ナスビの育て方

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ナスビの基礎データ
ナスビ
科名ナス科
属名ナス属
学名Solanum melongena L.
別名ナス・Egg Plant
水やり水を好む
場所外の日なた
難易度中級者向け
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開花
植え
肥料
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ナスの特徴は?

ナスはナス科ナス属の野菜。食物繊維が多く、料理として色々と利用される。英語で「エッグ(=卵)プランツ」と呼ぶのは欧米では白い茄子がよく流通しているため。ナスは丸・卵・中・長・長形、皮の色合いも他種あり、毎年違うものを植えても楽しいです。紫の花が咲きます。

夏の暑さに強く、日当たりがよく、十分な肥料があり、水切れさえしなければ大量に収穫できます。他のナス科植物と連作障害を起こすので、過去にナス科植物を植えていない場所に植えます。
草丈1m前後
生育温度23度〜28度
発芽温度25度
ナス苗
ナス苗の購入はこちら
まとめ
●5月あたりに苗を植える。
●一般家庭なら直径30cmの鉢に苗一つで十分収穫がある。
●日当たりで栽培する。
●水を好む。水を切らさないようにする。
●肥料ぐいなので肥料を切らさないようにする。
●日光・水・肥料が不足すると変な実ができたり、変な花が咲く。環境を見直しましょう。
●7月前後に更新剪定をする。

2月の作業

種まき(プロしかしないけど)

一般的な…というか一般家庭では苗を植えるものなので、普通は種子から育てない。苗作りの種まきは2月下旬から始めるもので一般家庭ではやらない。

種苗箱に土をしきつめ、土に深さ1cmの溝を8cm〜10cm間隔でつくり、その溝に5mm間隔で種子を置いていき、その上に土をかぶせ、水をやります(土が流れないように)。あとは25度以上を維持すると1週間ほどで発芽する。本葉が2枚になったらポットに移植して本葉が8枚になったら畑や大きな鉢に植える。本葉が8枚になると花が咲きはじめる。ここまで種まきから2ヶ月ほど。
●種まきから収穫までは4ヶ月(品種にもよるけど)。種まきして苗を作るのはプロの仕業。
●ナスの種子は休眠打破して発芽するが、市販されている種子はすでに休眠だはされているので、不要です。休眠打破するには、1日20度の水につけて吸水して、冷蔵庫で1日寒さに当ててから種まきをします。

4月〜5月の作業

畑で作る場合の土づくり・畝づくり

ナスビ:畑で作る場合の土づくり・畝づくり
苗を植える2週間前に20cm〜30cmの深さまで掘り、その土に苦度石灰を混ぜ、よく耕作する。植え付ける1週間前に堆肥(元の土対して4割ほど)・元肥(化成肥料を1平方mあたり150g)を入れてよく耕す。植え付け前に畝をつくる。

畝は高さ20cmほど、畝幅120cmから130cmにします。この中央に80cmで苗を植えていきます。畝には黒ビニールマルチをするといいです。黒ビニールマルチは泥の跳ね返り・乾燥を防ぎ、地温の低下を防ぎます。もしくは藁(ワラ)を敷きます。藁も泥の跳ね返りと乾燥を防ぎます。
●ナスは同じナス科と連作障害を起こすので、過去二年か三年にナス科を植えていない場所に植えること。連作障害を起こすと、病気になりやすくなり、害虫も増え、治療改善することのない青枯病や半身萎凋病が発生・蔓延しやすくなります。
●ナスは水を欲しがりますので、水はけが良すぎるとうまく生育しません。堆肥を入れて、保水がしっかりとできるようなフカフカな土を作りましょう。
●石灰を2週間前、肥料を1週間前に入れるのは、石灰と肥料が化学反応を起こしてアンモニアが発生するからです。同時に入れてはいけません。

植え付け時期

霜が降りなくなってから植える。4月には苗が出回るが植えるのは5月以降が無難。ナスの苗自体は5月以降も流通しているが、古いし、あまりものなので、早くに購入して暖かいところで保管しておいて、5月に植え付けてもいい。
●鉢植えの場合は、4月に鉢植えにして、そのまま管理するでいい。

苗を選ぼう

苗は1月くらいから作り、実際に店頭に並ぶのは4月。ナスは収穫が多いので植える人が多いので、早めに店頭で購入した方がいいです。野菜・果実の収穫は品種と苗の品質に大きく左右するので、早めに行って、できるだけ良質な苗を買った方がいいです。葉っぱが肉厚で、茎が太く、できれば花が咲いているものが好ましいですが、まぁ、これは素人目でも「元気」なものを選べば間違い無いです。
●ナスはうまくすると1株で100本〜150本ほど収穫できるらしいが、これはプロ農家しかできない理想値。実際は品種にもよるがワンシーズンで10本から最大で30本くらい。それでも多い方。一桁の人も多い。冷静に考えて、去年、ナスを何本食べましたか?苗は一つか二つで十分でしょう。
●一般的に出回っているナスの苗は接木している。接木に使われるものはトナシムというナスの品種が多い。
コンパニオンプランツとしてバジル、ネギ、ラッカセイソルゴー生姜ショウガ)と一緒に植えるといいです。逆にジャガイモは近くに植えてはいけない。詳細はコンパニオンプランツを参考に。

