フェイジョアの育て方
目次
フェイジョアとは?水やり肥料植え付け・植えかえ管理場所・日当たり剪定人工授粉(5月〜7月)収穫(10月〜11月)病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- フェイジョア
- 科名
- フトモモ科
- 属名
- フェイジョア属
- 学名
- Feijoa sellowiana
- 耐寒
- マイナス10度
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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フェイジョアとは?
フェイジョアは
フトモモ科のパラグア・ブラジル・ウルグアイ・アルゼンチンなどの中南米原産の常緑
低木。ニュージーランドに持ち込まれて品種改良され、現在のような品種に至っています。塩害に強く、ニュージーランドでは暴風林として利用されています。種類によっては7メートルになることもありますが、一般的にはせいぜい3メートルと手ごろな大きさにしかならない。実が付くまでに3年から5年かかります。
初夏に開花し、10月〜11月あたりに収穫になります。花びらも甘味があり食用とされます。花が甘いのは花びらをハチドリなどが食べることで受粉するため。
寒さにつよく、成長しても3メートル。花が咲いて、実が付くこともあり、
剪定にも強い。病
害虫にも強い、といいことづくめです。ただ、枝が柔らかくて、横風に弱いことと、剪定が面倒で結実させようとすると手間がかかる。ただ、収穫を目的としないなら、問題ないです。ちなみに常緑で、花も咲くので、庭木として適しています。
結実させるには2品種を植えないといけません。果実はそんなに美味しいものではないので、一般的には庭木・生垣に植えますね。
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水やり
鉢植えならば、土が乾いていたら水をしっかりとやります。水をやりすぎると根が腐りますので、土が濡れている間は水を控えます。
庭植えであれば、自然に降る雨だけでほぼ大丈夫です。
日当たりで育てるので、真夏に根本に日光があたって乾燥して根をいためてしまいます。そこで根本に
腐葉土やワラを敷いて蒸発を防ぎます。これを
マルチングといいます。
肥料
肥料は3月の新芽が出始めるときと、収穫後に緩効性肥料(化成肥料)をやります。それとは別に花が咲いている時期に緩効性肥料を気持ちパラパラとやります。肥料を必要とし、肥料が少ないと収穫が減るので、枝が増えるに応じて肥料を増やしてください。
植え付け・植えかえ
時期・頻度
植え付け時期は3月から4月。これは苗木から芽が出る直前だからです。フェイジョアは寒さに強いのですが、苗木のうちは寒さに当たると枯れることもあるので、植えるのは春にしましょう。霜が降りない
暖地であれば10月前後でもOK。
鉢植えの場合は2年に一回は植え替えをします。
収穫するなら2品種を植える
フェイジョアは遺伝的に違う個体と受粉しないと結実しない(自家不和合性)ので、違う品種を複数増えます。クーリッジなど品種の中には
一本で結実する自家結実性(自分の花粉でも結実する)もありますが、それでも他の品種と受粉した方が実つきもよくなりますし、大きくなりますし、おいしいものが出来ますので、必ず2品種植えましょう。
苗を買うときに、苗の品種がハッキリしているものを買ってください。セールス品でタグがついていないようなものは買わないようにします。でないと分からないままに同じ品種の苗を植えているということがあります。
●マンモスやトライアンフという果実が大きいものがよく流通しているが、大きいが味が雑で、小さい方が美味しい傾向がある。
用土
土質は選びません。鉢植えであれば、一般的な花と野菜の
培養土で植えます。庭植えの場合は庭土に腐葉土や
堆肥を混ぜて植え付けてください。
庭植え
幼木のときは寒さに弱いので、霜が降りる地域では鉢植えにしておいて、冬は室内に取り込む方が無難です。
深さ50cm〜70cmの穴を掘り、掘り出した土に腐葉土か堆肥を2割ほど足して、化成肥料を規定量入れて、
用土とします。できれば、一週間寝かせて土を馴染ませるといいです。
穴に土を半分戻し、苗を入れます。このとき根をほぐしておきます。ほぐしておかないと数年後に突然枯れることがあります。あとは隙間に用土をつめていき、最後にしっかりと水をやって完成です。
フェイジョアは幹や枝が柔らかくて、強風に吹かれて折れることが十分あります。折れてもちゃんと管理していれば新芽が出てきますが、心が折れそうになるので、前もって支柱をしてあげましょう。
鉢植え
現在の鉢より1号か2号大きなものを用意し、植え替えます。土を落として、同じ大きさの鉢に植え替えることも可能です。
古い鉢から株を取り出し、古い土を3分の1ほど落とし、傷んだ根を取り除きます。できれば地上部の枝と葉っぱを半分ほど落とすといいです。
