カトレアの植え替え・株分けのまとめ
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カトレアの植え替え・株分けのまとめ
ここでは
カトレアの植え替え・株分けについてまとめています。カトレアの全体的な育て方は「
カトレア」のページを参考にしてください。
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必要なもの
水苔
水苔で植え替えをします。バークで植え替えることもありますが、一般的には水苔です。水苔は植え替えの前日から水に浸けて戻しておきます。
鉢
鉢は水苔で植える場合は、蒸発しやすい素焼き鉢が多いです。素焼き鉢のメリットは鉢が重くて、ひっくり返りにくい点もあります。バークで植える場合は通気性の悪いプラスチック鉢が適しています。
大きさは株より若干大きいくらい。大きすぎる鉢は水が蒸発しづらく、
根腐れの原因になります。大きな鉢しかない場合は、発泡スチロールを入れて
水はけを良くします。
ちなみにカトレアの自生地では木に着生するので、カトレアの健康のためには「ヘゴ」などの木にくくりつけて着生させます。くっつけると根が伸びて木に食い込んで固定されます。
発泡スチロール
カトレアは乾燥に強く、過湿が苦手で、水苔が多いと根腐れしやすいです。また、大きな鉢しかない場合、水苔だけだと、保水しすぎて根腐れを起こしやすいので、鉢の内容に対して三分の一ほどは発泡スチロールを入れると良いです。カトレアの鉢を購入すると中に発泡スチロールが入っているので、これを流用してもいいです。ない場合は購入するか、家電を買ったときの発泡スチロールを取っておきます。
なんとなく発泡スチロールって、ズルしてるような気がしますが、そもそも土に根を張る植物ではないため、通気性を保つためにもあった方がいいです。
鉢底ネット
鉢の底の穴から水苔などが出ないようにするための「網」。穴から水苔やバークが出て行かないようなら、入れなくてもいいです。
ホームセンターで売ってます。
支柱
一般的にはカトレアは鉢に植わったものしか、見たことがないのでイメージしにくいですが、自生地ではカトレアは木の枝に着生して育つものです。寄って上へ上へと生育するものではなく、横に伸びていくものです。なので鉢に植えていても、そのまま伸ばしていると、形状が不安定でバランスを崩して鉢が倒れてしまいます。支柱はバルブを強制してバランスを取るために必要です。
道具
ピンセット
水苔を取り除くのに使用します。ピンセットも使用前に消毒してください。
ハサミ
ハサミは出来るだけよく切れるものを。切れないハサミは、「切る」のではなく、「挟み込んで潰す」だけです。細胞壁が壊れてカトレアにダメージがあるので避けます。使用の前に消毒してください。
ミニカッター
支柱を切るためのもの。
ビニールタイ
支柱とバルブを結びつけるもの。針金が入っていて、自由に固定できます。ホームセンターで売っています。
消毒するもの
ピンセットやハサミなどを消毒するためにガスバーナーを用意します。ライターでもいいです。作業が少ない場合はガスバーナーでいいです。ただし炙るとハサミの刃が傷みやすいですから、ある程度は覚悟してください。安いハサミを買っておくといいです。
作業が多い場合はリン酸三ナトリウム飽和水溶液(3%溶液)を利用します。数本のハサミを用意し、これに5分ほどつけて、浸ける→作業→浸けるを繰り返します。
前知識
カトレアの根が鉢からはみ出て、鉢の底から根が見えるようならば植え替えをします。水苔に雑菌や
害虫が潜んでいるので、植え替えをして清潔を保つことが病害虫の予防にもなります。
根詰まりすると生育が悪くなりますし、少し早めに植え替えをすると良いです。
カトレアには春咲・夏咲・秋咲・冬咲と不定期咲とあって、それぞれ微妙に生育パターンが違いますので、ココだとは明言できませんが、基本的には真冬と真夏を避けて「開花後」に植え替えをします。