鉢・プランターの用土

一般的な花と野菜の培養土でいいです。中性の土を好みます。必ず新しい土で植えてください。

鉢植えの植え付け

水切れが怖いので、直径30cmの尺鉢に1苗を植える。水切れを起こしやすくなるため二つも三つも苗を植えないでください。鉢の底の穴を網などで塞ぎ、その上に軽石を3cmほど敷き、その上に用土を入れます。その上に苗を入れ、隙間に用土を入れ、最後に水をしっかりとやる。水は鉢底から水が滲み出るまでしっかりとやること。
その上に支柱をたてて、支柱に軽く、くくりつけます。
●植え付けして1週間は水やりはしっかりとやる。でないと根が土に馴染まない。
●植え付け後、夜中に10度以下に下がる時期なら、寒冷紗などでつつんで保温する。
●植え付け後に夜に10度以下になるなら苗の周囲四方に柱を立てて、ビニールを切って囲って「行灯(あんどん)」を作る。行燈の高さは40cmか50cmあたり。
●10度以下になっても枯れるというわけでもないが、ダメージが残り、その後の生育が悪くなるので避けたい。

4月から10月の作業

水やり

ナスは水切れすると、生育が止まり、花が咲かなくなり、葉っぱがダランと垂れる。「ナスは水で作る」ってくらいに水を欲しがる。葉っぱに水をかけ、葉裏にも水をかけるとハダニの予防にもなるので、できるなら葉水をするといいです。

乾燥時期(7月下旬〜9月上旬)は朝と夕方の2回、では足りなくなり、土が乾いたらすぐやるくらいに水をやる。畑の場合は、畝の端に溝を掘って灌水(=水を張る)するくらいにしっかりとやる必要がある。実が変な形状だったり、花が落ちるなど、水が切れると収穫が悪くなる。
●葉っぱの裏への水やりは、ジョウロではできないので、霧吹きでやる。
●日光・水・肥料など条件が悪化すると症状が出てくる。めしべの生育が悪くなり、受粉しにくくなり、実ができても変な形状になる(ボケナス)。

脇芽かきで制限する

ナスビ:脇芽かきで制限する
ナスは放置していると脇芽がどんどん出ます。この脇芽に、花咲いて実がなる。なので脇芽は収穫するために出させるのですが、全ての脇芽を出るがままにしていると、花が大量に咲いて、小さな実しかならなかったり、たくさん出来すぎて株が弱ってしまうので、脇芽をかいて二本仕立てか、三本仕立てにしていきます。
●一番最初に咲いた花の下の脇芽は取り除く。
●最大でも四本仕立てくらいにしておきましょう。たくさん枝分かれさせると株が弱って秋まで持たない。
●大量に脇芽が出てしまって、株が大きくなったら、更新剪定(=株全体を半分に切り戻す)してリセットする。7月後半あたりの実なりが鈍くなってきたらやる。
●実を収穫するときに、実がついた傍枝も一緒に切って仕舞えば、枝分かれせず、更新剪定も不要。
●しかし初心者というか…ガーデナーとしてはなかなか、健康な枝を切るというのは少なからず抵抗があるもので、その感情に逆らえず、大量に枝分かれしたら更新剪定をするって感じかなーと思います。

摘果・摘花で収穫を制限

小さいうちに結実すると苗に負担がかかり、生育が悪くなります。一番最初の花・実は取り除いてしまいます。また、7月以降の高温時期はナスにとっても辛いため、結実を続けていると負担で株が弱ってきます(株が弱るボケナスになったり、実が小さく太らない)。そうなると、実を取り除いて株の負担を減らす必要が出てきます。
●一番花は取り除くのが一般的ですが、残す派の人もいます。残す派の主張としては「株になり癖がつくから」というもの。確かに、実をつけることで結実しやすくなり、収穫が増えるのです。これは嘘ではありません。しかし、一番花をとりのぞくのは株への負担を減らすためです。つまり、一番花を結実させても株の勢いにほとんどダメージがないなら結実させてもいいってことです。逆に、二番花・三番花をつけたときにまだ成長が鈍くて勢いが弱いのであれば、二番花・三番花も摘花・摘果します。つまり、一番花を摘花するかどうかは状況によるってことです。株の様子を見て判断しましょう。
●20度以下になると花が咲かず、仮に結実しても太らない。

7月〜8月の作業

更新剪定

6月から10月まで収穫できるとしていますが、生育温度は25度くらいで、30度を超える時期(7月後半〜8月)はあまりの暑さで株が弱り、花が咲かなくなったり、実が落ちることもあります。ここで無理に抵抗して収穫しようとするのではなく、株全体の半分を切り戻してしまいまう方がいいです(更新剪定)。

