レッドロビン(ベニカナメモチ)の育て方
目次
レッドロビンの特徴は?水やり肥料植え付け管理場所・日当たり剪定病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- レッドロビン
- 科名
- バラ科
- 属名
- カナメモチ属
- 学名
- Photinia ×fraseri 'Redrobin'
- 別名
- セイヨウベニカナメ
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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レッドロビンの特徴は?
レッドロビンは
バラ科カナメモチ属の常緑高木のカナメモチの
園芸品種。アメリカで作出されたので「西洋ベニカナメ」とも呼ばれます。成長が早く、よく萌芽する。葉っぱが小さめの三重カナメ、三重カナメから選抜されたスカーレットパールという品種もある。
非常に強健で強い
剪定をしても枯れることがありません。春に花が咲くのですが、花粉が未成熟なために実があまり出来ない。また赤い新芽を維持するために、定期的に剪定しているために開花しない。だから、やたらと繁殖して広がっていくということもありません。
新芽が赤く、独特の雰囲気がある。剪定すれば年中赤い新芽を出すことが可能…というかずっと出させるのが普通。生け垣に使われる事が多いが、結構独特な色合いなのでデザイン的に周囲の建物や雰囲気に合うかどうかは考慮したほうが良い。
樹高3mから6m…剪定していくらでも小さくまとまるので
低木扱い。
結構面倒?
レッドロビンって頑健ではあるんですが、非常によく見かける植物なので飽きてるって人も多いでしょうね。
デメリットとしては、褐斑病・イラガ・
ウドンコ病が発生するのと、イラガ・
うどんこ病の予防のためにも、綺麗にするためにも剪定を年に何回もしないといけないってところ。植物としては頑健なんですが、綺麗にまとめるには剪定は必須。これが面倒なら、
ラティス・フェンスでレッドロビンの代わりに生垣にするか、
生垣に向いた植物の一覧を参考にして別の植物にしましょう。
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水やり
植え付け直後に水をしっかりとやったら、あとは降雨だけで十分です。真夏の日照りや乾燥したときは、水をやってください。レッドロビンは根が広がりにくく、植え付けして一年か二年ほどは根が土に馴染んでいないので、2年ほどは庭植えでも定期的に
水やりをしてください。
肥料
12月〜1月に寒肥として
油かすをやり、秋に緩効性化成
肥料をやります。肥料に窒素が多いと新芽の色が鈍くなることがありますのでバランスよく入っている化成肥料を使っておきましょう。
レッドロビンは肥えた土を好み、よく萌芽し、肥料が不足すると葉色が悪くなりますので肥料はやってください。また、肥料が不足すると調子を崩して、病
害虫が発生しやすくなります。
植え付け
時期
レッドロビンは根が粗いために根付くまで時間が時間がかかります。出来るだけレッドロビンの根の活動が静かな4月・5月あたりに植え付けをします。ポット苗で植えます。成長したレッドロビンの移植は不可能と考えてください。ある程度育ったら移動させるということはできません。植え付ける前に場所をよく検討してください。
用土
土は水持ちがよくて
水はけのよくて肥沃な土を好みます。庭の土が粘土質ならば、そこにバークたい肥・
腐葉土を庭土に3割か4割ほど混ぜ込んで、水はけをよくし、土壌改良してから植える。
レッドロビンがかかりやすい
病気のゴマ色斑点病と褐斑病はやせ地だと発生しやすい。植え付け時に、
堆肥か腐葉土をしっかりと混ぜ込んでいるといいです。
庭植え
株の根鉢の二倍の深さ、二倍の直径の穴を掘り、土に腐葉土を3割か4割ほど足して、緩効性化成肥料を入れてよく混ぜて、
用土とします。穴に用土を半分戻して、株を入れて、隙間に土を詰めて水をやって完成です。
ポット苗同士を50cmほど空けて植えます。苗の土は崩さず、根はいじらないで植え付けてください。
株の健康には土壌が大事で、良い土だと病害虫も抑えられます。しっかりと有機物と肥料を入れて土をふかふかで栄養たっぷりにしておきましょう。
管理場所・日当たり
レッドロビンは日当たりが悪いと徒長したり、葉っぱの色が鈍くなるので注意。生垣に使うことが多いので、自然と日当たりになる。
冬
耐寒温度はマイナス2度〜マイナス5度と、若干寒さに弱くて、寒冷地では冬に枯れてしまいます。
剪定
時期
赤いのは新芽。新芽だけが赤くなります。春になって気温が上昇するとレッドロビンから赤い新芽が出ます。その新芽が緑になる6月あたりに一回刈り込んでおくと、夏に赤くて綺麗な生垣になります。次は9月、年を越して3月です。これを繰り返します。
太い枝をバッサリと刈り込むと、枯れ込むことがあるので剪定はあくまで「軽く」すること。軽い剪定を頻繁にするほうがキレイになり、トラブルを避けられる。
●何月に刈り込み――と細かいことを書いてしまいましたが、どの季節に刈り込んでも、赤い新芽が出てくるので、適当に刈り込んでもいいです。