株分けは一株あたりバルブを3個以上つくように分けます。なので株分けは最低でも6つ以上。7つ以上が安全な株分けの基準です。
植え替えの手順
水苔を戻す
バケツに水を張り、水苔をつけて水を吸わせて戻しておきます。
消毒
ピンセット・ハサミなどを消毒します。ピンセット・ハサミは「鉢の数」だけ用意します。植え替えを三つするならば3セット用意します。軽くライターやガスバーナーで炙るか、作業が多い場合はリン酸三ナトリウム飽和水溶液(3%溶液)につけて消毒してください。
支柱を取り除く
鉢に刺さっている支柱を取り除きます。ビニールタイを解いて、支柱を抜きます。ビニールタイを解くと白いものがくっついてたらそれは「
カイガラムシ」です。あとで処理しましょう。
鉢から株を抜く
ピンセットなどを鉢と水苔の間に差し込んで、株を引きます。株を傷めないように抜きます。あまりにガッチリと詰まっていて抜けないようならば、鉢を叩き割ることもあります。
株分けの算段をつける
鉢が6号以上になるなら株分けを考えます。株分をすると株は増えるのですが、株が小さくなって何年かは開花しなくなるので、基本的には作業がしにくいくらい大きくなったら株分けする!くらいでいいです。
株分けするのであれば、リードバルブ(新しいバルブ)+バルブで3本以上が1セットになるようにして、株分けをします。二本でもいいのですが、バルブが少ないと開花までの時間がかかるようになるので、3本以上にするようにします。少ないからって枯れるわけではありません。
これを切り分けます。ほふく茎を切り、株を分けます。根は切れても新しいものが出て来ますし、古い根は枯れてしまうので、遠慮せず切ってください。
古い苔を取り除く
カトレアの根は現在の水苔に合わせて生えます。なので植え替えると古い根は枯れるものです。新しい水苔にすることで、根はほとんど入れ替わります。ですが、植え替えの時点で新しい根がほふく茎からちょこっと出て来ているでしょう。その根は残したいので、ほふく茎の近くの水苔は残して、その他の水苔は全て取り除きます。全体の水苔の三分の二を取り除くことになります。
ピンセットで丁寧に水苔を取り除いてください。
これで植え替えの準備ができました。
鉢の底に網を
鉢の底に網を敷きます。水苔やバークなどが出ないようにするためのもので、出ないなら不要です。鉢が大きすぎる場合は、発泡スチロールを鉢底に敷きます。
水苔を巻きつける
前もって水に濡らしておいた水苔を根に巻きつけます。根全体が水苔に包まれるように。ほふく茎が完全に埋没しない程度に巻きます。一番古いバルブは多少埋まってもいいです。新しいバルブと新芽が水苔に埋まらないようにしてください。
表面が凹凸している場合は、整えます。その時、あまり水苔を押し込まないようにします。押し込むと水はけが悪くなり根腐れの原因になります。
鉢に突っ込む
水苔で包んだら、あとは鉢に突っ込みます。
もしもヘゴなどに着生させる場合は水苔で包んでから、ヘゴに針金などで固定します。根が伸びて、いずれはヘゴに食い込んだら、水苔はピンセットで丁寧に取り除きます。
支柱を立てる
支柱を立てて、バルブとビニールタイで止めます。
養生する
以上で完成です。
しばらく(一週間)は日陰で管理して、養生します。植え替えはカトレアにとって
ストレスなので、すぐに通常管理に戻すとダメージで体調を崩します。植え替え後1週間はまめに霧吹きで葉やバルブに水をかけ、水苔が乾いていてから水をやるようにします。
カトレアは乾燥に強く過湿が苦手で、養生しているときは乾燥気味に管理しておきます。養生する1週間ほどでは水苔は乾燥し切らないことが多いので、実質
水やりはせず様子をみておくのが無難です。
後は通常の管理に戻します。
新芽が横へ横へ伸びますので支柱で矯正してください。
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