テントウムシ(天道虫)を使って害虫駆除も可能?生態を解説
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益虫です
テントウムシ(天道虫)はテントウムシ科の昆虫の総称。子供のころから良く見る赤いボディーに黒い星の超目立つ容姿は、愛らしく、特撮ヒーローのモチーフになったり、アニメキャラクターのモチーフになったりと非常に人気。幼虫の時は全く違う姿です。
ところが、あの目立つ姿かたちにはちょっとエグい理由があります。敵に襲われると間接部分から異臭と苦味のある体液を出して、身を守ります。つまりあの容姿は「俺は危ないよ、苦いよ、臭いよ」と警告しているってことです。ちなみにテントウムシに擬態する虫もいます。
卵
葉っぱに黄色い卵を生みつけます。
幼虫
卵から孵ったテントウムシの幼虫はこんな姿です。成虫とは全然違いますが、成虫と同じく
アブラムシを食べます。
サナギ
サナギになり、しばらく動かなくなります。
成虫
サナギから成虫になり、卵をうみつけ〜というサイクルを繰り返します。黒地に赤も、赤地に黒星も基本的に模様が違うだけで性質は同じテントウムシで、交配して変な模様のテントウムシがいることもあります。
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テントウムシはアブラムシを食べる
テントウムシはアブラムシを食べます。
アブラムシは植物の汁を吸い、場合によっては枯らすこともありますし、新芽にたかって新芽を歪にさせ、生育不良を起こしたり、排泄物に
スス病を発生させることもあります。普通は薬剤で駆除しますが、テントウムシが飛来してくれれば、アブラムシは駆除されないまでも、被害は抑えられます。
ジャーマンカモミールでテントウムシを呼ぶ
そこでアブラムシを駆除するため、テントウムシや同じようにアブラムシの
天敵であるヒラタアブを呼び寄せるために、アブラムシが大量に発生する「
ジャーマンカモミール」を近くで栽培していると、テントウムシ・ヒラタアブが飛来して、アブラムシをムシャムシャと食べてくれます。
カモミールの育て方については
を参考に。
菌類を食べるテントウムシ
キイロテントウムシ
テントウムシはアブラムシを食べます。アブラムシを食べるだけでもありがたいですが、テントウムシといってもいろんな種類がいて、
キイロテントウムシ・シロホシテントウムシはウドンコ病を食べます。
キイロテントウはパッと見、「
カメムシ」っぽいですが、ウドンコ病を食べてくれる益虫。誤って殺虫剤で殺さないように。ウドンコ病は葉っぱが白く変色するものです。ウドンコ病が発生するとどこからともなく現れ、食べつくして去っていきます。幼虫も成虫もウドンコ病を食べます。
シロホシテントウ
シロホシテントウムシもウドンコ病を食べてくれます。なんだか珍しいし、色合いも独特でテントウムシっぽくないですが、テントウムシでかつ「益虫」です。日本では沖縄以外で自生しています。
当店で長い間勤めているAさんは花屋さんでありながら、長い間農家もやっています。そんな人でもウドンコ病を食べるなんてこと初耳だったそうです。
害虫を食べるテントウムシ
カメノコテントウ
カメノコテントウムシは日本中国に自生するテントウムシの一種で、
クルミハムシ・ヤナギハムシなどの幼虫を食べる。
害虫のテントウムシ
テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)
テントウムシダマシ=ニジュウヤホシテントウは葉っぱを食べる
通称テントウムシダマシという種類がいます。本当の名前はニジュウヤホシテントウ。28個の星がある、通常のテントウムシよりツヤがありません。
テントウムシダマシは
ナス科の植物を専門に食べます。つまり
害虫です。テントウムシは益虫という思い込みから、テントウムシダマシという名前で呼ばれるよう。可哀そうかも。ちなみに
ワルナスビという
雑草があり、このしつこい悪質な雑草はナス科でこれを放置しているとテントウムシダマシが食害し、そこで増えたテントウムシダマシが
家庭菜園にやってくるという地獄の循環を作ることがあります。
テントウムシダマシは甲羅に産毛が生えているので、ツヤツヤしていません。模様がボンヤリしています。たくさん星があってもツヤツヤしていたら、ナナホシテントウの模様が多いだけです。ここ大事です。
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