シンビジュームの株分けと植え替えとバックバルブ吹きについて
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シンビジュームはよく生育する
胡蝶蘭なんて、発芽から開花まで何年もかかるもので、そうそう簡単に大きく育ちません。その点、
シンビジュームは生育が早く、株分けも容易。どんどん数が増えます。シンビジュームは愛好家が多く、愛好家はシンビの鉢を何十鉢も管理、人によっては100鉢以上持っていることもあります。これが全部違う品種なら分かるのですが、株分け株分けで増えていった同一品種が多いんですよね。育てているうちに愛着が湧いて捨てられないんです。
シンビは株分けを兼ねて、植え替えは2年か3年に一回はしないといけません。そうなると2年に一回植え替えるだけでもかなりの重労働です。植え替え・株分けは楽しいのですが、どこかで廃棄する勇気を持ちましょう。
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植え替えの目安
鉢を見たときに、シンビの株やバルブが窮屈だなと思ったら、植え替えした方がいいです。
ちなみに店頭で販売しているシンビジュームはすでに植え替え寸前だと思ってください。シンビジュームに限らず植物は、多少
根詰まりさせて、危機感を煽った方が花が咲きやすいのでそういう仕立て方をしているだけです。限度を超えて根詰まりすると花は咲かなくなるし、水切れが起きやすくなるし、生育も鈍くなるので、植え替えをしてください。特にシンビジュームは
観葉植物じゃないですから、花が咲かないのは育てている意味が薄くなっちゃいます。
植え替えの手順
①水やりを止める
三日前から水をやるのを止め、乾燥させる。
花が咲いていたら切る。花は株に負担。そこに植え替えの
ストレスを加えると株が弱る。
②株を取り出す
古い鉢から株を取り出す。キツキツに根が張っていると、簡単に抜けません。鉢を叩いて揺らして(手の腹で掌底を食らわすみたいにして)株を取り出します。揺らしてもビクともしない場合は、鉢をトンカチで叩きこわします。3年とか4年とか植え替えをしていないと、もう叩き壊すものだと思った方がいいです。
③根を切除
古い根を切除する。古い根は変色しているので、一目でわかります。出来るだけ古い根を取り除きます。手がとどく範囲で十分。ハサミなどで切除するのですが、前もって道具は消毒しておきましょう。
ガスバーナーで炙ったり、次亜塩素酸につけたり、ハイターにつけて消毒します。
④新しい鉢の底に軽石を
新しい鉢を用意します。新しい鉢は古い鉢より一回り大きなものです。
プラスチック鉢より、素焼き鉢の方が適している。素焼き鉢は通気性がよく、重さがあって、倒れにくい。プラスチック鉢は、通気性が悪く、
シンビジュウムの
花茎が垂れ下がると倒れます。
シンビジュームは根が下へと伸びるものなので、縦長の鉢が適しています。新しい鉢の底に「網」を敷きます。これは土がこぼれ出ないようにして、通気性を確保するものです。そして
軽石を底に敷きます。
⑤株を入れて土を入れる
用土は「軽石8バークチップ2」か、「
日向土6
パーライト4」か、「軽石だけ」、もしくは「シンビジュームの
培養土」というシンビジューム用に配合した培養土がありますので、そちらを利用します。
新しい土を入れて、株を入れ、鉢と株の隙間に新しい土を入れます。時々鉢を揺らして、土が隅々まで入るようにします。以上で終了。
株分け
目的
植え替えだけでは限度があります。
植え替えてもバルブ同士が近くになりすぎて、ギュウギュウになりますし、また、2年に一回の植え替えで、一回り大きな鉢に植え替えていくと、どんどん大きくなって、プラスチックの鉢で中身が軽石だとしても、一個が重くなり、春秋に管理場所を変える時に重労働になります。腰抜かしますよ。そこで、株分けをして一個を小さく仕立て直します。
手順
植え替えの時と同様に、株を鉢から抜き出します。
これを1株あたりバルブを二個か三個残すようにして分けます。切る前にバルブの位置を確認して、計画を練りましょう。ガチガチで手でザックリ分けるとはいきませんから、ナイフで切ります(ナイフで切れない場合は小型のノコギリで)。半分の場合もあるし、三つか四つの場合もあります。
これを、
植え替えの手順と同じようにして新しい鉢に植え付けます。株分けをすると2年か3年は開花しなくなるので、それが嫌なら株分けは避けましょう。
ナイフやノコギリは必ず使用前に「熱消毒」…ガスバーナーで炙ってください。
ウィルス病の感染を防ぐためです。
バックバルブ吹き
株を見ていると葉っぱが付いていない「バルブ」が見えますよね。これはかつて活躍したバルブで、バックバルブと言います。現在は新しいバルブに栄養を譲っているのです。これを切り取り、
水苔につけていると発根し、新しい株になります。これをバックバルブ吹きと言います。
ただ、古いバルブがあることで、現在のバルブが充実して花が咲きやすくなるので、バックバルブ吹きをしていると、現役の株に花が咲きづらくなります。花を咲かせたいならば、バックバルブでの株分けは「株を増やす一つの手段」だと思ってください。
多少みっともなくても、古いバルブはギリギリまで放置した方がいい。
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