バオバブの育て方
目次
バオバブの特徴は?バオバブの種類水やり肥料植え替え・植え付け管理場所剪定・切り戻し病害虫関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- バオバブ
- 科名
- アオイ科
- 属名
- バオバブ属
- 学名
- Adansonia
- 耐寒
- 5度〜10度
- 水やり
- たまにやる程度
- 場所
- 冬は室内 夏は外
- 難易度
- 上級者向け
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バオバブの特徴は?
バオバブはアフリカに自生する
アオイ科バオバブ属の落葉高木。巨木で珍妙な幹の形状をしていることで印象に残るのか、
星の王子さまにも登場している。白い花を咲かせ、実をつける。実は自生地では食用となる。樹齢が長く、巨木になったものは個体名が付けられている。
自生地では乾季と雨季があり、日本では冬季が乾季、夏季が雨季として栽培します。ちなみに自生地では乾季が高温乾燥時期で、雨季が低温多雨なので、細かく言うと逆なんですが、気にしないでください。
サバンナの乾燥に対応していて、幹内に水を溜め込んで、冬は落葉して半休眠し、幹の水を消費しています。
観葉植物として日本でも栽培されることがあるんですが、写真で見るようなトックリのような形状にはならないし、見た目が似ている
ガジュマル(
ニンジンガジュマル)や
アデニウムの方が栽培が容易なので、そちらの方がおすすめです。
樹高30m
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バオバブの種類
ディギタータ
ディギタータ(Adansonia digitata)はアフリカ原産の日本で観葉植物のバオバブで一番流通している種。一番、強くて栽培しやすい。寒さにそこそこ強く、
水やりを控えることで5度くらまで耐える。
グレゴリー
グレゴリー(Adansonia gregorii =Adansonia gibbosa)は
オーストラリア原産で、比較的流通している種。ディギタータと同じく水やりを控えると5度くらいまで耐えます。
剪定しても芽が出にくいので剪定は控えて大鉢に植えて大きめに仕立てるといいです。
グランディディエリ
グランディディエリ(Adansonia grandidieri)はマダガスカル南方に自生する種。気温が上がっても生育し始める時期が遅く、生育時期が短いため、この時期にしっかりと生育させないといけない。その点では少し栽培は難しいが、冬になると冬目をつくるため水を控えるタイミングは分かりやすい。
ペリエリー
ペリエリー(Adansonia perrieri)はマダガスカル北方系で非常に寒さに弱い。冬は10度〜15度以上を保つ必要があり、難易度は高い。とはいえ、壁の断熱材が優れた家なら越冬はできる。
南方が寒さに強くて北方が寒さに弱いというと混乱するんですが、南半球だからマダガスカル島の北方がより温かいってだけです。
スアレゼンシス
スアレゼンシス(Adansonia suarezensis)はマダガスカル北方の乾燥した地域に自生する種で、非常に寒さに弱く、冬は15度以上を維持しなくちゃいけない。これは温室がないと厳しい。
種子は腐りやすい。
ルブロスティパ
ルブロスティパ(Adansonia rubrostipa=Adansonia fony)はマダガスカル南方系で、比較的寒さに強く、水やりを控えると5度まで耐える。また冬は冬芽を作るので水やりを控えるタイミングも分かりやすい。
枝分かれもしやすく、他のバオバブに比べるとコンモリしやすい。
ザ
ザ(Adansonia za)はマダガスカル南方系で比較的寒さに強い。葉っぱに葉柄が見られる。
マダガスカリエンシス
マダガスカリエンシス(Adansonia madagascariensis)は北方系で寒さに弱い。葉っぱは綺麗です。
水やり
春〜秋の水やり
春〜秋は生育しているので、土が乾いてカラカラになったら、鉢底から水が出るくらいにしっかりとやります。受け皿に水が溜まっていたら捨ててください。水やりをするときは葉っぱにも水をかけておくと、新芽が痛みづらく健康的に育ちます。
春から秋に日に当て、水をやり、
肥料をやるとよく生育します。
冬があけて、気温が上昇してきたら、新芽が出てきます。新芽が開いたら春の水やりを始めるようにします。
冬の水やり
冬はサバンナの乾季にあたり、バオバブは落葉して休眠します。土が乾いてカラカラになったら、土を少し濡らす程度の水やりをします。鉢底から出るくらいにジャブジャブやるのはやめておきましょう。
土壌水分計でチェックしてから水やりをすると失敗が減ります。
ちなみに冬に水やりをしすぎると、すぐには変化が見られず、春以降に新芽が出ず、「どうやら冬に
根腐れしたんだな」と思うことになります。
断水すると寒さに多少強くなるのですが、ダメージが大きいのでできれば避けて、水やりを控えつつ、水やりは継続するといいです。
種によっては寒くなると冬芽をつくる。冬芽を作る種だと水やりを控えるタイミングが分かりやすい。
肥料
肥料はなくても問題なく育ちますが、少し大きくしたいなら、気温が20度以上の時期に液体肥料を2週間に一回やるか、一か月に一回、説明書きの容量の半分か3分の1程度を置いてください。肥料が多いと大きくなりすぎて不恰好になることもあるので、様子を見て減らしましょう。
冬は肥料をやらないでください。
植え替え・植え付け
時期・頻度
植え替えは春に行います。バオバブは成長が遅いので頻繁に植え替えをするものではないです。鉢底から根が出ている場合や、
根詰まりの症状が出ている場合に植え替えをする程度です。頻度言うと4年か5年に一回です。
ただ、土に
赤玉土が入っている場合、赤玉土が潰れて水もちがよくなって根腐れの原因となるので、その場合は2年か3年に一回植え替えをしましょう。
用土
一般的な
培養土に
軽石を1割〜2割を追加したもので植えるといいです。
植え替えの手順は?
