多肉植物の育て方…多肉植物がどんどん縮んでいく理由は?回復するには?
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多肉植物とは?
多肉植物は水をため込むために葉っぱが肉厚になった植物のことで、多肉植物という種類の植物ではなくて、葉っぱが肉厚になった植物の総称です。このページでは多肉植物栽培のコツをまとめています。
性質
多肉植物は乾燥した地域に生えるため、水分を蒸発しにくいように、葉っぱや茎の表面に光沢のある層(クチクラ層)がある。また通常の植物が日中行っている「呼吸」をしない。そのために余分な水を排出する機能が弱いために、水をやりすぎると雑菌が繁殖して腐ってしまいます。
サボテンを思い出すと大抵丸い形をしています。通常の植物が日光を求めて、細くともかたい茎を出来るだけ日光に近づくように伸ばすのに対してサボテンが丸い形をとるのは、出来るだけ球形に近い形にすることで表面積を小さくし、水分の蒸発を防ぐとともに、ため込む水分の量を増やすためと考えられています。多肉植物とは違いますが、アフリカに生える木をひっくり返したような
バオバブの木の幹が異常に太いのも同じ理由とされています。
多肉の種類
多肉植物には
サボテン科、
トウダイグサ科(
ユーフォルビアの仲間)、
アロエ科(アロエ)、
ハマミズナ科(
マツバギクなど)、
ベンケイソウ科(
カランコエなど)、
リュウゼツラン科、
スベリヒユ科(
マツバボタンなど)のすべて、もしくは一部が含まれます。
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多肉植物が小さく縮むのは?
栽培しているとなぜか小さくなっていくことがあります。大きな鉢に植えているのに見合わない大きさに縮んでいく。葉っぱは傷んでいないし、枯れているわけじゃないんですね。でも、縮んでいる。おかしいですよね。
これは生育するための日光、水、
肥料のどれかが他の要因に比べて不足していたからです。
仮に日光が不足した場合は、葉が黄色くなって枯れていくだけなので、原因の大半は水不足、肥料不足です。受けた日光に対して生育する水・肥料が足りなかったんですね。
多肉植物の栽培って口酸っぱく「
水やりを控える!肥料は控える!」と書いてあるんですが、これは
初心者がガンガン水と肥料を与えてしまうからこその警笛なんです。だって水と肥料が過剰だと枯れるんですからね。だから控えないといけないんですが、あなたは控えすぎた。でも確実に言えるのはあなたは「初心者じゃない」ってことです。
水やりの頻度を増やし、液体肥料の頻度を増やすと回復します。
逆に一旦、水と肥料を増やして膨らましたあと、水と肥料を切って縮めて大きさをコントロールできるってことでもあります。
水やり
多肉植物は水をため込むように出来ていて乾燥に強いですが、反面、水をやりすぎると腐ってしまいます。他の植物と同じ
用土・同じ頻度で水やりをしていると、水やり過多になってしまいやすいです。安易に毎日水やりするのは危険です。
少々乾燥させて葉っぱがしぼんでも、水をやれば復活します。乾くのはあまり恐くありません。
多肉植物で怖いのは水不足より水過多です。
慣れてくると土の乾き具合(見る・触って湿り気を確認する・持ち上げて重さを確認する)や葉っぱが内蔵している水分量(葉っぱが膨らんでいるほど水がある。水が減ってくると葉っぱがしおれて若干細くなり表面にシワがよったりする)がわかる場合もあります。わかりづらい場合もあります。
葉に水をかけない
葉っぱや茎に水が掛かると腐って枯れることもあります。例えばカランコエや、葉っぱに白い毛が生えているタイプは避けます。白い毛はそもそも乾燥地帯で蒸発を防ぐために生やしているので、湿気には弱いです。
また、毛が生えていないタイプも、葉っぱの隙間に水がたまると水が腐って、
病気になったり、葉っぱの上の水滴がレンズになって
葉焼けすることもありますので、葉には水をかけない方がいいです。
夏の水やり
多肉植物で乾燥地帯で生育するものは、
CAM光合成を行うものが多いです。これは涼しい夜中に二酸化炭素を吸収し、昼間にその二酸化炭素で光合成を行うという性質です。ところが日本の夏は夜中でも25度以下にならない熱帯夜のことがあり、
CAM光合成を行う多肉は夏に調子を崩します。
