春の七草の由来と花を画像とともに解説
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春の七草とは
セリ
ナズナ(ぺんぺん草)
ゴギョウ
ハコベ(ハコベラ)
ホトケノザ
スズナ(カブ)
スズシロ(
大根)
を春の七草としています。
この「七草粥」は延喜式(平安時代中期に成立)にも書かれていますが、七草が具体的に書かれたのは、14世紀(室町時代)に書かれた源氏物語の注釈書である河海抄です。この7種は水田の近くで見られる植物ばかりですので、日本の風習から選ばれた七草です。
セリ
セリ(芹・Oenanthe javanica)は日本原産の
セリ科セリ属の野菜。緑黄色野菜で、香りがあり、田の近くに自生していましたし、野菜として栽培もされています。
ナズナ(ぺんぺん草)
ナズナ(ぺんぺん草)は
アブラナ科ナズナ属の
雑草。痩せ地でも育つことから、荒れ果てた状態を「ぺんぺん草が生える」とか「ぺんぺん草も生えない」と言います。昔から野菜としても食べられています。春から夏にかけて開花し、夏には枯れてしまう。ナズナという名前は「夏になくなる」が語源という節もあります。食べるのはロゼット状の冬芽です。
ゴギョウ
ゴギョウ(御形・ハハコグサ)は
キク科ハハコグサ属の二年草。冬はロゼット状で越冬し、若芽を食用にします。母子草という名前もあり、草餅に入れられていたが、母子草を臼と杵でつくのは良くないと、
ヨモギに変わったと言われています。
ハコベ(ハコベラ)
ハコベ(ハコベラ)は
ナデシコ科ハコベ属の2年草。畑や道端に生えていて、緑黄色野菜として食べられてきました。
ホトケノザ
ホトケノザ(仏の座・Lamium amplexicaule)は北海道〜沖縄に
シソ科オドリコソウ属の
一年草。田畑の畦に生えています。
種子にはエライオソームがついていてアリが運んで繁殖域を広げていきます。
スズナ(カブ)
スズナ(カブ)はアブラナ科の野菜。カブのこと。カブをスズナと呼ぶのはカブの形状を「錫製のツボ」に見立てて「錫+菜」が語源と言われていますが、語源はハッキリしていません。
スズシロ(大根)
スズシロ(大根)は大根の古い名前。スズシロは漢字で「清白」とも書くので、清々しい・涼しいほどの「白さ」が名前の由来とされますが、ハッキリしません。スズナの代用の「スズナ代(スズナシロ)」が語源とも。冬に取れる野菜の代表みたいなものです。
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歴史と由来
元々は人日(ジンジツ・一月七日)に七種の野菜が入った汁を食べる中国の風習が日本に伝わったもの。
正月の一日が鶏、二日が犬、三日が猪、四日が羊、五日が牛、六日が馬の日として、七日目は「人日(ジンジツ)」として、人を殺さない…つまり死刑執行を行わない日としていました。この日は同時に一年で最初に占いをする日であり、七種の野菜が入った汁…厳密に言うと現在の七草粥とは違うものを食すことで邪気をはらい無病息災を祈願していました。
この中国の風習が平安時代に日本に伝わりました。ですが、現在のようなセリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロといった初春の野菜を食べる風習が広まったのは江戸時代です。江戸幕府は一月七日に七草粥を食べることを公式行事として毎年行っていました。
ナズナ売り
現在では七草粥を自力で集める人はほとんど居なくなりましたが、昔は自力で集める人もいました。
「ナズナ売り 元はタダだと 値切られる」という川柳があります。
江戸時代にはナズナ売りという職業があったそうです。ナズナは七草粥でだけで食べられるのではなく、江戸時代では一般的な野菜で日常的に食べられ、しかも非常に安価だったそうです。
職業といっても、老人か子供がこずかい稼ぎにやる程度のもので、ナズナで財を成すというものではないですが、金銭でやり取りしていました。みんな、道端に生えていると知っていたのに、お金を払って買ったのです。ナズナ売りは「美味しいナズナが生える場所」を知っていたんだそうです。
セリと毒ゼリ
セリの仲間で、毒ゼリがあります。もちろん毒があり、食すと嘔吐、下痢、呼吸困難などの症状を起こし、死ぬこともあります。
セリは背が低いですが毒ゼリは1メートルほどに成長する。毒ゼリには独特の香りがある。毒ゼリの根本にはタケノコのような根塊がある。など見分けは付きますが、素人判断は危険なので、やめておきましょう。
最後に…
自力で集めることはないと思いますが、セリにはドクゼリという見た目が似た
毒草があり、危険です。誤食によって事故が起きやすい毒草を菜や野菜と共に羅列したページがあるので、よかったら見てください。
春の七草に対して
秋の七草もあります。春の七草は邪気を払って
病気にならないようにするもので、秋の七草は観賞用が並んでいますので、興味があれば見てください。
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