ゴールドクレストの育て方
目次
ゴールドクレストの特徴は?庭植えの水やり鉢植えの水やり肥料植え付け・植え替え庭植えの植え付け場所鉢植えの管理場所病害虫剪定由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ゴールドクレスト
- 科名
- ヒノキ科
- 属名
- イトスギ属
- 学名
- Cupressus macrocarpa Goldcrest
- 耐寒
- 0度
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 上級者向け
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ゴールドクレストの特徴は?
ゴールドクレストは
ヒノキ科の
モントレーイトスギの
園芸品種。常緑高木の
針葉樹(
コニファー)。増やしやすく安価なため日本ではよく出回っていたが、いろいろと理由が重なって非常に枯れやすい。そのせいで生産量が落ちている。たまに2mくらいに成長したゴールドクレストを育てているガーデナーがいますが、あれはすごいです。
日本の気候に合っていないので長く生育はしない。庭植えはオススメしない。よって最近は生産量が落ちている。代わりに
ゴールドライダーをどうぞ。
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庭植えの水やり
庭植えにした場合は基本的には自然に降る雨だけで十分。日照りの時に
水やりする程度。ただし、ゴールドクレストは根が浅く、庭植えであっても乾燥しやすいので、様子を見て水やりをしてください。
また植え付けして一年か二年は根が張り切っておらず、水切れしやすいので注意してください。2年以内は庭植えでも様子を見て水やりをしましょう。
水切れしたときの症状は?
乾燥して水切れすると、葉っぱの先がカサカサになってしまいます。これは吸い上げる水が葉っぱの先まで届いていないためです。春~秋…特に夏は水切れしないように気をつけてください。
泥ハネして葉っぱが枯れ込むときは?
庭で管理していると、雨や水やりで跳ねた泥が葉っぱに着き、それがもとで葉っぱが枯れて来ます。これは土中の雑菌に感染することが原因です。泥はね防止にゴールドクレストの根本にバーグ(木のチップ)を敷いておくと泥ハネ防止をしつつ、見た目もかっこいいです。
枯れ防止のためにするべきことは?
ゴールドクレストは蒸れやすいのに、乾燥で枯れ込みやすい…そりゃうまくいかないですわな。対策としては
剪定して、風通しを良くしつつ、葉っぱを減らして乾燥・蒸れ対策をするといいです。
鉢植えの水やり
鉢植えの場合は、土が乾いてから水をやるようにします。土が濡れているのに水をやるようにしていると根が腐ります。受け皿をしている場合は、水が溜まらないように水を捨ててください。
冬の水やり
冬は生育が鈍くなりますので、水は控えてください。水を吸い上げにくくなり、水分が蒸発しにくく、土中の水が残りやすいので水やりは控えめにします。土が乾いてから数日経って水やりをするようにします。よくわからない場合は、
土壌水分計で測ってから水やりの判断をするといいです。
肥料
鉢植えの肥料
鉢植えは3月と6月に一回づつ化成
肥料を鉢のフチの近くに置きます。もしくは春から夏にかけて液体肥料を二週に一回やる。
庭植えの肥料
庭植えの場合は3月にやってください。化成肥料であれば、説明書きの規定量を周囲にまきます。
油粕の場合は、株の周囲に根が当たらないように離れたところに深さ20cmの穴を数カ所に掘って埋める。
植え付け・植え替え
時期・頻度
理想は新しく活動を始める3月〜4月。次点で活動が鈍くなる秋。
鉢植えは2年に一回程度植え替えをする。鉢の底から根が出ていたら
根詰まりのサインです。植え替えるときは根鉢を崩さず、一回り大きな鉢に植え替えてください。
用土
鉢植えで、室内管理するのなら、匂いの少ない
観葉植物用の土を利用するといいです。戸外で栽培するなら一般的な
培養土に
パーライトを1割混ぜたものか、自作する場合は
赤玉土(小粒)6
腐葉土3パーライト1を混ぜたものを使います。
庭植えの場合は庭土に腐葉土か
堆肥を追加して、
用土とします。庭土の
水はけが悪いなら、川砂・
軽石小粒・パーライトなどを入れて水はけをよくして植えましょう。
鉢植え
苗より一回り大きな鉢を用意して、そこに植えつけます。鉢底の穴に鉢底ネット(鉢底網)を敷いて土が流出しないようにし、網の上に鉢底石(軽石)を2センチから3センチほど敷き、その上に土を入れて、ゴールドクレストの苗を置き、隙間に土を詰めて、最後に水をやって完成です。
苗の土は崩さないでください。根を傷つけると生育不良を起こします。
植え替えをするときは、現在の鉢より一回り大きな鉢を用意します。ひと回りとは現在の鉢より1号か2号大きな鉢のことです。古い鉢から抜き、土を落とさず、根をいじらないで植え替えてください。どうしても同じ大きさに植え替える場合は、根をいじらないように少量の土を落として植え替えます(枯れることもあるし、枯れなくても生育不良を起こして回復まで時間がかかるので、土は落とさない方がいい)。
鉢が軽いと倒れやすい
店頭で売っているゴールドクッレストは地上部に対して小さなプラスチックの軽い鉢に植えられています。どうしてこんな小さな鉢に植えられているかというと、デザインで見た目によく、
寄せ植え・寄せ場地に使いやすいからです。
この鉢植えをそのまま戸外で管理していると、風で倒れやすいので、風の当たらないところに移動するか、地植えにするか、重い鉢に植え替えた方がよいです。
庭植えの手順
庭植えの場合は、根鉢の二倍から三倍の深さの穴を掘り、その土に腐葉土を3割ほど混ぜてよく混ぜます。半分の土を戻して、ゴールドクレストの苗を置き、隙間に土を詰めて行きます。
ゴールドクレストは根が傷つくと生育不良を起こしますので、苗の土は落とさないでください。最後に水をやって終了。最後に水をやることで根が周囲の土に馴染みやすくなります。
●適した場所がよく分からない場合は、まずは鉢植えで育ててみる。
●一度植えると移植はできない。根が傷つくと枯れるので。
株間は何cmがいい?
