ミヤマビャクシンの育て方

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ミヤマビャクシンの基礎データ

ミヤマビャクシン
科名
ヒノキ科
属名
ビャクシン属
学名
Juniperus chinensis var. sargentii
別名
深山柏槙、真柏
水やり
水控え目
場所
外の半日蔭
難易度
中級者向け
ミヤマビャクシンの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

ミヤマビャクシン(真柏)の特徴は?

ミヤマビャクシン:ミヤマビャクシン(真柏)の特徴は?

ミヤマビャクシン:ミヤマビャクシン(真柏)の特徴は?
ミヤマビャクシンは明治に愛媛県の石鎚山で発見されたヒノキ科ビャクシン属のイブキ(ビャクシン)の変種。石鎚山のミヤマビャクシンは絶滅。その後、糸魚川の奥などで発見され、現在は糸魚川系と紀州系が流通している。日本の岩場などに自生する(というかかつてしていたというべきか)。

葉っぱが密生し、成長が非常に遅く、盆栽で栽培されることが多い。

山の中で採取されたこともあって深山と呼ばれる。現在は乱獲されて天然のミヤマビャクシンはほぼ見られなくなった。

イブキと違い、匍匐して伸びるため樹高は50cm〜60cm程度とかなり低くしかならない。

盆栽に仕立てられたものを「真柏(シンパク)」と呼びます。真柏は曲げにも強く、ジン・シャリの色合いのコントラスト、葉っぱの細かさ、また、栽培が容易なところも人気です。
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水やり

ミヤマビャクシンは水を好む植物ですが、水は控えることで葉っぱが短く密生しやすいので水やりを控えることが多いです。ですが、盆栽仕立てにしている場合、そもそも土が少なく水やりを控えすぎると枯れることもあるので、気をつけます。甘すぎず、辛すぎずです。

春〜秋は朝夕二回の水やり。冬は三日に1回の水やりをします。水やりのときは葉っぱにしっかりと水を吹きかけましょう。葉っぱに水をかけることが病害虫の予防にもなります。
岩に植え付けたものは、植え替えは不要ですが、水切れしやすいので注意しましょう。

根腐れと多肥で枯らすことが多いです。土を水捌けのよいものにし、赤玉土が劣化しているなら植え替えをして新しくしましょう。

肥料

気温が20度〜25度くらいの間にあたる春(4月〜6月)と秋(9月下旬〜10月)は化成肥料を春秋1回づつ少量やるか、その時期に2週に一回、薄めた液体肥料をやります。

肥料が多いと葉っぱが徒長して杉葉になり不恰好になりますし、そもそも高山の岩場に自生するミヤマビャクシンですから、肥料が多くある環境ではないことを考えると多肥はよくないと分かります。まずは液体肥料をやりつつ様子を見て、感覚を掴んでいくといいです。

もしも杉葉が出た場合は、肥料を止めて様子を見てください。
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7月以降に施肥するべき!って人もいる。この辺りは個人の意見もあるし、個体差もあり、ハッキリしないが上記のように春と秋がセオリーとされます。

植え替え

時期・頻度

春(3月〜5月)か秋(9月)に植え替えをします。2年に一回は植え替えをします。根の生育の良い幼木は少し早めに植え替えるといいです。

植え替えの時期に関しては厳密ではなく、よく言われるのは秋ですが、季節なんて気にしない!冬がいい!と結構いろんな意見があるところを見ると、多少の差であって厳密ではないので、多少上記の時期からズレても気にしないでいいです。

用土

盆栽の土で植え替えるといいです。もしくは赤玉土極小粒6に桐生砂か川砂を4ほど混ぜたものにします。

ミヤマビャクシンは酸性の土が苦手です。肥料が多かったり、雨に当たっていると土壌が徐々に酸性に傾きますので、様子を見て苦土石灰・草木灰をやるか、土壌酸度計で計測して判断します。もしくは植え付けの用土に竹炭を細かく砕いたものを入れます。
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植え替えの手順は?

古い鉢から株を取り出し、根をほぐして根を3分の1ほど切り落とします。特に変色した根は痛んでいるので取り除きます。また古い土は劣化しているので、落として根をほぐします。

鉢植えの底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやります。
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植え替え後は植え替えのダメージで生育が止まっているので、肥料はやらず、できれば木陰で2週間ほど養生するといいです。
植え替えの際に根を多く切ると杉葉が出やすい。根を整理するなら3分の1を限界にしておくといいです。

植え替えの前に乾燥させておいたほうが、土は落としやすく、根を整理しやすいです。

管理場所

高山の植物なので、風通しの良い日当たりで栽培します。夏の暑さには強いです。日光が不足すると杉葉が出るので注意します。

寒さにも強いので、防寒は不要ですが、霜に当たると葉っぱが枯れ込むことがあります。ただ、本来、ミヤマビャクシンは高山で厳しい環境の中で育ち、だからこそ綺麗な幹や葉に育つのですから、霜には多少は当てたほうがいいです。何度か霜に当てたら、軒下に入れるといいです。

年間作業

芽摘み(5月〜10月)

ミヤマビャクシンは細かく葉を出させることが大事です。新芽で飛び出したものを、指で詰みます。ハサミで刈ると良くないとされますが、一気に刈り込んでしまうと新しい葉っぱが出なくなるだけで、ハサミが悪いのではないです。葉が伸びたら細めに摘むようにします。

葉すかし(7月〜10月)

芽摘みで密生させると、今度はバランスが悪くなります。葉っぱが多い枝と、少ない枝が生まれてしまいます。そこで、葉っぱが多い枝の葉っぱをすいたり、場合によっては枝を落とすなどしてバランスをとります。何がバランスで答えなのかは、なんとも言えないです。

この葉すかしは新芽が出揃って落ち着いた7月〜10月に行います。
強い剪定をすると杉葉が出やすい。様子を見て判断しましょう。

針金かけ(秋か2月〜3月)

9月以降、涼しくなってきたら針金かけをして樹形を調節できるようになります。理想は2月〜3月でこの頃であれば、多少のダメージは春以降に取り戻せます。
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茶色の葉が出る?

春や秋の生育時期になると、生育する代わりに古い葉っぱは茶色になって落ちるもので、(他に問題がないならば)健康的な生理現象で問題ありません。むしって、綺麗にしてあげましょう。

杉葉が出る要因

ミヤマビャクシンの魅力は密生した葉っぱです。ここにヒョロッと長い杉葉が出ることがあり、出ると不恰好になってしまいます。杉葉が出るのはいくつか要因があります。
肥料が多い
水が少ない
水が多い
強い剪定をした
植え替えの際に根を多く切った
土が酸性になった
日光不足

上記のもの以外にも、複合的にストレスをかけると発生します。例えば植え替えと剪定を同時にするなどです。

解決の方法としては、上記の条件を改善して「様子を見る」以外にはないです。戻るのに時間がかかるものなので、その辺りは諦めて長い目で見ることにしましょう。

病害虫

たまにイモムシが発生します。盆栽で栽培している場合、株が小さいので薬剤を使うより補殺するといいです。

サビ病が発生することがあります。サビ病が発生したら石灰硫黄合剤を冬に散布するといいです。
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