クヌギの育て方
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ブナ科 …
最終更新画像投稿クヌギの基礎データ
- 科名
- ブナ科
- 属名
- コナラ属
- 学名
- Quercus acutissima
- 別名
- ツルバミ、櫟、柞、橡
- 水やり
- 乾かし気味に
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- チャレンジャー
クヌギとは?
クヌギはブナ科コナラ属の樹高15m〜20mになる落葉高木。岩手県より南に自生しています。春に開花。それがドングリとなり(ただし結実から熟成まで二年掛かる)、冬には落葉。季節感のある植物です。といっても観賞価値はさほどでも。秋に紅葉するが美しくない。雌雄同株で雌雄異花、風媒花です。よって「クヌギ花粉のアレルギー」の人も居ます。庭木としては生育が早く、一般家庭の庭では手に終えないし、毛虫が発生し、落ち葉がすごい量になる。落葉広葉樹の評価が高まり、山にクヌギ・コナラを植えることが増えています。山ならいいと思います。
アベマキとよく似ている。アベマキの方が乾燥に強い?という話も。水やり
自生している植物ですから、一旦根付いてしまえば水やりは不要です。
鉢植えの場合は土が乾いたら水をやります。肥料
庭植えの場合は肥料は不要です。
鉢植えの場合は、生育のために2月に緩効性肥料をあげます。3年目以降は大きくなりすぎるので肥料を控えてください。
植え付け・植えかえ
時期
植え付け・植え替えは落葉時期(11月〜3月)に行います。用土
市販の花と野菜の土で植え替えます。庭植えの場合は、常識的な土であれば大丈夫。庭土に腐葉土か堆肥を足して、水はけが悪いなら川砂などを入れて水はけをよくして植え付けます。
庭植えの植え付けの手順
木の枝の先から1mの範囲に根が張ります。少々の広さの庭なら植えないほうがいいです。10年で建材に利用できるほど生育するというのは、あくまで建材目線の話で、庭木としては生育が早すぎます。生育した根が隣の家に侵食する。根が家の下に潜り込んで家が傾くということもあって、庭木としては現実的ではないです。
クヌギは肥えた土を好みますが、土質はあまり問題にしません。よほど水はけが悪いのでなければ、大丈夫です。
庭土を直径40cm〜80cm、深さ50cm〜70cmの穴を掘り、掘り出した土に必要であれば腐葉土か堆肥を2割ほど足して、1週間寝かせて馴染ませます。馴染んだら鉢植えで楽しむ
鉢植えで楽しむ場合は、普通の植物同様に植えれば生育します。小さい鉢ならば大きくもならず管理は楽です。植え替えのときは古い土を三分の一だけ落として、新しい土を足して同じ大きさの鉢に植え替えてください。管理場所・日当たり
日当たりを好みます。クヌギは暖地の植物と思われがちですが、東北の岩手・山形以南のどちらかというと北よりによく分布している。剪定
邪魔な枝を剪定するようにします。適期は落葉時期ですが、切り倒しても切り株から再生するくらいですから、邪魔ならいつでも切ってしまってもいいです。枝を落とすときは、枝分かれしたところや、根本からバッサリと切ってしまっていいです。
高さを抑えるために芯止めという剪定をします。芯止めについては以下のページを参考にしてください。
カブトムシ・クワガタが来る
クヌギは幹にカミキリムシや蛾が卵を産み付け、幼虫が幹を食べます。するとその穴を埋めるために樹液が染み出します。ここにカブトムシやクワガタがやってきます。またクヌギの葉っぱは腐葉土になりますので、ここにカブトムシ・クワガタの幼虫が成育します。
樹液に集まるのはカブトムシ・クワガタだけではなくて、蛾やカナブンも来ます。ただし樹液が出るほどの傷をつけるのは容易じゃない。また、春には葉に毛虫が発生し、それらの虫を食べにスズメバチが来ます。
ちなみに苗木を植えてカブトムシやクワガタが集まるまでは10年から20年掛かります。特徴・由来・伝承
クヌギの語源は「国の木」だとか「食の木(クイノキ)」「薪の木(クノキ)」「栗似木(クリニキ)」だとも。
ブナ科の木の実のことを「ドングリ」と呼びます。クヌギのドングリは渋みが強く、そのままでは食べられませんが、加熱することで食べられるようになります。縄文時代の遺跡からクヌギは見つかっているので土器で煮込んであく抜きをして食べていた、と思われます。
10年で木材利用が可能な大きさになり、伐採しても回復するので、里山では意図的に栽培された。薪、船舶材料、建材、家具材、シイタケ栽培、と利用価値が高い。ただし現在では利用されなくなり、放置されています。
「紅(くれない)は
移ろふものそ
橡(つるばみ=クヌギ)の
馴れにし衣に
なほ及(し)かめやも」
と、万葉集に大伴家持が読んでいます。スポンサーリンク
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