株同士は空けましょう。大きくなると密生して蒸れてしまいます。ゴールドクレストは際限なく大きくなるので、このぐらい空けると正解という数字がないです。
庭植えの植え付け場所
ゴールドクレストは日当たりだと葉色が濃くなり、日光が少ないと葉色が薄くなります。できれば日当たりがいいですが、多少
半日陰くらいでも問題はないです。大事なのは日当たりより、夏の高温多湿による蒸れの方です。なので、日当たりより風が通る場所を優先しましょう。
風通しが良すぎて…
ゴールドクレストは風通しの良いところに植えてください。特に梅雨から夏は風通しが悪いと蒸れてゴールドクレストの幹に近い部分……内側が蒸れて茶色く変色して枯れこんでしまいます。一方でゴールドクレストは根の張りが地上部の大きさに対して「浅い」ために、大きく育つほどに
台風などの強風で倒れやすくなります。大きく育てるのであれば、強風には当たらないようにしましょう。
台風が通る地域では、大きく育つと厳しい(倒れる)。あんまり大きく育った場合は、できれば業者に伐採を依頼した方がいいです。
室外機に注意しましょう
戸外で管理する場合に、室外機のそばなどの風が当たらないようにしてください。室外機の風は乾燥していて、ゴールドクレストの葉っぱがチリチリになってしまいます。
もともと日本に気候が合ってない
ゴールドクレストは根が浅く、乾燥に弱いのに蒸れやすく、かといって寒さに強いというほどでもなく、枯れやすいです。何年か育てていると徐々に、茶色になって枯れてしまいます。こまかい原因は色々とありますが、元々日本の気候に合っていませんので、これという原因が見当たらなくても、なんだか弱っていきます。
安い時に買って、冬にクリスマスツリーにしよう!とか考えない方がいいです。
ずーっと育てるのは難しいですが、ワンシーズンか一年か二年くらい育てるのは、難しくないです。育てる際に、「ゴールドクレストは長期間、育てるのが意外と難しい」と心構えをしておいた方が精神的に健康でいられます。
鉢植えの管理場所
日当たりを好みますので、春と秋に日当たりで管理し、夏は風通しの良い半日陰に移動させます。梅雨・夏・秋の長雨の時期は必ず軒下で雨に当てないようにします。
越冬
ゴールドクレストはコニファーの中では寒さには弱い方です。耐寒温度0度まで。外気温がマイナス5度くらいになると、一発では枯れないですが、ヤバイです。
中間地・寒冷地では室内に入れてください。
暖地でれば戸外で越冬が可能です。
冷暖房の風に注意
冷房や暖房の風がとても乾燥しており、その風に直接当たると植物が枯れてしまいます。
サボテンでさえも風に直接当たると枯れます。風が直接当たらないようにしてください。
病害虫
ハダニ・
アブラムシ・
カイガラムシ・
スギドクガなど。
乾燥するとハダニが発生し、風通しが悪いとカイガラムシが発生します。しかし、ゴールドクレストの最大の問題は、夏の蒸れと、泥はねです。夏の蒸れは風通しを良い場所で育てて、内側の枝をさばいて行けばいいです。泥はねは株元にバークなどを敷いて泥はねしないようにしましょう。
葉っぱがポロポロと落ちる
乾燥してゴールドクレストの上の方の葉っぱがカサカサ・ボロボロになって、ポロポロと落ちていくことがあります。原因はハッキリとはしませんが、その部分は枯れ込んでいるので、切り戻せば、わき枝が出てきて調子を戻すことがあります。絶対ではないですが、試してみて損はないですよ。
剪定
ゴールドクレストは放置していても円錐形(=紡錘形=涙型)になる。樹形が乱れたら剪定する。理想とする樹形を思い浮かべてハサミで切ってしまってください。
ハサミで切ると切り口が茶色になる…というのは気のせいで、何で切っても茶色になる。新芽が出る3月〜6月に剪定すれば、茶色くなっても回復する。
蒸れ防止の剪定
ゴールドクレストの蒸れによる傷みを防ぐためには、密集している枝をすこしさばいてやって風を通して(蒸れ対策)しつつ、葉っぱをむしって減らして乾燥を防ぎます。葉っぱが減ると必要とする水分量が減るので、水不足対策・乾燥対策にもなります。
ゴールドクレスト・ウィルマはさらに葉っぱが多く、乾燥・蒸れが起きやすい。
小さくまとめる剪定
ゴールドクレストは生育すると10m以上になるものです。ですが、根が浅く横風に弱く倒れやすいのと、日本の気候に合っておらず大きく育つ前に枯れてしまうことが多いため、「小さくまとめる」前に消えて無くなることがほとんどです。
ですが、たまに環境が合っているのか大型化(5mとか)します。大型化すると剪定が大変ですし、横風で倒れると事故になりかねない。そこで最も高くても2m以下に抑えたい。できれば1.5mくらいにまとめたい。そのために
芯止めをします。
●芯止めは一番高い枝を切ってしまって、高さを抑えること。
●しばらくするとその下の枝が芯になる。その芯が伸びてきたらまた芯止めして高さを抑える。これを繰り返す。
由来・伝承
良い香りがするので、森林浴気分を味わえますし、クリスマスにはツリーとして室内に取り込んで飾ることも出来ます。寒さに比較的強いので冬場に出回ります。
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