ジャーマンカモミールの育て方
目次
ジャーマンカモミールとは?コンパニオンプランツであり植物のお医者さんとも水やり肥料栽培手順管理場所・日当たり収穫病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ジャーマンカモミール
- 科名
- キク科
- 属名
- シカギク属
- 学名
- Matricaria chamomilla
- 別名
- 加密列・ワイルドカモミール
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 初心者向け
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ジャーマンカモミールとは?
ジャーマンカモミールは
キク科の
一年草。略してジャカモ。一般的に単に「カモミール」といったらこのジャーマンカモミールを指しています。カモミールにはもう一つ「
ローマンカモミール」があり、ローマンは
ハーブティーに向かず、
多年草ですが夏に消えてなくなりやすいです。
ジャーマンカモミールの開花は春(3月〜6月)。香りがあるのは花だけで、葉っぱにはなく、ハーブティにする場合は花を使うので、収穫期は開花時期と同じ(3月〜6月)。花が終わると枯れこんできます。しかし、
こぼれダネで、翌年以降も花が咲きます。しかし交配の為に徐々に性質が鈍くなり、香りが弱くなりますので、毎年香りの強いジャーマンカモミールが生えてくる訳ではなく、香りが弱くなってきたら引っこ抜いて、
種子を蒔き直しましょう。
秋蒔きした際の早春の生育速度はすごい早いです。1日1cm〜2cm成長する。
草丈50cmほど。
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コンパニオンプランツであり植物のお医者さんとも
ジャーマンカモミールには
アブラムシが大量につきます。他の植物にアブラムシがつかずにジャーマンカモミールに付きます。身代わりというか生贄ですね。で、大量についたアブラムシを食べに
天敵のヒラタアブとが飛んでくるため、他の植物のアブラムシ対策として植えられることがある。そのため、植物のお医者さんと呼ばれる。
タマネギを近くに植えるとタマネギの生育を促進します。
その他の
コンパニオンプランツについては
コンパニオンプランツを参考に。
水やり
鉢植えの場合は、土が乾いたら水をやります。乾燥させると生育が鈍くなりますので、極端に乾燥させないようにします。かといって、あまり過湿にすると
根腐れを起こします。鉢植えにした場合、水のやりすぎに注意してください。
庭植えにした場合は、自然に降る雨だけでほぼ大丈夫。あんまり乾燥するようなら水をやります。
肥料
肥料は種を撒く時や植え付ける時に土に緩効性肥料を元肥として少量混ぜ込んだら、あとは肥料はやらないていいです。肥料が多いと香りが鈍くなりますし、花も減り、徒長してヒョロヒョロになり、ただでさえ多いアブラムシが余計増える。
窒素の多い肥料をやるとアブラムシが増える。肥料が多いと花が咲かないこともある。
栽培手順
種まきの時期
春か秋に種を撒いて育てます。種子が小さいので注意します。発芽温度は15度〜20度。種まきの時期は春(3月〜4月)か秋(9月〜10月)。春蒔きするとすぐに開花するため、花が少なくなり、収穫が少ないので、秋蒔きがおすすめです。春蒔きする場合は、出来るだけ早く…2月に種まきして室内で管理して苗を作って、春に植え付けるといいです。
用土・土づくり
酸性の土を嫌うので、植える(種蒔きする)2週間前までに
苦土石灰を混ぜ込んでおきます。植え付けの1週間前に
腐葉土か
堆肥を2割ほど混ぜて
用土を作ります…なんて書きましたが、そんなに土質を選ばないです。土づくりなしに種子を蒔いてもまぁまぁの確率で発芽します。
一般的な
培養土でもいいですが、一般的な培養土はジャーマンカモミールには栄養が多すぎるくらい。培養土に
パーライトか川砂を1割か2割ほど混ぜたくらいがいいです。もしくはハーブ用の土で植え付けます。
種蒔き(9月〜10月)
種子を適当に蒔いて、うっすら土を被せて、水をやると、数日で発芽します。種苗トレイなどで苗を作らずに、庭に適当にまいても生えてきます。水は霧吹きでやると種子が飛ばない。種子が小さいので発芽した時の芽も小さいです。苗から作って植えるのであれば株同士は密生を避けて30cmほど空けて植える。
秋に種まきしてから2月まではほとんど変化がない。3月以降に一気に成長する。2月までは地表では分かりませんが根がしっかりと伸びていて、春以降の準備をしています。
●ジャーマンは
