サビ病(錆病)の予防と薬剤の紹介
目次
サビ病予防 株を健康にして防除 中間宿主の排除駆除 薬剤雑記関連記事スポンサーリンク
サビ病
サビ病とは植物に寄生する菌でカビの一種のうちPuccinia(プクシニア)属のもの。葉の表に褐色・白・赤・黒く変色する部位が見られ、そこから胞子を飛ばして他の場所へと感染していく。症状が進むと葉っぱ・茎が変形して歪んで、ねじれるなどし、生育が悪くなり、枯れていく。
植物によって発症するサビ病は違うが、サビ病には7000種以上の菌があるり、多くの植物で発症する。発症すると落葉しやすく、被害が大きくなる。9度〜18度と気温が低い時期で発生しやすく、24度を超えると増殖が抑えられる。春から秋のうち特に4月〜6月と10月に発生する。
●サビ病の胞子は2km以上も飛び、広がるため、完全に予防することは難しい。
●重曹を0.1%の濃度に薄めて散布するとサビ病に効果があります。
スポンサーリンク
予防
株を健康にして防除
肥料過多・肥料不足で発生しやすいとされ、肥料を適度に与えて、日光・風通しを考慮して株を健康に保つことで予防できます。これはサビ病だけでなく、ほとんどの病
害虫に言えるのですが、環境が悪いと病害虫が発生しやすいので、とにかく健康に保つことが予防になります。
窒素が多いと株が弱るので窒素過多に注意します。
中間宿主の排除
サビ病は同種寄生菌という同じ植物で寄生するものと、異種寄生菌という複数の植物に寄生するものがある。異種寄生菌には中間宿主があり、中間宿主で冬を過ごして、春になると別の寄生植物で繁殖するという、なかなか厄介なサイクルを持っている。
異種寄生菌では、目の前の植物の殺菌をしても、その中間宿主が近くにあると被害がおさまりません。サビ病の一種である
赤星病はナシ・リンゴなどの果実に被害があるため、中間宿主である
ビャクシン属の樹木の栽培を禁じている自治体もあります。
中間宿主左が中間宿主
スズタケ→
アジサイ
ヘクソカズラ→シバ
カタバミ→
トウモロコシ
アワブキ→ブドウ
コアカソ→
ベゴニア
アキ
カラマツ→小麦
ビャクシン→ナシ
駆除
サビ病が発生したら、すぐに発症箇所を取り除き廃棄して、殺菌剤を散布します。これが次の発症を抑えます。殺菌剤は三つをローテーションで使うと耐性がつきづらいです。
薬剤
サブロール乳剤
サビ病以外に
ウドンコ病などにも効果のある薬剤。予防効果と治療効果の両方に効果がある。
https://www.kumiai-chem.co.jp/products/document/sapurol_em.html
ダコニール
耐性のつきづらい殺菌剤。苗立ち枯れ病やウドンコ病、
炭そ病、
ベト病などの
病気に効果のある薬剤です。
http://www.greenjapan.co.jp/dakonil1000_f.htm
カリグリーン
ウドンコ病、サビ病、
灰色カビ病などに効果がある。炭酸水素
カリウムが成分で、人間に影響が少なく、他の
ミツバチといった
天敵にも影響がない。また、カリウムは土にかえると肥料成分になる。
http://www.greenjapan.co.jp/karigrin_s.htm
サンケイエムダイファー
ベト病、灰色カビ病などの他の病気にも効果のある殺菌剤。
https://www.kumiai-chem.co.jp/products/document/emdifer_wp.html雑記
灰色カビ病
灰色カビ病は湿度が高い、低温時期に発生する。花に灰色のカビが発生する。風通しをよくすることで予防でき、殺菌するとよいです。原因はボトリティス・シネレアというカビが原因。
黒サビ病
葉の表には黄緑・褐色の斑点が出て、その葉裏には黒い斑点が見られる。ムギ・キクで見られる。
白サビ病
葉の表には斑点が、葉裏には白いイボのような盛り上がりのある斑点が見られる。
アブラナ科で見られる。白サビ病はアルプゴ属の菌なのでサビ病には属さないともされる。
スポンサーリンク
関連記事
病害虫