シンボルツリーに人気の庭木の一覧と性質を解説
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シンボルツリーってなに?
シンボルツリーって何なんでしょう。日本語で言うと「記念樹」、らしいですが、実際の意味合いはちょっと違うよう。実際には家を象徴するような庭樹のことで、庭に植えることで「家」を引き立てるのが一番の目的です。
シンボルツリーの意味・目的
シンボルツリーの目的には「緑」「季節を感じられる」「単純に大きな樹が欲しい」…そういう理由もあります。
でもそれだけでは無い、と思います。樹木は境目を象徴するものではありますが、壁ほどは隔絶しません。日本人にとって適度な境…隣家との境、内部と外部の境、家族と社会の境が「木」であり、シンボルツリーなんじゃないかと思っています。
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シンボルツリーの条件は?
季節感
シンボルツリーには季節を感じられるものが好まれます。春に芽吹き、開花し、実を鑑賞し、
紅葉し、落葉すると春夏秋冬を感じられます。
開花すると香りがする植物もあります。その香りは人によっては不快かもしれません。落葉するってことは掃除の手間が発生します。ある程度は理解した上で選びましょう。
手間がかからないもの
栽培の手間がかからないことが大事です。
剪定をしなくても自然に綺麗な樹形になったり、剪定しなくても開花するといったものが好ましいです。また、生育が遅いか、樹高が低く…2m前後にまとまるものが理想ですが、生育が遅いということは「望んだ高さ」になるのに時間がかかり、ある程度の大きさに育った苗を買わなくちゃいけません。ところが、そういう生育の遅い苗木って「高価」なんですよ。
なので、樹高が3m〜5mになるけど、剪定で抑えられる程度で、生育は遅くないものを植える方が現実的です。生育が早いものであれば、多少剪定をミスっても取り返せますからね。
トゲがないもの・迷惑をかけないもの
トゲがないものにしましょう。とはいえ、庭内に植える場合で、理解している上であれば問題はないです。問題は、管理しきれず、庭からはみ出した場合です。こうなると近くを通る人にとって危険です。
また、繁殖力が強すぎて、近所に迷惑をかけるものもあります。
あなたの地域の環境に合った植物を
あなたの地域に適した植物を植えましょう。一番無難なのは近所を歩いて、庭木をチェックして…よくわからないなら、その家の人に種類を聞いて、同じ庭木を植えるといいです。これだとまず失敗はないです。
あとは、以下の植物の解説ページをチェックしてから、判断します。日本に自生している植物だと無難です。
あとはお好みで…
やっぱり大事なのは、好きな庭木を植えることです。
ところで、大抵の植物には「斑入り種」があり、斑入り種はかなり綺麗です。斑入り種は
葉焼けしやすいですし、緑種よりも弱い性質があるのですが、他の人と同じシンボルツリーが嫌なら選択肢に入れるといいですよ。
おすすめのシンボルツリー
ハナミズキ(
花水木)・
ヤマボウシ(
山法師)は
ミズキ科の落葉高木。夏の極端な乾燥を嫌いますが、頑健な部類。寒さにも強く手間も掛らないです。
どちらも
樹高が5m以上になり、花が上に向いて咲くので、成長すると花が見にくくなりますし、横に伸びる性質があり、素人には剪定が難しいことから、最近はあまり好まれないが、剪定して2m以下に抑えれば、花も綺麗で、秋に紅葉し、冬は落葉する季節を感じられるので、まだまだシンボルツリーの候補になる庭木です。
カエデ(
モミジ)は
ムクロジ科の落葉樹。秋の紅葉は目を見張るものがあり、季節を感じられるのですが、もともと水辺に生える植物で乾燥に弱く、夏に水切れを起こして生育不良を起こしたり、葉っぱがチリチリになることがあるので注意します。
半日陰の場所に植えましょう。
トキワマンサクは
マンサク科の常緑樹。寒さには弱いので関東以西でしか庭植えにできません。中でも
ベニバナトキワマンサクは樹高2m〜3mと低めで、春にビッシリと開花するので、シンボルツリーの候補としてどうぞ。ただ、あまりの開花量で「しつこい」と思うかもしれません。
オリーブは
モクセイ科の常緑樹。樹高は高くなるが、幹が細くて、剪定もしやすい。ノアの方舟で、ハトがオリーブの枝を咥えて持ってきたことから、平和の象徴とされています。若干寒さに弱く、
中間地でも寒波がくると枯れることがあります。
