アンズ(杏子)の育て方…一本だけ植えるならどの品種?

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アンズの基礎データ
アンズ
科名バラ科
属名サクラ属
学名Prunus armeniaca
別名杏子、アプリコット、唐桃
水やり水控え目
場所外の日なた
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
剪定
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アンズ(杏・杏子)とは?

アンズ(杏・杏子)は中国原産のバラ科サクラ属の落葉小高木。自家結実するが、複数の違う品種を植えたほうが結実は確実に多く、実も良質になります。アーモンド・梅・モモ・スモモでも受粉するので近くに植えると結実しやすくなる。春に伸びた枝に花芽ができ、それが翌年の春に開花し6月7月に収穫することになります。結実までは3年か4年。日持ちしないので収穫してから冷蔵庫に入れて保存しても、二、三日のうちに食べてください。もしくはジャムにする。
樹高
5mから8m(剪定によって2mから3mにまとめる)
アンズ 苗
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一本植えるなら?苗についての注意点

今から植えるのであれば、ニコニコットがおすすめ。一本で結実しやすく、酸味が少なくて生食ができる。アンズは寒い地域の植物で、関東南部…都内ではあまり結実しにくいものですが、ニコニコットに関してはよく結実します。

ちなみに結実しにくいだけで栽培自体は関東南部や以西でも問題ないです。あと、自家受粉するタイプでも、別品種を植えている方がよく結実します。
ニコニコット アンズ
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品種

おひさまコット
自家結実性が強く、一本でも十分収穫可能。実100g。甘く果汁が多い。生食向きです。6月が収穫期。昔は「サニーコット」という名前でした。
おひさまコット アンズ
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ニコニコット
自家結実性が高く、一本で十分、収穫できます。アンズの品種ではよく実る種類。実は90g。酸味が少なく甘くて果汁が多い。生食向き。6月が収穫期。東京・関東でもよく実がなるのでおすすめ。
ニコニコット アンズ
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ハーコット
カナダから導入された品種。自家結実性があるが鈍いので別品種を一緒に栽培するべき。実90g。実は酸味が少なく甘い。7月が収穫期。
ハーコット アンズ
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ゴールドコット
アメリカから導入された品種。実40g〜50g。6月が収穫期。栽培はしやすい方。病気に強く、裂果しにくい。生食に向いていて、甘く酸味が少ない。

信州大実
新潟大実とアーリーオレンジとの交配種。実90g。香りが強く、酸味が強い。甘味もあり、生食もできる。晩生で収穫が多い。収穫時期は6月〜7月。
信州大実 アンズ
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新潟大実
実80g。酸味が強くて、ジャムなどにする。自家結実性があり、一本で収穫できます。
新潟大実 アンズ
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信月
実80g。生食できるくらいの甘さ。新潟大実とチルトンの交配種。

平和
実50g〜70gで酸味が強く、ジャムなどに利用する。花が綺麗で、観賞用としても人気があります。収穫は7月。
平和 アンズ
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植え付け・植えかえ・種蒔き

時期・頻度

落葉時期(12月〜3月)に植え付け・植え替えをします。北海道以外で戸外で越冬できます。北海道でどうにか栽培したいなら、鉢植えにして冬は室内に取り込むようにします。

鉢植えにした場合は3年に一回植え替えをします。

用土

鉢植えの場合は一般的な培養土か、自作する場合は赤玉土腐葉土3を混ぜたものか、一般的な培養土に川砂を1割混ぜて水はけを良くしたものを使います。

軽量な培養土だと移動・管理が楽なんだけど、保水が弱く、夏に水切れしやすいですし、横風で倒れやすい。そのリスクを理解した上で利用しましょう。

庭植え

深さ50センチ、直径1mの穴を掘って、掘り出した土に堆肥か腐葉土と、鶏糞を混ぜ込んで、穴に半分だけ用土を戻して、アンズの苗を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやります。支柱をして、紐でくくってください。苗は高さ50センチから60センチに切り戻して、根の負担を減らしておくと、回復が早くなります。
鶏糞
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支柱
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2本以上植える場合は2m空けて植えます。アンズを2本植える必要はないので、スモモ(プルーン)・モモ・アーモンドと並べて植えるといいです。