更新剪定すると下葉の根元から新芽が出てきて復活します。これで秋茄子の大量収穫を目指しましょう。更新剪定した後に、根切りを行う。

根切りもする
根切りは古い根を切ることで、新しい根を出させ、株を復活させる手法です。更新剪定で地上部を減らし、それに合わせて根も減らします。株から30cmほど離れたところにスコップを刺してブチっと切ります。鉢植えの場合は鉢の縁近くの土にスコップを刺してブチッと切る。肥料をやる場合は、そのスコップをさした外側にやる。
●一枝一果の収穫をすれば更新剪定はしないでもいい。更新剪定はリセットの意味合いがあるので、やってもいい。そこは株の様子を見つつ、判断しましょう。

7月〜9月の作業

収穫

開花して2週間から3週間で収穫します。ナスはほとんどの花に結実します。一般的にはヘタの上をハサミで切って収穫します。

その一方、一枝一果という手法もあります。一枝一果はヘタの上ではなく、実がなっている枝の根元から切って収穫すること。

ナスの花は脇芽が成長した傍枝に花がつき、結実します。この枝をそのままにしていると、傍枝からさらに脇芽が出て結実、その傍枝の脇芽から新枝が伸びて結実ってのを繰り返して三本仕立ての予定が十本仕立てや二十本仕立てになってしまいます。そこで、ナスの実は脇枝の根本から切るようにします。つまり、実を収穫するときは「枝を一本」剪定していることになります。新たな傍枝は、切ったところからまた出てくるので大丈夫です。これをすると更新剪定はしないですみ、継続して収穫できます。
●ヘタの上で切って収穫すると傍枝が残ってしまうので、傍枝の根元から切ってしまうといい。
●ヘタの上で切って収穫した場合は、更新剪定をしてリセットする。

管理場所

日当たりで管理する。

植え付けして2週間後に肥料をやり、その後も3週間おきに肥料をやります。肥料が切れると生育が止まり、花も止まる。よって収穫も止まる。一番最初の肥料は株から20cmほど離れたところに撒いて、土をよく混ぜる。1株あたり、化成肥料10g〜15gをやります。この1回目の肥料はマルチをしている場合はマルチを外してでも、穴を開けてでもやる。
2回目以降の肥料は鉢植えならば鉢の縁にやり、畑の場合は畝の端や通路にパラパラとまくくらいでいいです。
●ナスの根は地表の葉っぱの真下まで伸びています。肥料が直接あたると「肥料ヤケ」を起こすので、葉っぱの真下か、それよりちょっと離したところに肥料をやります。

病害虫

アブラムシ・ハダニ・アザミウマ(ミナミキイロアザミウマ)・テントウムシダマシ・カメムシ・オオタバコガなどが発生する。青枯病、半身萎凋病は発症すると治療はできないので、他の株に感染しないうちにその株を取り除いてください。
ウドンコ病やハダニは株が健康だと発生を抑えられるので、環境(密に植えていないか?水やりが少ない・日当たりが悪い・肥料不足など)を見直した方がいい。

うどんこ病
葉っぱに白い粉をふく病気で原因はカビです。風通しをよくして、葉っぱに水をあててやると予防できますが、ウドンコ病の原因カビはそこらへんにいるので、ある程度は発生します。発生した箇所が少ないなら取り除いて、焼却します。そこらへんに捨てると別の葉っぱにも感染しますので。

スズメガ
スズメガの幼虫がナスの葉を食べる。超どでかい芋虫でなおかつ、食欲が旺盛。目を離すと1日で丸坊主になることもある。発見次第、フミツブース。蛾になると結構、かわいいけど。

ハダニ
小さなダニで、葉っぱの汁を吸って弱らせる。乾燥すると発生しやすいので、葉っぱに水をかけるとある程度は予防できる。ハダニはある程度は放置の方がいい。
使える農薬コロマイト


ホコリダニ
ハダニの仲間でやはり乾燥すると発生する。毎日、葉っぱの裏に水をかけると予防できる。雨が多い年は発生が少なくて済む。
使える農薬モベント(アザミウマも駆除)、コロマイト、カネマイト、ダニ太郎、アーリーセーフ


アザミウマ(スリップス
葉っぱを削って食害する甲虫で、いったん増えると爆発的に被害が大きくなります。
使える農薬ベストガード、マラソン

雑記

●めしべが長い状態が健康な花で、めしべとおしべが同じ長さになると受粉が難しくなり、受粉しても、うまく受粉し切っておらず硬いナスになりがち。これは日光・水・肥料の何かが不足しているため。条件を見直しましょう。
●艶の悪くて、なんかレザーのような質感の変な実ができます。これをボケナスを呼びます。これは日光不足・水不足・肥料不足などが原因です。
●気温が高すぎて、株が弱ったり、その他の条件の悪化で株が弱ったら、果実を小さいうちに収穫して株の勢いが戻るのを待ちます。もしくは更新剪定や根切りをして株を復活させます。
●下葉はできれば取らない。よほど汚くなっていなければそのままにしておく。葉っぱが多いほど栄養が作られ、その分だけ勢いが強くなるので。
●10度以上で管理すると越冬できる。越冬させれば春以降にスタートダッシュで収穫できる。普通はしないけど。
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