古い鉢から株を取り出し、土を落とさないで1号か2号大きな鉢に植え替えます。土をいじると根を傷つけることになって生育不良を起こします。
鉢植えの底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に
用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、水やりはせず、明るい日陰で2週間ほど管理しておいてから日向に戻して、水やりを再開します。
種蒔きと育苗
種から育苗することもできます。なかなか大変なのでマニアックな作業です。
まず、タネの一部をヤスリで削っておきます。このタネを沸騰させた水に入れ、火を止めて、そのまま二日水につけておきます。この二つの工程で発芽しやすくなります。
あとはポットに
多肉植物の土を入れ、種を置き、明るい日陰で水をやっていると20日ほどで発芽します。発芽して葉っぱが3つか4つになったら、鉢植えにしましょう。
管理場所
春から秋の管理場所
春から秋は戸外か室内の日当たりで管理します。自生地では開けたところに一本バオバブが突っ立って日光を独占しているようように、強い日光を浴びても枯れることはないです。35度以上の気温でも問題ないので夏も戸外の日当たりでいいです。
バオバブは日光に強く、暑さにも強いのですが、冬の間、室内で弱い光を当てていたため、春に戸外に出すと対応できずに葉っぱが
葉焼けすることもあります。葉焼けすると変色してしまい、戻りません。
できれば春に20度以上になったら戸外の日陰で2週間、
半日陰で2週間と慣らしていってから、戸外の日向に移動させます。それでも葉焼けするなら寒冷紗などで遮光しましょう。
春〜秋は戸外の日当たりに。室内で管理すると徒長して株が弱って病
害虫にかかりやすくなる。それに春〜秋に日光を浴びていないと冬にも枯れやすくなる。
多湿が苦手…
多湿が苦手なので梅雨〜夏は風通しの良いところで管理してください。戸外で管理する場合は雨の当たらない場所で管理してください。
冬の管理場所
冬は最低でも室温5度以上の日当たりで管理します。ただ5度というのは最低温度であって、株は徐々に弱っています。できれば10度以上の場所で管理します。
可能であれば冬は温室で管理するといいです。
剪定・切り戻し
生育時期であればいつ剪定してもいいです。邪魔になった枝を剪定して落とすといいです。
病害虫
ハダニ
ハダニが発生することがあります。乾燥すると発生するのですが、バオバブは水やりを控えるもので、どうしても発生しやすいです。土に
オルトランを混ぜておくか、ハダニに対応した薬剤を散布します。
アブラムシ
たまに発生します。ハダニと同様で土にオルトランを混ぜておくか、発生したら
テデトールするか、どうにも数が多いなら薬剤で駆除します。
カイガラムシ
カイガラムシが発生したら歯ブラシで削ぎ落とすといいです。
スズメガ
幼虫が葉っぱを食べる。発見次第、補殺。
シャクガ
シャクトリムシのこと。ただ、最近見ない。
コガネムシ
幼虫が根を食べる。戸外で管理する限りはコガネムシが卵を産みつける可能性が十分あります。二匹の幼虫で枯れるので、予防としてオルトラン粒剤を使っておくといいです。
ウィルス病
ウィルスが原因で
カカオ膨梢ウイルス、
オクラモザイクウイルス、カカオ黄色モザイクウイルスなどのアオイ科が感染するウィルスで感染することがあります。感染すると治療はできないので感染したら株を廃棄します。剪定するハサミは作業前に消毒して予防しましょう。
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