このタイプは夏は土がカラカラになってから土を濡らす程度の水やりにする必要があります。
管理場所・日当たり
多肉植物は基本的には日光を好むのですが、「直射日光がガンガン当たる」という状況が苦手な場合があります。
多肉植物の多くは乾燥地帯の植物で、そういう地域は昼間は高温ですが夜中は寒く、夜中のうちに二酸化炭素を吸収しているため、日本のような熱帯夜の夏では夜中に呼吸ができず、徐々に弱ってしまいます。そのため夏は弱ってしまうものが多いです。大抵は夏は風通しの良い
半日陰で管理しておくと無難です。
日光が少ない場合徒長(間延びしてヒョロヒョロと伸びる)しますが、
挿し木や胴切りで仕立て直すこともあります。
越冬
寒さに強いものもありますが、基本的には室内管理が無難です。水やりを控えることで寒さに強くなるので、水やりは控えめがコツです。
肥料
生育が遅い植物たちなので、基本的には肥料はなしか、やっても控えめにします。化成肥料(マグアンプなど)を生育時期に少量やるか、適宜、通常の2倍に薄めた液体肥料をやります。肥料が多いと徒長したり、根を痛めるのでとにかく控えめにします。
肥料が切れると葉っぱが黄色くなるので、そうなったら施肥するくらいでもいいです。
植え替え
劣化した土を新しい土に交換したり、
根詰まりを解消したり、余分な根や子株を捨てたりするために植え替え作業を行う必要性があります。環境さえ合えば何年も長持ちし大きくなってゆく植物が多く、いずれそのうち枝や根を整理したり大きな鉢に植え替えたりする必要がでてきます。
時期
植え替えに適した時期は新芽が動き始める直前が良いです。大体は4月〜5月です。また開花している時期は避けましょう。
用土
多肉植物・サボテンの土で植え替えます。自作する場合は
赤玉土小粒4
鹿沼土4
腐葉土2に
ゼオライトを入れたものが良いですが、手間と材料を揃えるとお金がかかることを考えると、多肉植物・サボテンの土が安上がりです。
土はアルカリ性がよい?
多肉植物やサボテンが自生している地域では
石灰岩のことがあり、自生地のことを考えると「アルカリ性」にすることが以前は推奨されていましたが、これはせいぜい「アルカリ性にも耐性がある」程度のことで、中性〜
弱酸性であれば問題なく生育します。
日本の水道水は若干アルカリ性になっていて、水道水で水やりをすることになる多肉・サボテン類はこれで調子を崩すことがあるかもしれませんが、問題になるレベルではないです。
植え替えの手順は?
植え替え前の1週間ほど水やりと止めておきます。それから鉢から株を取り出し、古い土を半分か3分の1ほど落としてから、傷んだ根を整理します。
植え替える鉢の底の穴を鉢底ネットで塞ぎ、その上に鉢底石を2cm〜3cm入れます。その上に用土を入れて、苗の高さを調節し、苗を入れて、隙間に用土を入れていきます。水はやらず、そのまま1週間ほど日陰で管理して養生させます。それから通常の水やり、日当たりでの管理に戻すと、調子を崩さないで済みます。
トゲがある場合は…
トゲがある種類だと植え替え作業が辛いです(特にサボテン)。トゲがある場合は、トゲが通らない革手袋を用意し、装着した上で、新聞紙でサボテンを包んで作業をします。
鉢から株が抜けない?
何年も植えっぱなしだと硬い根が絡まりあったまま、株が抜けないこともあります。こういうときはハンマーで鉢を叩き割ります。根詰まりしてどうにも根がほぐせない場合は、最悪、子株での株分や
挿木や胴切りで株を仕立て直します。
増やし方
多肉植物は
挿し芽(挿し木)、葉挿し、株分けで増殖できるタイプを多く含みます(そうではなく
種子で増やすタイプもあるにはあります)。詳細は各植物の解説ページを参考にしてください。
伸びた枝を片っ端から挿し木にしているとあっという間に庭が同じ種類の多肉植物ばかりに占拠されますので、余剰分は処分する覚悟が必要です。また、品種登録されている種類は無断で増殖して販売・譲渡することは禁じられています。
品種の書かれたラベルを保管しておいて、鉢にも品種名のタグを付けておきましょう。落ちた葉や間引いた葉からうっかり発芽してしまうこともあるので、葉っぱは全部しっかり拾ってしっかり処分します。
病気・害虫
カイガラムシ、ネジラミ、
うどんこ病といった病
害虫が発生することがあります。
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