発芽率が若干悪く、種まき→発芽→双葉→本葉が出てくるまでは蒸れに弱い。本葉が出るまでいければあとは栽培は簡単。
●環境が合えば、こぼれダネでも増える。種子が非常に小さく、飛ばされて結構な範囲に広がるため、他の鉢や庭の思いもよらないところから生えてきます。一度植えると毎年生えてきて困るかもしれない。
管理場所・日当たり
日当たりで管理します。
半日陰ではダメ。暑さに弱いですが、真夏が来る前にはジャーマンカモミールの花期は終わります。花が咲き終わったら枯れてしまう一年草なんで、気にせず、しっかりと日に当てて花を咲かせましょう。
風通しが悪いとアブラムシが発生しやすいです。風通しがよい場所があるならばそちらで管理しましょう。
耐寒温度はマイナス10度〜マイナス15度で北海道でも問題ない。
収穫
ジャーマンカモミールは花を咲かせると種子を作ろうとし、種子に栄養を回すために、次の花が咲き辛くなる。そこで花が咲いたら、花びらが反り返る前に、どんどんこまめに収穫していくと、開花量(=収穫量)も増える。また、
摘芯にもなって脇芽が出て、さらに収穫量が増える。
細かい収穫が面倒なら、全体がしっかりと開花したら茎ごと切って収穫します。
花をハーブティにするのが一般的。カモミールのハーブティにはリラックス効果があり、カモミールの花をミルクで煮出す「カモミールミルクティ」は就寝前に飲むと安眠できるとされます。虫がついていることが多いので、収穫後にチェックしましょう。
ドライハーブにもできます。風通しの良いところで干してもいいし、電子レンジで加熱して水を飛ばしてもいいです。乾燥させると匂いが濃くなって、その匂いが不快かもしれない(人による)。乾燥させて、シリカゲルと一緒に瓶に入れて密封していると長期間保存ができる。
●香りがあるのはジャーマンカモミールの花だけだが、単に「お茶」にするなら、葉を乾燥させてジャーカモミール葉茶にしましょう。
●環境が合えばこぼれダネでよく増え、
雑草化する。外国では実際に雑草。
水捌けのよい土を好むようで、逆に水捌けの悪い土だと、一代は広がるけど、来年は生えてこないことが多い。
●香りを楽しむだけならジャーマンカモミールよりローマンでもいいし、観賞用なら花が似ているマトリカリアの方が育てやすい。
参考:
ハーブティーにできる家庭菜園で育てやすいハーブ病害虫
ジャーマンカモミールの病
害虫は主に
ウドンコ病とアブラムシ。主にアブラムシ。他にも
ハダニ・
アザミウマ(
スリップス)・
バッタ・
コガネムシの幼虫の被害はありますが、主にとにかくアブラムシ。
ウドンコ病
ウドンコ病は白い粉のようなものが葉っぱに出る。発症したら、病変部分を切って捨てましょう。そこら辺に捨てずに廃棄しましょう。密生していると発生しやすいので、間引いて風通しをよくするといいです。株が健康なら発症しても治ります。
アブラムシ
アブラムシが非常によくつく。トラウマになるくらいにビッシリ。ハーブティにするなら、薬剤は使えず、こまめに
テデトール(捕殺)するしかない。室内で管理してもアブラムシは発生する。戸外で管理していると、ヒラタアブ・
テントウムシがアブラムシを取り除いてくれます。なのでアブラムシの
天敵をおびきよせ、庭のアブラムシ駆除のためのコンパニオンプランツとして植えることもあります。アブラムシがたかると
蟻(アリ)もやって来ます。肥料が多くてもアブラムシは増えます。
アブラムシは飛んでくるのですが、近くにキラキラしたものがあると近づかない。なのでジャーマンカモミールの近くにCDをぶら下げたり、アルミホイルなどを置いていると予防できる。
特徴・由来・伝承
ハーブの代表カモミール。一般的にカモミールと一口にいった場合、それはジャーマンカモミールを指します。ジャーマンカモミールはハーブティーとして飲まれます。キク科の一年草。甘い香りがします。カモミールには側に生えている植物を健康にする効果があるとされていて、コンパニオンプランツとして植えられることもあります。
ローマンカモミールとの違い
ジャーマンカモミールは一年草でローマンカモミールは多年草。
学名を見ると分かりますが、両者は同じキク科ですが、ジャーマンはシカギク属、ローマンはローマンカミツレ属と属が違います。ローマンは草丈が低く多年そうなので
グランドカバーにも利用されますが、ジャーマンは草丈が80センチ前後と高いです。ローマンは葉や茎にも香りがありますが、お茶にすると苦みがあります。ジャーマンは花にしか香りがありませんが、お茶にすると苦みがありません。
ジャーマンカモミールには炎症を鎮める成分のカマズレン(アズレン)が含まれているが、ローマンカモミールにはそれがない。
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