チャドクガ…剪定の時期と手順は?刺された時の対処は?
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チャドクガ(茶毒蛾)とは
チャドクガとは毒蛾の一種で、幼虫が茶の木を含む
ツバキ科の
ツバキ・
サザンカ・
ヒメシャラ・
ナツツバキなどの葉を食害します。もれなくというと言い過ぎかもしれませんが、そのうちやられ、一度発生したら毎年チャドクガとの戦いになります。
この幼虫が画像のような「毛虫」で、毛に毒があり、刺されるとかぶれて非常に痒いのです。かぶれると一ヶ月ほどずっと痒いこともあります。その上に見た目がエグイ。何十匹も並んで葉っぱを食べる様子は身の毛もよだちます。
また、食欲旺盛で放置しているとあっという間に庭木が丸裸になりますので、安全性の観点からも、園芸鑑賞上の観点からも、とにかく早めの対処と予防が大事です。
●ヒメシャラ・ナツツバキはツバキ・サザンカに比べると発生しづらい。
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チャドクガの注意点
毛には毒が
チャドクガは非常に細かい毒針に覆われていて、それが刺さるとかぶれます。この毒針は非常に小さく、目に見えないほどです。この毒針が気がつかないうちに服に付着して、それが衣服の着脱の際に刺さったり、軽く触れて刺さったものを、痒いからと掻いていると範囲が広がって悪化することもあります。洗濯物を干していて付着することもあります。
チャドクガの死骸にも毒が
農薬で殺しても、その死骸にも毒針があり、うかつに触れるとかぶれます。この死骸を犬猫が触り、飼い主が二次被害にあうということもよくあります。
毒針は壊れやすく、風にも舞う
毒針は折れやすく、風に舞い、誰かが吸い込んで気管が腫れて入院なんてこともあります。とにかく触らないようにしましょう。
剪定などをしたら、木屑とチャドクガは袋に入れてすぐに廃棄しましょう。そこいらへんに放置してはダメです。
成虫にも毒が、タマゴにも毒が
成虫はあまり活動的ではないので、幼虫ほどは見かけませんが、やっぱり毛が生えており、毒があります。タマゴにはこの成虫の体毛=毒針が付着しているのでやっぱり毒があります。
チャドクガに触れてしまった場合の処置
毛が体に刺さったら、こすらず掻かず、ガムテープを優しく貼り付けて引っ剥がして、毛をできるだけ取り除き、すぐに捨ててしまいましょう。掻くと毒毛が深く入ったり、広がって悪化します。また、すぐにシャワーや流水で患部を洗い流しましょう。そして病院へ。完治までは二週間ほどかかります。
どうしても患部を掻きたくなる場合は、冷水に当てたり、氷水をビニール袋に入れて、患部に当てましょう。
毛がついた衣服は他の衣服と一緒に洗濯機で洗わないでください。洗うと毛が他の服にうつって被害が広がってしまいます。まずは、衣服にガムテープを貼り付けて剥がしたり、コロコロで毛を取り除きます。その上で毒は50度以上で効果が弱まるので、アイロンがけをします。その毛がついた衣服だけで洗濯機を回してください。できれば複数回、洗濯機を回しましょう。
駆除方法:剪定
チャドクガの生育サイクル
剪定はチャドクガの駆除・予防に効果があります。
剪定をする前に、まずはチャドクガの生育サイクルについて知っておきましょう。チャドクガは卵で越冬し、幼虫は4月〜5月と9月〜10月の2度発生し、それぞれ7月と10月に成虫になります。10月の成虫が卵を産み付けて、卵で冬を越して春に毛虫になります。
そこで、卵の状態の3月と8月に剪定する。葉っぱの裏の卵を枝ごと取り除いて廃棄することで発生を抑えます。
剪定の目的
