カルセオラリアの育て方
目次
カルセオラリアの特徴は?水やり肥料植え付け・植えかえ種まき管理場所・日当たり病気・害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- カルセオラリア
- 科名
- キンチャクソウ科
- 属名
- カルセオラリア属
- 学名
- Calceolaria
- 別名
- 巾着草、スリッパフラワー
- 耐寒
- 0度
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 日の当たる室内
- 難易度
- 上級者向け
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カルセオラリアの特徴は?
カルセオラリアは
キンチャクソウ科キンチャクソウ属(カルセオラリア属)の
多年草もしくは
低木。以前は
ゴマノハグサ科とされていましたが、現在はキンチャクソウ科とされています。
よく流通しているのはカルセオラリア・ヘルベオヒブリダ(Calceolaria herbeohybrida)と、カルセオラリア・インテグリフォリア(Calceolaria integrifolia)です。育て方はどちらも同じです。
モコモコでプチプチした花で昔からある園芸植物です。冬から春にかけて流通しているので寒さに強いと思われがちですが、実際には寒さに弱く、また暑さにも非常に弱いです。花が終わってしばらくしたら枯れる
一年草と考えた方が気が楽です。価格もそんなに高くないし。見た目の好みは品種にもよるし、人にもよる。
草丈・樹高15cm〜80cm
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水やり
過湿に弱いのですが、水切れもしやすいです。鉢植えの場合、通常の植物同様に土が乾いたら水をやり、土が濡れているようならば水をやらないという頻度で
水やりをします。
水切れに注意
水切れがしやすいというよりは、一度水切れを起こすと花がシワシワになり、変色してしまって、それはもうみっともないためにトラウマになり、悪い印象が残ってしまう方が問題だと思います。
一度水切れすると、その際に咲いていた花はほぼ復活不能で、自責の念にかられます。萎れても、あんまり気にしないようにしましょう。しおれた花は摘んでしまいましょう。
花や葉っぱには水を掛けない
ムレに弱いこともあって、花や葉っぱに水を掛けないようにしてください。花に掛かると花が傷んでしまいます。土に水を注ぎましょう。口の長細い
ジョウロがあると便利です。
肥料
11月から春の開花時期が終わる5月にかけて、薄い液体
肥料を二週に一回やる。肥料が切れると花が止まるので、肥料はあったほうがいい。
夏越しをさせる場合は、5月以降は肥料をやらないでください。肥料成分が土中に残っていると根を傷め、夏越しが難しくなります。
植え付け・植えかえ
カルセオラリアは大抵は夏には暑さで枯れてしまいますので、庭植えにはあまりしませんが、庭植えするのであれば、霜が降りなくなった時期(4月〜5月)に、市販されている花と野菜の土(
培養土)で植え付けをします。
花が大きなタイプは雨に当たると花がダメになりやすく、庭植えには適していませんが、花が小さい極小輪のカルセオラリア・インテグリフォリア(Calceolaria integrifolia)の系統であれば比較的庭植えに向いています。
最近は花が大きいタイプはあまり流通していない。小さい方はかわいいので比較的流通する。
時期・頻度
秋に種まきして、越冬して春に開花するか、春に苗を植え付けたり、鉢植えを購入して鑑賞します。夏越しに成功したら、春に植え替えをします。株が大きくなると夏に蒸れやすくなるので、栽培を継続するのは難しいですが、夏越しして何年かは栽培できます。
用土
一般的な培養土に
パーライトを2割か3割ほど足して、
水はけをよくしてから利用するといいです。もしくは
多肉植物の土をそのままで使います。
鉢植え
鉢植えの底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に
用土を入れて高さを調節して、水を貯めるスペースがあるようにします。株を入れて、鉢と株の隙間に用土を入れていきます。鉢を揺らすと隙間ができるので土を足します。最後に鉢底から水が出るまで水をやってください。
植え替えをするときは古い土を3分の1ほど落として、新しい土を追加して、同じ大きさの鉢かひと回り大きな鉢に植え替えます。
庭植え
深さ30cmの穴を掘り、掘り出した土に
腐葉土か
堆肥を元の土に対して1割足して、川砂かパーライトか軽石を3割〜4割ほど入れて水はけをよくして用土とします。 もしくは多肉植物の土とそのまま入れ替えて植え付けましょう。植え付けの際に苗を少しほぐしておくと根が広がりやすいです。
穴に半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。複数株を植える場合は株同士は30cmほど空けて植えてください。
種まき
発芽温度は20度ですので、9月下旬〜10月に種まきをします。
ビニールポットに栽培用土か種まき用土を入れ、種をまき、土を軽くかぶせます。もしくは土は被せません。土を掌で軽く圧をかけて、土と種を密着させると発芽しやすくなります。乾燥しないように水をやり、明るい日陰で管理していると発芽します。発芽したら、
半日陰〜日当たりに出して生育させ、本葉が4枚〜6枚になったら、庭や鉢に植え付けてください。
管理場所・日当たり
日光にあててください。日光が少ないと花つきが悪くなります。
冬の管理
カルセオラリアは寒さにはそこそこ強く、土の凍結や、霜に当たらなければ戸外で越冬します。2月〜3月に流通する開花した株は温室で育てているので、寒さに弱いです。室内の日当たりで管理し、最低気温が10度以上になってから戸外の雨に当たらない場所で管理するといいです。
秋まきして育苗した株は寒さには強いですが、霜に当たると枯れてしまいますので、日当たりの良い、霜の当たらない戸外の軒下で管理します。ちなみに霜が降り始めるのは4度以下です。
病気・害虫
ハダニ
ハダニは乾燥すると発生する小さなダニの仲間で葉っぱの裏に潜んで汁を吸っています。たくさん発生すると枯れることもあります。浸透性薬剤(
オルトランなど)を前もって使っておくか、発生後に薬剤で駆除します。
アブラムシ
アブラムシは茎や葉にくっついて汁を吸う虫で、特に新芽にたかり、新芽が変形してしまい生育不良を起こします。風通しが悪いと発生しやすいです。前もって浸透性薬剤(オルトラン)を使っておくか、発生後に対応の薬剤で駆除します。
灰色カビ病
灰色カビ病は湿度が高くなると発生する灰色のカビで、梅雨や長雨の時期に発生します。風通しがよいと発生は予防できますが、梅雨とか夏には枯れるものなので、あんまり気にしないでもいいです。
特徴・由来・伝承
南米やニュージーランドを原産とする植物。花が袋状になっていて、かわいいようなエグいようななんとも言えないルックスを持っています。花が小さいものはかわいい。個人的には「形が赤血球に似ているなぁ」と思っていました。
よくガーデニング植物の育て方を調べていると「花に水が掛からないように」という記述を見かけます。カルセオラリアは袋状になっていて、水が掛かっても花弁内に水がたまらないことから、セールスポイントに「上から水をかけてもOK」とタグに書いてあったことがありました。でも実際には水が掛かると花びらが変色してしまいますので、水には当てない方がいいです。
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