ヤマブキ(山吹)の育て方
目次
ヤマブキとは?水やり肥料植え付け挿木管理場所・日当たり剪定について特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ヤマブキ
- 科名
- バラ科
- 属名
- ヤマブキ属
- 学名
- Kerria japonica
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 中級者向け
スポンサーリンク
ヤマブキとは?
ヤマブキ(山吹)は
バラ科の日本原産の落葉
低木。八重と一重があり、八重には実がならない。花がこぼれるようにつき、育てるのも簡単。
冬に植え、春に花が咲き、夏を越して冬には落葉します。
樹高1m〜1.5m
スポンサーリンク
水やり
庭植えした場合でも、土が乾いていたら水をしっかりとやってください。ヤマブキは乾燥に弱く、水が切れると葉っぱがチリチリになります。夏場や、
西日が当たって乾燥する場合は、根本に
腐葉土を敷いて
マルチングして乾燥を防ぐようにします。
冬は成長が遅くなりますので、水は控えます。
肥料
肥料はさほど必要ありません。やらなくてもOK。肥料をやる場合は、2月あたりに寒肥として骨粉入り
油粕を根本にやるか、成長期に継続して液体肥料をやるか、開花後の6月にお礼肥として同様の肥料をやります。もしくは周りの土に腐葉土や
堆肥などの有機質のものを混ぜ込みます。
植え付け
時期
植え替え・植え付けは寒い時期(11月〜3月)に行います。落葉し、根の成長が遅くなっているからです。葉や花が活動している時期に植え付けをすると、調子を崩します。
用土
用土は市販されている花と野菜の土で植えつけます。もしくは
赤玉土7腐葉土3を混ぜたものを使います。庭植えの場合は元の庭土に腐葉土か堆肥を2割か3割ほど混ぜて、用土とします。
庭植え手順
根鉢(苗の根と土の部分)の倍の大きさの花を掘ります。大体は直径30cm深さ30cmくらいです。穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か堆肥を混ぜて用土とします。用土を半分戻して、株を入れて、用土を隙間に入れていきます。棒で根をつついて根の間に土と水を入れて、密着させます。最後に株の周囲に土で囲いを作って、水をためて水極めをします。水をためて30分ほどかけて水が引くまで待ちます。
挿木
梅雨の時期に5cmほどの枝を切り、下葉を取って、
水揚げをします。水揚げをとは切り口を見ずに1時間ほどつけて、葉っぱの先まで水を行き渡らせる工程です。これを清潔な赤玉土単用の挿し床にさして、日陰で乾燥しないように
水やりをして管理していると発根します。発根したら植え付けます。
発根剤はなくても簡単に発根します。
管理場所・日当たり
元々、山の中の木漏れ日のさす場所で生育する植物で、強い直射日光と乾燥に合うと枯れてしまいます。庭植えするときは、一日に数時間だけ日が当たるか、木や何かが日除けになっている木漏れ日が差すような「
半日陰」に植えるのが適しています。
冬の寒さには強く、防寒の必要はありません。
剪定について
剪定は落葉時期に行います。
まずは枯れている枝を落としてしまいます。
ヤマブキは根本から生えてくる勢いの良い若い枝に花をつけます。古い枝には花が付かない(つきづらい)ので、冬の間にこの古い枝を、邪魔であるなら切り落とします。ヤマブキの古い枝は、春になっても芽吹かない枯れ枝になっていきます。剪定で落としておいたほうが便利です。
また密集していると、芽吹いたときにゴチャっとするので適当に間引きます。バリバリと芽が出ますので、気にせず剪定してください。ただ、あんまり新しい枝を多く剪定をすると枯れ込みます。古い枝を中心に間引くようにします。
特徴・由来・伝承
春に咲く、バラ科の木。木なのですが、柔らかく、しだれて伸びます。生け花の花材としてもよく使われます。山吹色とは、このヤマブキの黄色のことです。
山吹が登場する逸話に、落語の「道灌」があります。
この中で、室町時代後期に関東で活動した武将である大田道灌が山で狩をしていると雨に降られ、山中の家で「蓑(みの)」を借りようと尋ねると、一本の山吹を差し出されました。
道灌は意味も分からず、腹が立ったのですが、後日、歌道に詳しいものが
「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき」という後拾遺和歌集の兼明親王歌に掛け、山(やま)間の茅葺(ぶき)の家であり貧しく、蓑(実の)ひとつ無い…ということを奥ゆかしく答えたのだと言うのです。道灌は腹を立てたことを恥ずかしく思い、歌道を学び、立派な歌人となりました。
この話は山吹が後拾遺和歌集が成立した11世紀には八重咲きの山吹があったということと、それ以上に後拾遺和歌集を15世紀の山間の農家が読んでいたという意味になります。まぁ、事実ではないでしょうが。
スポンサーリンク
関連記事
バラ科