カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の育て方
目次
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の特徴は?水やり肥料植え付け・植えかえ管理場所・日当たり病害虫剪定・切り戻し最後に…関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- カイヅカイブキ
- 科名
- ヒノキ科
- 属名
- ビャクシン属
- 学名
- Juniperus chinensis var.Kaizuka
- 別名
- 貝塚伊吹・龍柏
- 耐寒
- マイナス30度
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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カイヅカイブキ(貝塚伊吹)の特徴は?
カイヅカイブキ(貝塚伊吹)は
ヒノキ科ビャクシン属の常緑高木の
イブキビャクシンの
園芸品種。大阪の貝塚(地名)で作られたのが名前の由来。伊吹は「
伊吹柏槇(イブキビャクシン)」の略。
イブキビャクシンが針状の葉っぱをつけるのに対して、カイヅカイブキは生育してくると葉っぱがトゲじゃなくなる。また、カイヅカイブキは枝が螺旋上に伸び、炎のように波打つ樹形を作るのが特徴。ただしこの樹形を楽しむには大きな敷地が必要。
潮風・乾燥・排気ガスに強く、乾燥に強く、庭植えにしたら
水やりはほとんど不要。葉っぱが密生し、
病気も少ないので生垣によく利用される。昭和には庭木によく植えられたが、
剪定作業が面倒なのと、大きくなりすぎるので、植えられなくなった。斑入り品種もある。春に花が咲くが目立たず、鑑賞するものじゃないです。
ナシの病気である赤星病を媒介するために地域によっては植えてはいけないので、自治体のホームページで確認する。
樹高高さ10m 横6m
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水やり
カイヅカイブキは乾燥に強い植物で、庭植えの場合は一旦根付いてしまえば自然に降る雨だけでほぼ十分。日照りの時に水をやる程度です。むしろ水やりが多いと徒長したり
根腐れすることもある。
肥料
肥沃な土地だと徒長しやすいし、
肥料がなくても育つ。どうにも肥料不足で葉っぱの密度が低いとか、生育が遅すぎるなどあれば2月に寒肥として緩効性肥料をやる。
肥料があると葉っぱがよく出る。しかし、肥料があると枝が伸びて全体が乱れる。様子を見て肥料を調節してください。
植え付け・植えかえ
時期
植え付け時期は春(3月4月)か秋(9月10月)。最も適しているのは春。
用土
土質は選ばない。常識的な
水はけがあれば、やせ地でも育ちます。ただし、葉が少ないので植える時は有機物(
腐葉土)を足してください。
水はけが悪いと根腐れを起こします。掘り起こして水が染み出すようなら植えない方がいい。粘土質ならば川砂・
軽石・腐葉土を足して土壌改良をしてから植える。アルカリ性土壌でも耐性がある。
肥えた土地だと徒長しやすいので、痩せ地の方が適している。
他の樹木では生育しないような場所でもカイヅカイブキなら育つくらいに強い植物。
庭植え・地植え
庭植え・地植えにしかしないものです。
庭土を根鉢の二倍か三倍の深さと大きさの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か
堆肥を3割か4割混ぜて、半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。深植えしないようにしてくださ。苗の土面と庭の土面が同じ高さであればいいです。
管理場所・日当たり
日当たりで育てる。日光の当たらないところでは徒長したり、葉っぱが枯れこむ。足元の日光が当たらないところも枯れこむくらい。
半日陰には植えない。夏の直射日光で
葉焼けすることはないです。
北海道南部でも戸外で越冬できるほど寒さに強く、大気汚染にも強い。
病害虫
赤星病・
ハダニ・
アブラムシ・
カイガラムシ・
スギドクガなど。
剪定・切り戻し
カイヅカイブキは枝が螺旋上に伸び、炎のように波打つ。この樹形を楽しむにはかなり広い敷地が必要で一般家庭でには適さない。一般家庭で育てる場合、樹高は3m4mがギリギリ。この高さを維持するには剪定して抑えるほかなく、そうなると炎のような樹形は楽しめない。普通は自然な樹形は諦めて、萌芽力を生かして剪定して好きな樹形(円錐形とか)に整えるものです。
このページでは「小さく抑えること」を前提とした記述をしていきます。放置できる巨大な敷地があるのであれば無視していいです。ちなみに放置して伸ばすと花が咲いて、結実します。
毎年剪定する。カイヅカイブキは幼木の時と成長した時とで生育する速度があまり変わらないので、毎年同じだけ剪定して形を整えるようにする。チョキチョキと軽く切る剪定なら剪定時期はいつでもいいです。春でも夏でも冬でもかまいません。大事なのは「一年に一回必ず剪定する」こと。「何年かに一回、まとめてやる」ってのはよくない。
●太い枝を落としたり、たくさん葉っぱを落とすことを「強剪定」と言います。強めに剪定する場合は、新芽が動き始める春の5月に剪定する。5月にすると、春以降の生育時期に、落とした分がすぐに回復します。
手順
完成形を思い浮かべて、芯が複数出てくるので、適切な芯だけを残します。邪魔な枝を落とし、枝を
切り戻します。また、葉っぱの先をチョキチョキ切って整形していきます。好きな形に整えることができます。
現在の枝を切り詰めることで、内部まで日光が入り、新しい枝や葉っぱが出てくるので、次の剪定でその新しい枝を残して株全体を小さくまとめることができます。
剪定のコツ
枝が伸びると、幹に近い部分の日光が入らないところは葉っぱが出なくなります。ここで葉っぱがないところまで枝を切り詰めると葉っぱが出ない(出にくい)ので、枝に「葉っぱが残るように」剪定します。
葉っぱを全く残さずに枝を残すと、その枝が枯れる(枯れやすい)ので、とにかく葉っぱを起こすようにします。
一気に小さくまとめることは出来ない
上記のように枝を切り詰めていくことで、カイヅカイブキを小さくまとめることは出来ます。大きく徒長したものを小さくもできますが、一回の剪定で小さくするのではなく、何回か剪定して…つまり数年かけて剪定して小さくしていきます。
強い剪定するとトゲトゲ葉が出る?
強い剪定をすると…太い枝をバッサリと切ると葉っぱが先祖返りしてトゲトゲになりやすいです。トゲトゲの針葉の方が生育がよく、カイヅカイブキのトゲのないウロコ状の葉っぱを駆逐してしまいます。トゲトゲの葉っぱを出さないようにするためにも毎年、細かく剪定した方がいいです。また、トゲトゲの葉っぱは出たら速攻で取り除いてやります。
●幼木の時はカイヅカイブキでもトゲトゲの葉っぱなので間違って切らないように。
●トゲトゲもウロコ状の葉っぱもどちらも「カイヅカイブキ」の葉っぱで先祖返りではないらしい。幼木の時の葉っぱがトゲトゲなことを考えると2種の葉っぱを持っているのが実際だと思われる。ただし一般的にはトゲトゲは出さないように管理する。
最後に…
カイヅカイブキは頑健でよく生育し、手間がかからず、葉っぱが密生して剪定に耐えるので、生垣、庭木としてよく利用されます。ただ、あんまりに公共設備などで見かけるので、個性がないなぁと思うかもしれません。
他に
シンボルツリーに適した庭木は
シンボルツリーのページにまとめてありますので参考にしてください。
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