ホウバ)とも呼ばれます。この苞が赤く色づくことでクリスマスカラーとして、冬に店頭に出回ることになるのです。苞が赤いのは、虫を呼び寄せて「受粉」させるためです。よって苞が赤くなるには花芽(花となる芽のこと)ができないといけません。ちなみにポインセチアの花は中心のツブツブです。

赤くなるための条件

ポインセチアは花芽を作ることで赤くなるというのが分かってもらえたと思います。
ではどうやったら花芽ができるのか?というと、それが短日処理なんです。

植物は日が長くなると花が咲くものや、日が短くなると花が咲くものがあります。後者を短日植物と言います。ポインセチアは短日植物でして、日が短くなることで開花する…つまり花芽ができて苞が赤くなるのですね。

ところで短日植物と一口に言っても程度の差があります。日が短くなるというのが、厳密なものではなく、「日が短いと咲きやすい」程度のこともあるんですね。そういう性質だと、日が短くなると咲き乱れるのですが、日が多少長くても、チラホラとは咲くんです。でも、ポインセチアはかなり厳しい条件を満たさないと「苞が赤くならない」のです。

その条件が「最低40日間・夜が12時間以上(ただし蛍光灯の灯りも昼と認知する)」です。

40日間・夜が12時間以上の厳しさ

秋になれば夜は12時間以上になる
秋分の日(9月下旬)を過ぎれば昼の時間は自然と短くなり、夜の時間は12時間以上になるので、戸外で管理すれば自然と短日の条件は満たされることになり、苞は赤くなるのですね。だから現地(メキシコとか)では11月には真っ赤になるのです。ところが日本では地域によっては10月の末には霜が降りるほどに寒くなりますから、戸外で管理していると確実に「ポインセチアは枯れる」のです。それに、日本の戸外は真っ暗ではなく街灯や常夜灯が灯っていますし、家からもれる蛍光灯にもポインセチアは反応し「昼だ!」と認知してしまいますから、赤くならないことが多い。よって日本で毎年、店頭で販売しているくらいに真っ赤にするには、意図的に短日処理をするしかないんです。面倒ですよ!
●ポインセチアは短日の条件さえ満たせば、いつでも苞を赤くできます。冬にやれば春には赤く、春にやれば夏には赤くも。

短日処理の方法

短日処理のやり方:短日処理の方法
クリスマスに赤くするためには、8月〜10月に、家に取り込んで、夜の7時から翌朝9時まで、ダンボールをかぶせて完全に暗室にします。昼間はしっかりと日に当てて、液体肥料を継続してやってください。ダンボールはホームセンターで入るものを買うか、近所のスーパーでもらって自作します。

ダンボールだけでは継ぎ目の隙間から光が入るので、ダンボールの外に黒いビニール袋をかぶせてしまいます。もしくは継ぎ目をガムテープで塞ぎます。完成したらダンボールに頭を突っ込んで、光が入らないかチェックしましょう。

これを赤い苞が出てくるまで、40日間以上続ける。1日でも忘れたらダメです。短日処理に成功すると、すでにある緑の葉っぱが赤くなるのではなくて、赤い新芽が新たに出てきます。赤い苞さえ出て来ればいいので、出てきたら短日処理をやめましょう。

短日処理は品種にもよるが、1ヶ月半くらいでなるもの(プレミアムレッドなど)もあるし、2ヶ月半以上かかるもの(プリメロ・ジングルベルなど)もある。なかなか赤くならないこともありますが、諦めずに続けましょう。

スペースがあるなら夕7時〜翌9時に押し入れ・収納スペースに入れるのでもいいです。要は「光を遮断」できればいいのですから。押入れから物を出し入れするときに光に当たってダメになることもあるので注意しましょう。
●ダンボールを被せる時間は夜の8時から朝の10時でも別に構いません。多少前後しても問題ありません。12時間以上、光(蛍光灯も)に当てないように知れば問題ないです。
●10月には霜がおります。霜に当たればポインセチアは枯れます。室内で行ってください。10月に最低気温が10度以下にならないなら戸外で管理すれば赤くなります。ただし、街灯などがない場所で管理しましょう。
●該当の時間にちょっとでも蛍光灯の光が当たればダメです。
●短日処理で葉っぱが落ちるということはないが、気温が下がる時期なので落葉したり調子は崩しやすい時期です。

短日処理中に留守にするなら…

ポインセチアの短日処理をしている時でも一泊旅行に行くことはあるでしょうよ。その時は、ダンボールをかぶせたままにしておきます。大事なのはポインセチアに「昼が短いな、夜が長いな」と思わせればいいので、ダンボールをかぶせて「一日中夜」にするのは問題ありません。ただし、3日以上ダンボールをかぶせていると日光不足で葉が落ちるかもしれません。このダメージは大きいので、せいぜい2日だけにしておきましょう。

ポインセチアは意外と大きくなる

ポインセチアは「木」です。中が竹のように空洞になっていて、エネルギー効率が良く、短期間で成長するようになっています。一年で結構な大きさに成長するのですね。しかし、大きいとダンボールに入らない。入らないと短日処理できない。そこで、春(4月〜5月)にしっかりと剪定して小さくまとめておきましょう。
短日処理のやり方:補足情報
短日処理をする時期はまだ気温があり、ポインセチアが成長する時期で、剪定して小さくまとめていても、短日処理期間中に成長して、段ボールがかぶせられなくなることもあります。ポインセチアの葉っぱはものに当たると簡単に擦れて傷みますので、少し大きめの段ボールを用意するか、成長に合わせて段ボールを大きくしましょう。
短日処理のやり方:補足情報
ポインセチアが入らなくなったら…差し当たっては、段ボールを継いで大きくして、短日処理を継続します。

40日間短日処理は厳しいのに、この上、大きすぎてダンボールをかぶせづらいとなると、途中で心が折れるのは間違いないです。
●短日処理をするのは2年目以降です。2年目はポインセチアに効いていた矮化剤の効果が薄れて、大きく育ちます。ポインセチアは本来3mくらいになる低木ですので、思ったより大きくなります。
●作った段ボールはその後、邪魔になるのですが、できれば来年のために取っておきましょう。

かなり厳しい

ポインセチアの短日処理を毎年する人はかなり珍しいです。試しに一回トライしてみよう!って人はよくいますけどね。本当に条件が厳しく、農家でもないのにこの条件を満たすのは、ほぼ無理。ギフトでもらうと、どうしても一回はやってみるものですが、正直な話、毎年、新しいポインセチアを購入する方がいいです。
失敗してもあなたが悪いわけじゃないです。
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短日植物 ポインセチア 短日処理
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