春先(3月)に剪定をすることで生みつけたタマゴを駆除できます。取り除くことで4月〜5月の発生を抑えられ、春の発生を抑えられれば、秋の発生も抑えられます。
もう一つ大事な理由があります。
剪定して枝をさばいて風通しをよくすることで
天敵(
アシナガバチや小鳥など)がチャドクガを食べやすくします。枝が混み合っていると特に小鳥が入り込めません。都市部でこそチャドクガを見かけ、山の中のツバキがチャドクガだらけにならないのは近くに天敵(主に鳥)がいるからです。
●シジュウカラ、カッコウ、ツツドリ、
ホトトギス、ジュウイチ、コゲラなどが食べる。巣箱を設置して水場をつくると呼び寄せることもできます。
3月の剪定
ツバキ科の植物は大抵は春に
花芽をつけますので、コレ以前(3月)に剪定して卵を取り除きましょう。剪定をする前にゴム手袋(軍手じゃなくてゴムで)、首にはタオル、防塵めがね(ゴーグル)、マスクをしてフードで頭…というか髪の毛も守った上で立ち向かいましょう。
葉っぱの裏に黄色い卵が見えたら、枝ごと切り取ってください。細々と剪定するのではなくてバッサリいきましょう。枝(と卵)は袋やダンボールに入れて燃えるゴミの日に出します。卵にも毒毛がありますので、卵に触れないように気を付けてください。
間に合わずチャドクガの幼虫が発生してしまったら、完全防護して、幼虫が小さいうちに剪定をします。幼虫は基本的に集団行動します。一匹だけ見かけたら、他の場所に幼虫が分散していると考えてよく探してください。幼虫がついた枝ごと切り、ダンボールやビニール袋に幼虫ごとそっと入れて、燃えるゴミの日に出してしまいます。チャドクガの死体が乾燥して、風に舞ってとんでもないことになりますので、放置しないように。
ただし大量にビッシリと発生した場合は専門業者に相談しましょう。
●風の強い日は剪定しない。毒針が風に飛んでしまうので。
●早期発見早期駆除が必須。
●剪定が終わったら、服はコロコロなどで毛を取り除き、アイロンをかけて「その衣服だけで他の衣服を入れずに」洗濯し、シャワーを浴びること。
8月の剪定
春(4月〜5月)に発生したチャドクガが成虫になり、7月〜8月に卵を産み付けています。これが9月〜10月にも孵化してチャドクガが発生しますので、8月に同様にチャドクガの卵を取り除くための剪定をします。
3月と違って、真夏ですが同様に、ゴム手袋・長袖・長ズボン・ゴーグル・首タオル・マスク・フード(帽子)の完全防備で挑みます。やることは同じで、葉っぱに卵がついていたら枝を落として袋に入れて、ゴミの日に出します。
駆除方法:薬剤散布
チャドクガの毛を固めて殺す薬剤がおすすめです。チャドクガの毒針は農薬で殺してしまっても、毒は消えず、折れて風に乗って気管に入るなどすると大変なことになります。そこで殺すだけでなく、毒針を固めてしまう殺虫剤がオススメです。
発生前に剪定するのがベター。一番いいのはツバキ科の植物を植えないこと。
チャドクガの薬剤
チャドクガ毒針毛固着剤
基本的にこの固着剤の入ったものを使って駆除する。固めて殺して、葉っぱごとゴミ袋に入れて廃棄する。一般的な毛虫・芋虫に効果のある殺虫剤もチャクドクガに効果はあるが、毒毛が残ってしまうため、二次被害が発生しやすいのでこれを使うべき。
オルトラン
オルトランは植物に染み込んで、その植物を食べた虫に効果があるため、産卵はされ、幼虫は発生する。植物を食べた幼虫は死ぬが、毒針が残るので注意する。
最後に
ガーデニングと虫は切っても切り離せないものです。ある程度は仕方ないですよね。ただ、チャドクガは別格です。他にも虫が集まりやすい植物を植えていないか、以下のページでチェックしてみてください。
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