タブノキの育て方

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タブノキの基礎データ

タブノキ
科名
クスノキ科
属名
タブノキ属
学名
Machilus thunbergii
別名
イヌグス・タマグス・ヤマグス・ツママ・ドーネリ
水やり
水控え目
場所
外の日なた
難易度
上級者向け
タブノキの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

タブノキ(椨の木)とは?

タブノキ(椨の木)は東北から九州に自生するクスノキ科タブノキ属の常緑高木の広葉樹。海岸部によく見られる。

春に開花し、8月9月に果実が実る。果実は野鳥がよく食べ、あちこちに糞をして種子をまくため、あちこちに生えてくる。味はアボカド(クスノキ科)に近く、食べられないこともないが美味しくはない。万葉集にも登場する樹木。成長が早く、大木になりやすい。庭植えするには大きすぎる樹木で一般的には植えない。よほど広い土地がある人だけ。
樹高20m…個体によっては30m以上もある。
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特徴・由来・伝承

タブは朝鮮の船の名前「独木船(トンバイ)」が転訛したものではないかとも言われる。独木船(マルキブネ)とは一本の木をくり抜いて作った原始的な船のこと。ただ、朝鮮半島で自生しているのは済州島のみなので、個人的には弱いかなと思われます。一方で日本書紀に登場するほどに日本には馴染んでおり、「樹霊(タマ)」が宿る「タマノキ」が転訛したとも。

実際、古代の日本と朝鮮の交易で使われた船はタブノキで使われていた。

シイノキとタブノキは生息する地域が近いがシイノキの方が樹高が高く、シイノキに競り負けるが、塩水・潮風に強いために海岸部によく見られるよう。葉っぱや枝が密生するので、防火・防風の目的で植えられることが多い。

葉っぱには粘着質の成分が含まれていて蚊取り線香を固める材料として利用されていた。葉っぱを切るとネバネバしていて糸を引く。

果実が食べられ、成長が早くて道具・家具の材料や建材として利用されるのでよく植えられたらしい。が、クスノキより使い勝手が悪い…というか他に適した樹木があるので、有名ではない。別名(イヌグス・タマグス)に見られる「グス」はクスノキのこと。イヌは「劣った」とか「小さい」という意味があり、クスノキより劣った樹木という嫌な名前が語源かもしれない。

水やり

庭植えの場合は一旦根付いてしまえば自然に降る雨だけでほぼ十分。日照りの時に水をやる程度です。タブノキは樹木としては水を欲しがる性質があり、瀬戸内海沿岸などのように雨が少なめの地域では株が弱ってしまうかもしれない。よって雨の少ない地域では庭植えであっても水やりを意図的にする必要がある(ただ、そこまでする価値があるのか?…他の樹木を植えた方がいいと思う)。

肥料

2月に寒肥として化成肥料油粕などの有機肥料をやるといいですが、なくてもよく育つので普通はしない。
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植え付け

時期

植え付けは真冬を除いた秋(10月)から春(3月)までの間。

用土

肥沃な水持ちの良い土を好む。庭の土に3割か4割ほど腐葉土堆肥を混ぜてから植える。

庭植え

庭に植える場合は、植物の根の大きさに合わせて穴を掘ります。掘り出した土には、腐葉土や堆肥を掘り出した庭土に対して3割ほど混ぜて、土を戻します。その後、苗を植えて、周りの隙間に土を埋め、最後に水を与えます。

管理場所・日当たり

日当たりでも育つし、多少の日陰でも育つ。

潮風にも強く、強風にも強い。東北海岸部に見られるくらいだから寒さにも強い。地下水に多少の塩水が混じっていても育つ。かなり強い植物。ただし大きくなりすぎるので、一般家庭ではなく、公園や街路樹・寺・神社に植えるものだと考えてください。

霜に当たっても枯れない。寒さには強く、北海道・青森・岩手以外では放置で越冬します。

冬になると赤い新芽が見られ、それが春になると伸びるので「赤い花が咲いた」ようにすら見える。実際の花はかなり「地味」。

剪定

タブノキは成長が早く、刈り込んでも元に戻る。ただ、樹形を整えるような樹木ではないので、基本的に放置。手に余るなら早めに業者に頼んででも取り除いたほうがいい。

病気・害虫

基本的に病害虫に強い。アオスジアゲハが卵を産みつけ、幼虫が葉っぱを食べる。発生したら早めに薬剤を散布して駆除しましょう。

タブノキハウラウスフシ
葉っぱの裏にポコポコと虫こぶができる。虫こぶというのは虫が中に住んでいるもの。このフシの中にはタマバエの幼虫が住んでいる。
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クスノキ科

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