ナツツバキ(シャラ)・
ヒメシャラは夏に開花する
ツバキ科の落葉樹。葉の明るい色合いと白い花、紅葉・落葉と季節を感じられ、シンボルツリーとしては人気があります。ただし、他の
ツバキ類ほどではないですが、
チャドクガが発生することがあります。
ツリバナは
ニシキギ科の春に開花し、秋には真っ赤な実をつける
マユミに似た落葉樹。独特な花・実が楚々としていて、洋風・和風を問わず雰囲気を壊さないのが人気。最近、ショッピングモールなんかでも見かけます。北海道から九州まで自生する植物なので、栽培は容易です。ただし、乾燥に若干弱いので注意してください。
サルスベリは
ミソハギ科の落葉樹。昔からよく植えられている庭木で、真夏の猛暑の中で派手な花を咲かせ、秋に紅葉し、冬は落葉する。同じ位置で剪定し、コブができる。落葉すると、このコブが見えて、これが不恰好に思うかもしれません。
ブルーベリーはツツジ科の落葉樹で果樹。一般的には収穫を目指すものですが、実は鳥にあげるとして、花・実・紅葉・落葉と季節を感じられるシンボルツリーとして割り切るのも「あり」です。
酸性の土を好み、
弱酸性〜中性・アルカリだと生育不良を起こすので、土を酸性に保つ必要があります。
同じツツジ科で性質の近い、
ナツハゼもおすすめです。
ギンモクセイ・
キンモクセイはモクセイ科の常緑樹。トイレの芳香剤のイメージがある人もいますが、生育が早いが剪定で大きさも抑えられて管理もしやすいので、定番かつ、人気のシンボルツリーです。
エゴノキは
エゴノキ科の落葉樹。白い花が咲き甘い香りがします。その後、実が成りますが食べられない。庭植えしても若いうちは水切れが起きやすく、切れると葉っぱの先から枯れこんできます。
ただし樹高が5m以上になるので、剪定で小さくまとめておかないと厳しいです。
ハイノキは
ハイノキ科の常緑樹。樹高は10mとかなり大きくなるんですが、成長が遅いので、大きめの木を買って植えて、気長に栽培していくといいです。
カツラは
カツラ科の落葉樹。日本に自生し、街路樹にも植えられるほど強い。葉っぱがハート型でかわいらしいのでシンボルツリーに選ばれることも。成長が早く、小さくまとめられないなら植えない方がいいです。
トネリコは小さい葉っぱと頑健な性質で人気のシンボルツリーです。ただし庭樹としては冬の寒さに弱いので植えるならば地域を選びます。近所に植えている家がないか見て判断しましょう。成長が早く、家より大きく育ちますが、幹が細いので、圧迫感はない。
ただ、生育が早く、手に追えない大きさに育つため、造園業者の「伐採依頼」が多い庭木でもあります。また、種を落としてあちこちから、
シマトネリコが生えてくるということがあります。
ソヨゴは
モチノキ科の常緑樹。風にそよぐ様子から「ソヨゴ」。そろばんの珠の材料になります。真夏の直射日光に弱く、半日陰が適地。赤い実が成るのも魅力。
アオキは
アオキ科の常緑樹。樹高が1m前後と低く、育てやすい木で、よく植えられています。半日陰を好み、日光が強いと葉焼けすることがあります。植えるなら斑入り種を植えましょう。
コニファー
コニファーは
ヒノキ科・
マツ科・
スギ科などの
針葉樹のこと。日本では
ゴールドクレストがよく流通していたんですが、日本の気候にあっていないため、最近は植えられない。非常に多くの品種があるので、植える場合は近隣の造園業者に相談した方がいいです。
イブキはヒノキ科
ビャクシン属の常緑樹。イブキ自体は植えられないが、うねりながら成長する
カイヅカイブキは公共設備などで非常に良く見られる。イブキ=カイヅカイブキと言っても差し支えないくらいです。
昭和では庭木として目隠しによく利用されていましたが、圧迫感があるのと、剪定をしないと手に余る大きさになるため、植えられなくなっています。
上記のコニファー以外では、
コロラドビャクシン・
ハイネズの
園芸品種が日本に適しているのでこれを植えましょう。ただコロラドビャクシンは
赤星病の中間宿主になっていて、地域によっては栽培禁止になっていますので、地域の自治体のHPをチェックしてから植えましょう。
最後に…
シンボルツリーの候補として参考になりましたか?地域によっては栽培できないものあるので詳細は各解説ページを参考にしてください。単に庭木に植えられる樹木は
にまとめているので、参考にしてください。
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