金稜辺(キンリョウヘン)の育て方…開花調整のテクニック!

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キンリョウヘン
目次
金稜辺(キンリョウヘン)の特徴は?
開花調整をしよう
水やり
肥料
植え替え・植え付け
管理場所
病害虫
関連記事
学名や栽培スケジュール
最終更新
植物名
キンリョウヘン
科名
ラン科
属名
シュンラン属
学名
Cymbidium floribundum
耐寒
0度
水やり
水控え目
場所
季節による
難易度
上級者向け
キンリョウヘンの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。
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金稜辺(キンリョウヘン)の特徴は?

金稜辺(キンリョウヘン)は中国原産のランで、小型のシンビジュームの一種で、花が発するフェロモンがニホンミツバチを呼び寄せる。ちなみにセイヨウミツバチは反応しません。「ミツバチラン」とも呼ばれています。

金稜辺(キンリョウヘン)の開花時期は4~5月。鑑賞するための栽培ではなく、ニホンミツバチが分蜂したときに、自分の巣箱に誘引するために栽培します。用もないのに栽培すると我が家にミツバチが飛んできて、大騒ぎになりますよ。

シンビジュームはランの中では栽培しやすい種類で、中でも金稜辺(キンリョウヘン)は耐寒性もあり、初心者でも手軽に栽培できます。育て方は通常のシンビジュームと同じ。性質も丈夫なので、むしろ手を掛けすぎず、過保護にしない方がよく育ちます。

ただ、養蜂のための栽培で、本来の知識・経験とは全く違う系統のことをする訳で負担がかかり、金稜辺(キンリョウヘン)の栽培に失敗している養蜂家は多いです。

まずは購入

まずはネットで金稜辺(キンリョウヘン)を購入します。
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もしもすでに開花しているものなら、それで誘引すればいいです。もしくは誘引剤を買って設置して、巣箱に誘引します。栽培するのが面倒なら、誘引剤(待ち箱ルアーなど)でも十分です。毎年枯らすんなら、誘引剤を使った方がいいですよ。
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開花調整をしよう

秋〜冬に寒さに当てて花芽を作る

金稜辺(キンリョウヘン)は12度〜10度以下の気温に1ヶ月ほど当たることで花芽をつけます。秋以降は必ず戸外で寒さに当てるようにします。しかし、霜に当てると枯れなくても傷んでしまうので、最低気温が5度あたりになったら取り込みます。

花芽・葉芽が出てくるのは11月〜12月あたりです。

剪定・切り戻し

10月〜12月に気温が下がってくると、新芽(花芽)が出てきます。このときバルブ一つにつき、1つの花芽を残して、あとは取り除きます。これを芽カキといいます。全てを残すと、全部咲いてしまい、株が弱って来年は開花しても、次のシーズンで開花しにくくなります。

シンビジュームの芽かき・花芽と葉芽の見分け方のページを参考にしてください。

温度と開花時期の関係

花芽がついたあと、気温が上昇すると開花が早まります。最低気温10度〜最高気温20度だと2ヶ月〜3ヶ月で開花、最低温度4度〜最高気温14度で5ヶ月〜6ヶ月後に開花します。これは目安で、ようは管理している温度をあげれば開花は早められるってことです。

ちなみに、九州南部では3月、京都・大阪・名古屋・東京あたりでは4月、東北では5月から分蜂がはじまるので、その頃に合わせて開花するようにします。

まぁ、普通は特に何もしなくても、ちょうど良く開花するんですが、遅いようなら室内の日当たりに取り込んだり、室温を上げて調節しましょう。

ところで、暖房の風は乾燥していて直撃するとツボミが落ちるので、気をつけてください。

水やり

春〜秋は、土が乾いていたら、鉢底から水が出るくらいにしっかりとやります。受け皿の水は捨てておきます。冬は寒さで活動が鈍くなっていますし、蒸発も鈍いので水やりは控えます。週に一回か、10日に一回程度の水やりです。土が完全に乾いてから、同様に鉢底から水が出るくらいに水やりをします。