鉢植え

鉢底に鉢底ネットを敷き、鉢底石(軽石)を2cm〜3cm入れて、用土を少し入れ、株を入れて隙間に用土を入れて、最後に水をやります。

植え替えの場合は、土を3分の1落としてから、同様に植え付けます。地上部を切り戻しておくと回復しやすいです。

水やり

庭植えの水やり

庭植えにした場合は、自然に降る雨だけで十分です。ただし乾燥する時期(夏など)は水をやってください。

鉢植えの水やり

鉢植えにした場合は土が乾いたら、鉢底の穴から出るくらいにしっかりとやります。夏は朝と夕方の2回、冬は土が乾いてから数日たってから水をやります。

肥料

3月に開花し始めます。それまでに寒肥(化成肥料か鶏糞+堆肥)をやります。寒肥は12月中にやってもいいです。

また、収穫後の9月に肥料をやります。9月の肥料は実をつけてエネルギーを使った木に補給するためのものです。化成肥料をやります。

鉢植えは2月、9月とは別に開花後の5月に同様に肥料をやるといいです。鉢植えは土が少なく肥料成分が流れ出やすいので、5月にもやらないと開花が鈍くなってしまいます。

化成肥料
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管理場所・日当たり

日当たりを好みます。寒さに強く、北海道北部以外では戸外で育ちます。暖かい地域でも栽培はできるのですが、夏の高温多湿で病気が発生しやすく、寒冷地の方が栽培に適しています。

鉢植えにしたものは寒さに弱いので、霜の当たらない場所で管理するか、室内に取り込みます。

作業

人工授粉(3月〜4月)

アンズは基本的に自家受粉し、一本で結実するんですが、他の木(アンズだけでなく桃・スモモ・アーモンドなど)から受粉した方が、実つきがよく、また、良質の実が取れるので、できれば別品種を2本植えるといいです。また、開花が早いので、実が十分に活動していないこともあるため、人工授粉した方がよりよいです。

3月〜4月の開花時期に、筆や耳かきの梵天などで、雄しべと雌しべをコチョコチョっとして受粉してあげるといいです。

果実の間引き(4月〜5月))

開花して実ができたら、葉っぱ20枚につき実1個、もしくは枝15cmに実1個がなるように、また、全体に満遍なく実を残すように実を摘みます。この間引き作業をしないと成熟する前に落ちてしまいます。

実をつけすぎると、翌年の実付きが悪くなります(隔年結果)。あまりに実をつけすぎると株が弱って、他の要因と重なって枯れこむこともありますので、摘果はやっておきましょう。

剪定(12月〜2月)

春に伸びた枝に花芽ができ、それが翌年の春に開花し6月7月に収穫することになります。剪定は落葉する冬に行うのですが、冬に剪定するとどう切っても花芽を落とすことになりますので、剪定は不要な枝を落とすようにします。

邪魔な枝・妙な方向に出ている枝・枯れている枝を落とし、徒長枝を落とします。徒長枝はニョキニョキと伸びるばかりで、葉っぱも花も少ないです。短い枝を残して徒長枝は切ってください。もしくは長い枝葉20cm〜30cmに短く切り詰めます。また、古い枝(3年くらいたったもの)も落としてください。古い枝も花が咲きづらいです。

芯止め(冬か夏)

放置していると5mから8mの高さになるので、頂点を切って大きくならないように調整します(芯止め)。3mくらいにまとめましょう。芯止めは大きくなってから行うと、アンズの木を傷めるので、低いうちから定期的に行って、高さを抑えましょう。
芯止めは冬でもいいですし、7月〜8月に行ってもいいです。

台木が追い越す

アンズの苗は接木しています。なのでたまに台木が本来の品種を追い越して生えてくることがありますので、これは切って取り除く必要があります。

病気・害虫

黒星病、灰星病、黒粒紋枯病が発生します。アンズは涼しくて乾燥した夏を好む植物のため、中間地暖地では、これらの病気が発生しやすいです。春以降に殺菌剤を散布して予防するといいです。病気になったら病気部分を切除し「焼却」します。

アブラムシ・コスカシバ・シンクイムシカイガラムシが発生します。コスカシバは幹の中を食べてしまいます。幹に穴が空いていて、オガクズが落ちていたらコスカシバです。針金を突っ込んで刺し殺すか、薬剤を散布します。

木が裂ける
木が裂けて来ることがある。生育が良すぎるのか?なんなのか分からない。樹液が出ているようなら殺菌剤・癒合剤(トップジン)でも塗っておく。放置で問題ないです。

特徴・由来・伝承

アーモンド・梅(ウメ)・スモモの近縁種で交雑する。花が綺麗で花見の対象となることもあります。サクラより早い3月4月に開花し、6月7月あたりに収穫する。学名の「プラナス」はスモモを表す「プラム」が語源。アンズという名前は、漢字の杏子の読みとも、甘酢梅(アマスウメ)が転訛してアンズになったという説もある。杏仁豆腐の風味づけはこの杏子の種子からするのが本来(現在はアーモンドで風味づけしているらしい)。中国原産。平安時代には日本に渡来。
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