ムベ(郁子)の育て方…種まきは収穫直後に果肉を取り除いてすぐに
目次
ムベ(郁子)とは?植え付け・種蒔き管理場所・日当たり水やり肥料人工授粉剪定病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ムベ
- 科名
- アケビ科
- 属名
- ムベ属
- 学名
- Stauntonia hexaphylla
- 別名
- 郁子・トキワアケビ
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 上級者向け
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ムベ(郁子)とは?
ムベ(郁子)は関東以西に自生する
アケビ科ムベ属の常緑ツル性植物。花に雌雄があって、1株に雄花と雌花が咲く。自家受粉できなくもないが、2株あると結実しやすいので2株植えましょう。5月に白い花が咲いて10月に
アケビによく似た実がなります。画像はまだ緑ですが、実は紫に熟していきます。アケビのようにパカっと開かない。実は甘いが
種子が多くて食べにくい。
常緑性でツタ性で、
グリーンカーテンに植えることもありますが、当然冬も葉っぱがあるので、夏だけ「日除け」というのとは違います。
一年で1.5mも生育するので
剪定で管理できる長さに止める必要がある。
樹高3m
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植え付け・種蒔き
庭植えも鉢植えも春(3月)に植え付けます。鉢植えは2年に1回、春に植え替えをします。
1株でも結実するが2本植える
自家受粉はしないわけじゃなくムベ
一本で結実するが、ムベが二本以上あった方が結実はよい。実生株を2株を植えるといいです。
用土
常識的な土質であれば問題なく栽培できます。鉢植えなら一般的な
培養土で植えます。庭植えなら庭土に
堆肥か
腐葉土を混ぜて
用土とします。
庭植え(地植え)
ムベは庭植え(地植え)するものです。
庭植えの場合は50cm深さと大きさの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土を3割か4割入れ、化成
肥料を説明書きの規定量入れて混ぜて用土とします。できれば1週間寝かせて土を馴染ませるといいです。
穴に半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。
ツル性植物でなにかに絡ませないといけません。樹木か、フェンスかそういうものの近くに植えて誘引する。大きく育ってツルが結構な重さになるので、自信がないなら植えない方がいい。
●株元に日光がガンガンあたると乾燥で生育不良を起こすので、株元に日光が当たらない場所にするか、株元を
マルチングしましょう。
●樹木に絡まらせるとその樹木が日光を遮られて枯れることがある。
鉢植えの植え替え手順
通常は地植えで栽培しますが、鉢植えでも栽培できなくもないです。ただ、ツルをからませる支柱が必要で、支柱をつけたまま作業をすることになるため、作業難易度がどんどん高くなる。なので、通常は地植えです。
鉢底の穴を鉢底ネットで塞ぎ、鉢底石を2cm敷き、用土を少し入れて高さを調節し、苗を入れて、隙間に用土を入れて、最後にしっかりと水をやって完成です。
植え替えの場合は少しだけ土を落として、ひとまわり大きな鉢に植え替えましょう。
挿木・種まき
種子でも
挿し木でも増やせる。
種子は秋に収穫した実を、果肉を洗い流してから、タネを撒くと春に発芽する。果肉には発芽抑制物質があり、付いていると発芽しません。実ができるようになるまでは種まきから数年かかりますので、一般的には苗を買って植えます。
挿し木は3月に去年伸びた枝を3節ほど切って、葉っぱを半分以下にしてから土に挿していると発根します。
管理場所・日当たり
東北南部でも自生しているので寒さは強い方。ちなみにニホンザルが好んで食べて自生地を広げているらしいです。
日光を好み、日光が少ないと花が咲かず、実もならない。でも、多少の
半日陰くらいでも開花し、実はつけます。
水やり
庭植えの場合は雨だけでほぼ十分。夏の乾燥時期や日照りの時に水をやる程度です。株元が雨の当たらない軒下になっていないかチェックしてみてください。ただしムベは根が浅く、乾燥に弱いです。株元に日光が直接当たるような場所の場合は株元にワラや腐葉土を敷いてマルチングをして乾燥を防ぎます。
肥料
2月に寒肥として
鶏糞か株から少し離したところに穴を掘って埋めるか、化成肥料を株から少し離してまきます。また収穫後の10月に同様に肥料をやります。
人工授粉
自家受粉はしにくいので、別株の花粉を並べて植えましょう。その上で別株の花粉を筆で擦り付けて人工授粉させると結実しやすくなります。2株ない場合でも、同じ株の花粉でもいいので人工授粉した方がいいです。
剪定
花が終わった5月6月に邪魔な枝を切って、風通しを良くします。株元から出てくるツルや脇から出るツルは基本的には取り除きます。幹に風を通し、日光を入れる。これ以上伸びてはいけないという長さになったら、ツルの先を切ります。それ以上は伸びなくなります。秋に実がなるので、花を落とさないようにします。収穫後に剪定してもいいです。
一年で1.5mも伸びる。どこまでも伸ばすととんでもないことになるので毎年剪定をしましょう。管理しきれないなら、引っこ抜いて廃棄する覚悟はあった方がいいです。
病害虫
ほとんど見られない。
特徴・由来・伝承
天皇に献上されていて、現在でも展示天皇を祀る近江神宮、靖国神社には献上している。天智天皇が食べた時に「むべなるかな!(もっともだ)」と言ったのが語源とも、「大贄(オオニエ=献上品)」が「オオムペ」「オオムベ」「ムベ」と訛ったとかなんとか。
別名がトキワアケビ。トキワとは常緑のこと。アケビは落葉するが、ムベは冬も落葉しない。熟してもアケビのように割れないので、虫に食べられない。幼木の時は葉っぱ1組が3枚、それが徐々に5枚7枚と増えるので七五三の縁起木とも言われる。ちなみに葉っぱが7枚になると結実する(しやすい)。郁子と書いてムベと呼びます。
地方によって呼ぶ名がいろいろとあり、フユビ・グベ・ウンベ・イノチナガ・コッコがあります。
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