クレマチスの挿し木の方法のまとめ
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クレマチスの挿し木の目的
このページでは
クレマチスの
挿し木の方法や手順をまとめています。
クレマチスは数年ほど育てていると、庭植えであっても根が密生して、過湿で蒸れて枯れてしまいます。ヨーロッパでは数十年育つのですが、日本は蒸し暑いので無理です。そこで継続して育てるためには、挿し木か取り木で「株を更新」してやらないといけません。取り木の方が簡単ですが、挿し木の方が大量に作ることができます。
また、クレマチスは鉢植えの植え替えの際に、調子を崩してそのまま枯れることがあります。この保険のためにも
挿木で株を作っておきます。
挿木での保険についてもう少し
鉢植えの場合でも1尺以上の大きさの鉢に植え替えるのは難しいので、挿し木や取り木で株を更新することになります。
ちなみに2月〜3月の休眠時期であれば、多少土を落としての植え替えや株分もできますので、この時期であれば、土を落として同じ大きさの鉢への植え替えも可能です。可能ではあるんですが、ダメージで枯れることもあるので、やっぱり挿木で保険をかけておくべきです。
廃棄するというのも手
珍しい種類じゃなければ、クレマチスの苗は高いものではないので、無理して更新せずに新しいものを買った方がいいかも。数年育てると、飽きますし、ガーデナーって次々に苗を追加購入して、庭やベランダが手狭になりがちです。現在の品種を廃棄するのも悪くない決断です。
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挿し木に適した時期は?
適した時期は5月から8月中旬。ただし梅雨の時期は過湿で株が弱るので、梅雨前か8月以降の方が成功率が上がります。常緑種は11月に挿し木します。
植え替えをするのは冬なんですが、挿木は5月〜8月。植え替えのリスクのための保険なんですが保険は5月〜8月のうちに作らないといけない。植え替えの時に「あ!挿木してない」ってなりがちですし、クレマチスって突然死することがあるので、植え替えの予定がなくても、挿木はしておいた方がいいです。
用意するもの
挿し床
挿木を挿すための育苗箱を用意します。育苗箱じゃなくても、ビニールポットでもいいです。どれもネットや
ホームセンターで売っています。
深さは8センチから10センチのもを用意しましょう。
育苗箱を入れるもの
育苗箱の底には穴が空いています。その育苗箱を入れる大きな水を貯めて、腰水にする器を用意します。育苗箱はこの器に入れて水を補給します。
用土
赤玉土小粒単用だけでもいいですが…
育苗箱の底に大粒の
鹿沼土。その上に小粒の赤玉土。その上に
パーライトを使用するとより良いです。
カミソリ・ナイフ
よく切れるカミソリかナイフを用意します。
ハサミはよほど切れ味が良いものでも、刃で茎を潰してしまい細胞を壊しているのでヤメておきましょう。
手順
挿木を取る
病
害虫にかかっていない健康的な元気な葉っぱが生えている新しい…今年伸びた梢を10cmから15cmほど切り取ります。花が咲いた後の古い枝では発根しづらいです。
花の後に
剪定しますよね。その剪定の後に伸びたばかりの2節か3節しか伸びていない新しい枝では発根する前に腐ってしまうので、新しく4節か5節伸びたものを切り取ります。切り取るときにナイフやカミソリで、スパっと「斜め」に切ります。
そのツルの上部分を切って、2節か3節切り取ります。切り取る場所は、節と節の間です。ちょうど中間で切ってください。節のギリギリで切らないでください。真ん中です。
節からツルを2cm残します。ナイフで切り口を切り直して綺麗にするとよりよいです。もちろん斜めに切ってください。ちなみに斜めに切るのは断面積を増やして、水を吸い上げやすくするためです。
成功率は品種にもよるが30%くらいなので、挿木は何本か…5本〜10本は作っておきましょう。
●アーマンディ・モンタナ・カリシナ・シルホサ・アルピナなどマクロペタラ系は節の下を4センチと長めにします。
水揚げする
切り口を水に30分から1時間ほど浸けておきます。これを
水揚げと言います。水揚げをすることで水を葉っぱまでしっかりと送ります。これをしないとすぐに萎れてしまいます。
水揚げをするときに葉っぱが水に浸からないようにしてください。
調整する
節は二つだけにして、下の節は土の中に埋めて発根させるので、下の節の葉を取ります。
沢山葉っぱを残すと負担ですが、葉っぱがなければ発根しません。葉っぱ2枚でも、発根する前にしおれる場合は、葉っぱを半分に切ります。
挿し床を用意する
育苗箱の底に1センチほど大粒の鹿沼土か赤玉土を入れ、育苗箱の高さの8割か9割まで小粒の赤玉土を入れ、その上にパーライトを敷きます。赤玉土が流れ出ないなら、赤玉土だけでもいいです。
挿し床を器に沈める
水を張った器の中に挿し床を沈めます。水は8センチほど張って挿し床が8割ほど沈んでいるようにします。
水切れを避けるため、腰水というか底面給水にします。底面給水とは上から水をやらず、底から水を給水することです。
挿し木を刺す
挿し木の切り口に発根促進剤をつけて、一つの節が土の中に埋まるように挿してください。アーマンディ・モンタナ・カリシナ・シルホサ・アルピナなどマクロペタラ系では節は地表ギリギリにして土の中に埋まるようにはしません。この種類はこうすることで挿し木の芽が出やすくなります。
●挿し木と挿し木は3センチか4センチ以上離してください。
●発根剤はホームセンターで販売しています。他の植物でも流用できますからガーデニングをするのであれば買って損はないです。
挿し木直後の管理
10日ほどは雨風の当たらない明るい日陰で管理します。風に当たるとグラグラして根が出づらくなり、日光に当てると弱ります。10日が過ぎたら徐々に明るい場所に移動させます。
挿し床は水に浸けたままで、それとは別に霧吹きで優しく水をやります。挿し木直後の10日は毎日三回、霧吹きで葉っぱに水をやってください。10日が過ぎたら1日一回に減らしてください。20日が過ぎたら霧吹きで薄めた液体
肥料をやります。
発根してからの管理
発根までは40日か50日かかります。発根して育苗箱の底から根が出てくるくらいに伸びたら、ポットに植え替えをします。箱を揺すって取り出し、3号〜4号ポットに植え替えをします。植えるときには挿し木の時と同じように一節埋まるようにします。ただし、アーマンディ・モンタナ・カリシナ・シルホサ・アルピナなどマクロペタラ系は節を地表ギリギリに埋めます。
ポットに植える土はクレマチスを植える時の
用土と同じものです。ポットに根が回ったら、鉢か庭に植え付けましょう。
●植え替えてから一年は寒さに強くないので、冬の寒さには当てない。冬は軒下か室内に取り込む。
●挿木して二週間ほどでツル(新芽)が出てくる。これはもともとツルが持っていた栄養素で芽を出しているだけで、まだ発根はしていない。発根までは1ヶ月くらいはかかる。
最後に…
これ以降の栽培は
を参考にしてください。
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