●7月8月の剪定は控える。もしくはやらない。剪定+夏の暑さで株にダメージがあり、病害虫が発生しやすくなる。特に年数が経っている株はダメージを受けやすい。
●赤くしたい一ヶ月前に刈り込むと丁度いい。
●冬は赤い新芽の色が鈍いが、そういうもの。気にしない。
●二ヶ月に一回のペースで剪定する人もいる。そのくらい剪定すると一年中、真っ赤。
高さを抑える
レッドロビンは上へと伸びていく性質があり(本来は3m以上になる)、上に伸びると下葉はなくなっていきます。すると足元がスカスカの生け垣になるので、大きくなり過ぎないように目の高さくらいで、芯を切って大きくならないようにします。芯とは一番高い枝のことでこれを切ることで、高さが抑えられます。
上へと伸びるので、上が一番モサモサになりやすい。ここをしっかりと剪定すると、全体がまとまります。
不要枝を落とし、形を整える
樹形を見出す枝、枯れた枝、変な方向にのび太枝を落とし、風を通してください。レッドロビンの剪定は一回で、ドカっと切るのではなくて、年に何回かちょっとづつ落として整えていきます。
表面を軽く刈り込むと葉っぱが密になり、生け垣に適した感じになりますので、生垣っぽくなるように、剪定バサミでちょきちょき整形していきます。
剪定し続ける
レッドロビンはよく生育し、強く刈り込んでもすぐに取り戻す(太い枝を切ると枯れ込むことがあるが)。また、植え付けて早くに生け垣に整形できる。しかし、定期的に剪定しないとボサボサになるので、「剪定し続ける」覚悟が必要。
どんな風に刈り込んでも戻るので大丈夫です。好きなように剪定しましょう。
病害虫
ゴマ色斑点病・褐斑病
ゴマ色斑点病と褐斑病の原因はカビです。葉っぱに黒い斑点が出て、徐々に弱って枯れます。感染した株から落葉した葉っぱは感染源となってレッドロビンの別の株へも移ってしまう。感染力が強く、気がつくと生け垣すべてが全滅しているってことは珍しくない。発症している葉っぱを回収し、感染した部位は早めに切除、処理して、トップジンMやベンレートなどの殺菌剤を一週間に一回、3回か4回ほど散布します。特に梅雨や秋の長雨の時季にこれらの菌が広がりやすいので、この時期に散布しましょう。
●レッドロビンのゴマ色斑点病と褐斑病は他の種類の木には感染しない。
●同じ薬剤は連続では使わないようにする。原因菌に耐性がつくため。
●庭土に前もって腐葉土や堆肥をしっかりと混ぜていると、株が健康になり、ゴマ色斑点病と褐斑病の予防になる。
●どうにも広がってしまったら、別の木に植え替えることを検討する。
その他
カイガラムシ
動かない虫がいたら
カイガラムシ。ブラシなどでこすり取るか、数が多い場合は殺虫剤を散布する。殺虫剤は成虫と卵には効かないので、何度も散布する。風通しが悪いと発生するので、剪定のときに内部の邪魔な枝をさばくと良い。でも、それじゃ生け垣の意味がないような…
イラガ
毒々しいみための毛虫。葉っぱが密生すると、発生しやすく、悪化しやすいですので、剪定して、枝を間引いて風通しをよくし、
天敵であるカマキリや
アシナガバチがイラガを捕まえやすいようにしるといいです。
うどんこ病
葉っぱに白い粉のようなものが吹くカビの仲間。常在菌でそこらへんに存在しているので完全に予防はできないんですが、剪定して風を通すことでかなり予防できます。また、予防・治療のための薬剤はいろいろとあるので症状が悪化するようなら散布しましょう。
アブラムシ
アブラムシ新芽の汁を吸い、新芽をしおらせる。新芽以外はほとんど発生しないが、絶えず新芽を出させるレッドロビンでは大問題。見つけ次第薬剤を散布して駆除する。
スス病
黒いカビ。アブラムシ・カイガラムシ・
ハダニなどの汁を吸う虫の排泄物に発生する「カビ」。茎や葉っぱが黒くなる。しかもその黒い部分が取れない。それ自体では枯れないが、見た目が悪く、光合成を阻害して株が弱る。アブラムシ・カイガラムシの駆除が一番の予防策。
がん腫病
根に癌腫と呼ばれるコブが出来る。感染すると完全に治療は不可能。どんどん広がっていき、コブに栄養を取られて徐々に弱って枯れてしまう。取り除いてもコブはもどる。地表部から見えるところにコブがあったら、末期。感染したら廃棄するのがよい。
テッポウムシ
テッポウムシは
カミキリムシの幼虫。幹に穴をあけて木を食べる。周囲に木くず(のような糞)が落ちていたらこれ。穴に針金を突っ込んで刺し殺すか、薬剤を注入して薬殺し、その穴を木工用ボンドなどで塞ぐ。駆除・生態・薬剤などの詳細は以下のリンクを参考に。
特徴・由来・伝承
レッドロビンという名前で流通していることが多いですが、これは品種名です。レッドロビンは「赤いコマドリ」という意味。
刈り込むと新芽が出て、その新芽がどの季節でも「赤い」。定期的に剪定することで一年中赤い新芽を出させる。赤を出すために植えるもの。本来は綺麗な白い花を咲かせて、赤い実を付けるが、赤い葉っぱを出させる剪定をし続けるので花が咲かず、実もつかない。
カナメモチの変種にベニカナメモチがあり、以前はベニカナメモチがたくさん植えられていましたが、発根しにくく、病害虫に弱いため、レッドロビンに置き換わり、現在はレッドロビンに置き換わっています。レッドロビンの方が葉が大きいです。
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