新しい鉢の底の水が抜ける穴を鉢底ネットで塞ぎ、その上に鉢底石(
軽石)を3cm入れ、その上に用土を少し入れて、株を入れて、隙間に用土を詰めて、最後にシッカリと鉢底から水がでくらいにシッカリと水をやって完成です。
管理場所・日当たり
日光を好みます。必ず年間を通して日当たりで管理して下さい。
越冬
フェイジョアは熱帯性の植物なのにマイナス7度〜マイナス10度まで耐えられ、関東地方以南で露地植え栽培が可能です。でも、マイナス10度でも枯れないというだけで、強い寒さに当たると落葉します。春にはまた復活しますが、そのダメージから花つきが悪くなります。とにかく防寒はした方が無難です。
幼木のときは鉢植えにして室内に取り込めるようにします。庭植えにしてしまったら、どうしようもないのでそのままです。枯れるわけではないので、気にしないようにします。
収穫時期が11月前後で地域によっては霜が降ります。フェイジョアの木は霜でも枯れないのですが、果実は寒さに当たると傷んでしまいます。なので果実の収穫を狙うのであれば、みかん栽培ができるような暖かい地域が適しています。
フェイジョアは7度以下の気温に100時間当たると実つきがよくなるとされています。11月前後に7度以下になる場所では実つきがよくなります。
剪定
基礎知識
フェイジョアは、花が咲き終わった8月から9月にすでに翌年の
花芽が出来ています。収穫時期が11月ですから翌年の花芽とその年の果実が同居しているわけです。なので、花芽ができる前に剪定すると、現在の花を落とすことになるため、全く花を減らさずに剪定することはできません。
混合花芽
フェイジョアは春に延びた枝先に8月ごろに芽をつけます。この芽が春先に新芽を出し、その新芽が伸びた枝の根本近くに花をつけ、結実します。つまり、8月頃につける「芽」に翌年の花芽が含まれて居ます。これを混合花芽と言います。
間引き剪定(3月〜4月)
発芽前の3月〜4月に行うといいです。
フェイジョアの基本的な剪定は「不要な枝を落とす」ことで樹形を整える剪定にとどめます。1.5メートルくらいに育つまでは主幹となる太い枝を一本伸ばすように剪定し、その後は小さな枝や邪魔な枝、下向きに生えた枝などを裁きつつ、主幹から分かれた枝が増えるように剪定します。
摘芯のための剪定(6月)
花芽ができる前の6月に敵芯をして、枝を増やすことで今後の収穫を増やします。6月に枝先から、その枝に葉っぱが10枚残るように
切り戻します。すると脇枝が出てきますので、その脇枝も葉っぱが十数枚になったら、10枚残るように切り戻します。
人工授粉(5月〜7月)
花が咲く時期が梅雨で花粉が雨に流されやすく、違う品種のフェイジョアを植えていても受粉しづらいです。そこで、筆などで人工授粉してやります。開花時期は毎日、毛ハタキでポンポンと擦ってあげるといいです。
受粉が不完全だと、結実しても落下します。この生理落果は7月にはあらかた終わってしまい、落ちなかったものは大きく太り、熟していきます。
ちなみにフェイジョアの木の数が増えると人工授粉しなくても、受粉の確率は上がっていくので可能であれば何本か植えるといいです。
収穫(10月〜11月)
熟すと落果しますので、落下したものを拾っておき、そこから常温で一週間ほど寝かせると果実がやわらかくなり食べごろになります。落ちた時に傷がつくので、敷き藁を敷いておくといいです。
もちろん、落果する前に収穫できればよいです。軽く引っ張っただけで実が取れるようなら熟しているので、収穫の目安にしてください。
病害虫
コウモリガ・
ハダニ・
コナジラミ・
ハマキムシ・ゾウムシなどが発生することがあります。特にゾウムシが葉・ツボミなどを食害します。
特徴・由来・伝承
熱帯地方の果実。なのに耐寒性が高くマイナス10度まで耐えます。花も美しく(美しいというか強烈)、また果実がなり病害虫にも強く、常緑で低木という利便性の高さから世界中で庭木にしたり公園に植えたりと、よく見かける。
ただし果実が出来るには、遺伝的に異なる個体としか受粉、結実しないために収穫するためには別の苗木が必要。自家受粉するものもあるが2種植える方が収穫は多くなります。
フェイジョア?それ美味しいの?
香りが強く、独特の食感、甘さ控えめ。正直、まぁまぁです。世の中にこれだけ美味しいものが溢れていると見劣りする感じです。フェイジョアは実がなるまではそこそこ時間が掛かりますが、成木になってからは、タワワに実り、近所におすそ分けしても余り、貰った人が処分に困るほど。
庭木として優秀
とにかく鉢植えにしても庭植えにしても、優秀ですので実がなるかならないか、美味しいか美味しくないかは別として育ててみてはいかがでしょうか? 最近は切り花としても花屋さんで扱われていますので、フラワーアレンジや生花をする人はいいかもしれません。
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