冬に花芽ができ、伸びてツボミが見られる頃はまだ水やりは控える時期ですが、このときに水が切れるとツボミが落ちます。特に室内で管理していて、暖房がかかっていると落ちやすい。水やりの頻度を増やすか、霧吹きで葉っぱと花に水をかけて給水します。

水やりは植物栽培の肝となるもので、熟練者でも失敗することがありますし、何より、環境(風、温度、湿度、株の状態、土の配合)によって水やりの頻度は全然違います。答えのないものなので、失敗しやすい。これは失敗をしつつ掴んでいくしかないです。

肥料

生育時期になる3月〜秋の間に、液体肥料を2週に一回やるか、1ヶ月に一回緩効性固形肥料をやります。7月下旬〜9月上旬の気温が30度以上になる時期は高温で弱っているので肥料は止めます。固形肥料は施肥してから1ヶ月の間、効くので意図せず真夏に肥料が効いてしまいます。できれば液体肥料を使っておくと失敗が減らせます。

10月以降から開花時期になる3月〜4月までは肥料を止めます。生育が止まっているのに肥料をやっていると根を傷めて枯れることもあります。

植え替え・植え付け

時期・頻度

植え替えは3月〜5月に行います。2年か3年に一回を目安に植え替えます。4年か5年経つと、内部が根でギチギチになって取り出しにくくなります。そのときはハンマーでかち割って取り出します。

古いバルブ(葉の付け根にある球根のような塊)が多く、草姿が悪い場合は、3~5バルブに株分けして植え付けます。その際、古く腐った根は取り除き、葉のないバルブも整理しておくとよいでしょう。

用土

ミズゴケで植え付けることもあるが、東洋ランの土、シンビジュームの土でも栽培は可能。初心者にはミズゴケは水やりの調節が難しいので、シンビジュームの土での栽培がいいです。

鉢は縦長を

金稜辺(キンリョウヘン)は…というかシンビジュームは根を下へと伸ばすため、縦長の深鉢に植えます。そしてできれば、プラバチではなくて、陶器や素焼きのある程度、重さがあるものの方が倒れにくくて、管理しやすいです。

植え替えの手順は?

作業をする前にナイフなどの道具を消毒します。消毒しないとウィルスに感染することがあります。消毒は火で炙ってもいいし、消毒液に漬けてもいいです。

古い鉢から取り出し、傷んで変色した根を切り取ります。色が変なのですぐにわかります。ミズゴケの場合は、腐っているので、ピンセットで全てを取り除くといいです。どうしても取り除けない場合は、ザックリでいいです。

鉢植えの底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、水を鉢底から出るくらいにしっかりとやって完成です。

ミズゴケの場合は、ミズゴケで根を包んで、鉢植えに突っ込む感じになります。用土の場合は、普通の植え付け・植え替えと同じです。

多少、雑にやっても枯れることはないです。それより、根を広げるスペースを作ってあげることが大事ですよ。より詳細はシンビジュームの株分けと植え替えとバックバルブ吹きについてのページを参考にしてください。

管理場所

春の管理場所

日光の当たらない室内や狭い温室などで栽培すると、徒長して鉢が倒れやすくなりますし、花つきも悪くなってしまいます。蕾は日光に当てないと開花せずに落ちてしまうこともあります。春・秋は戸外の日当たりで管理します。ただ、冬に室内で管理していた株をいきなり戸外に出すと、葉焼けするので、日陰で1週間〜10日→木陰で1週間〜10日と徐々に慣らしつつ、日当たりに移動させます。

夏の管理場所

夏の直射日光・高温が苦手で、夏に日当たりで管理していると葉焼けして、弱ってしまいます。夏は必ず、木陰で管理するか、遮光(50%)して風通しの良い場所で管理します。台に乗せて、管理すると鉢の下を風が通り、土の温度が下がって良いですが、風でひっくり返らないようにする工夫が必要です。

冬の管理場所

寒い冬の間は、室内にいても十分な日差しが入る場所で管理しましょう。しかし、5月以降は、屋外に移動し、木陰のように葉焼けしない場所で育てるか、遮光ネット(30%〜50%)を使用して管理しましょう。また、暖房器具からの温風が直接当たらないように注意してください。

病害虫

ハダニナメクジアブラムシ
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