クロユリの育て方
目次
クロユリとは?水やり芽が出る3月から液肥を植え付け・植えかえ管理場所・日当たり種まきで増やす?病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- クロユリ
- 科名
- ユリ科
- 属名
- バイモ属
- 学名
- Fritillaria camtschatcensis
- 別名
- 黒百合
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 上級者向け
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クロユリとは?
クロユリ(黒百合・フリティラリアカムチャツカエンシス)は、北海道・カムチャッカなどの寒冷地を好み、高山地帯に生育する
球根植物です。クロユリには2種類あり、北海道・カムチャッカなどに成育する少し草丈の高い「エゾクロユリ」と、北海道~東北山岳部に生育する「ミヤマクロユリ」があり、両者は見た目はほとんど同じですが、染色体が違い、大きさと若干性質が違います。
開花の時期は北海道では6月から7月、本州では5月前後となります。クロユリは、花の形状が
ユリ科特有のもので、黒紫色の斑点が入った褐色の花びらが特徴的です。また、非常に強い悪臭を放ち、銀バエなどを呼び寄せるため、「スカンクリリー」とも呼ばれます。
クロユリは、球根を冬に植え、春になると芽が出て花が咲き、夏には地上部が枯れます。冬は球根が休眠しているため、地上部に変化は見られません。
春に芽を出して、花が咲き、夏には地上部が枯れてしまいます。冬は球根が活動していますが、傍目には変化がありません。よって地上部があるのは3月から6月前後の限られた期間だけです。
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水やり
春以降地上部がある間は、鉢植えの場合は土が乾いていたら水をやるようにします。一般的な植物と同じです。球根が腐ることがありますので、受け皿に溜まった水は捨ててください。
庭植え(地植え)の場合は、自然に降る雨だけでほぼ大丈夫です。
夏の水やり
夏は休眠状態で水をやりすぎると枯れてしまうのですが、かといって夏は乾燥しやすく、あまりに水を控えるとカラカラになって枯れてしまいます。夏はカラカラになる前に少量の水を与えます。秋(10月)には球根が動き始めますが、地上では変化がありません。ですが、この時期から頻度を上げて水をあげましょう。ただし、過剰な
水やりは球根を傷めるため、注意が必要です。この時期の水やりのタイミングは土が乾いてから与えるようにすると良いでしょう。
●地植えにして「後は野となれ山となれ」と放置して、枯れたら諦めるくらいがいいです。
芽が出る3月から液肥を
クロユリの栽培にあたっては、芽が出たら一週間に一回程度液肥を与え、花が咲いたら
肥料を止めます。花が終わったら地上部が枯れるまで、液肥を与えることが大切です。肥料をやり、球根をしっかりと太らせましょう。太らせないと来年、開花しにくくなってしまいます。し、鱗茎がポロポロと外れやすくもなりますので、必ず追肥しましょう。
次に球根が活動し始める10月から11月には、同じく一週間に一回程度液肥を与えることで、健康な球根を育てることができます。
植え付け・植えかえ
時期
休眠している7月〜9月に植え付けます。
用土
鹿沼土の単用か鹿沼土8
腐葉土2を混ぜたものを使います。水ハケがよいのが条件です。植え替え・植え付けは地上部がなくなる夏の間に行います。深さは2センチほど。何個かまとめて植えた方がキレイです。
鉢植えの植え付け手順は?
鱗茎がポロポロと剥がれて、しまわないように丁寧に扱います。
少し深めの鉢を用意します。鉢底には鉢底ネットを敷いて、その上に鉢底石(
軽石)を2cm〜3cm程度入れます。これによって、排水性を良くし、
水はけを良くします。次に、
用土を鉢に入れ、クロユリの鱗茎を深さ2cm〜3cmになるように植えます。最後に、鉢底から水が流れ出るまで十分に水を与えます。
庭植え(地植え)の手順は?
深さ30cmの穴を掘り、掘り出した土に腐葉土か
堆肥を3割か4割を入れて、よく混ぜて用土とします。できれば1週間寝かせて、土を馴染ませると根が広がりやすくなります。
穴に半分ほど土を戻して、クロユリの鱗茎を深さ2cm〜3cmになるように入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。
土の水はけが悪いと、球根が腐ってしまうので、用土を作るときに
パーライトや川砂を入れて水はけをよくするといいです。
管理場所・日当たり
本来は寒冷地…北海道などの植物です。平地で育てる場合は夏の暑さで枯れてしまわないように、鉢植えにして夏に移動させるのが無難です。
春は日当たりで管理し、地上部のない秋と冬はどこでも構いません。夏は風通しのよい日陰で管理します。
種まきで増やす?
花の後に
種子は出来るのですが、種子はほとんど発芽せず、増えるのは球根からの
栄養繁殖です。増やすのであれば、夏に掘り起こして、へばりついている鱗茎をはがして別途植えます。増やすのは難しくありません。
病害虫
ヨトウムシ
夜になると土中から出てきて、葉に穴をあけて食害します。殺虫剤を散布します。
アブラムシ
葉について吸汁し、
スス病を引き起こす原因になります。
オルトランを前もって散布しておくか、発生後に殺虫剤を散布します。
特徴・由来・伝承
バイモユリの仲間。真っ黒で三センチほどの小さなユリの花を咲かせます。真っ黒というよりはチョコレート色。
花言葉が「恋」と「呪い」。
恋
クロユリは日本では北海道と石川県の白山から青森に掛けての山地に生息しています。北海道先住のアイヌにはクロユリを想い人の傍においていて、誰が置いたか知らずに手に取ると結ばれるという言い伝えがあります。
呪い
佐々成政は徳川家康に会うために道も無い真冬のアルプス越え――通称ザラザラ越えをしますが、途中で従者の竹沢熊四郎が越中に帰りました。佐々成政が家康に会った後に越中に帰るとある噂が立っていました。佐々成政の愛人、早百合と竹沢熊四郎が姦通しているというのです。これは早百合以外の愛人の嫉妬からの策略とされますが、結局早百合は佐々成政に殺されてしまいます。そのとき早百合は怒りから奥歯を噛み砕き、血を吐き、髪を振り乱して、のろいを掛けました。その後佐々家は滅亡しました。それからクロユリは呪いの花とも言われますが、この話は佐々家の後に越中を納めた前田家が国を治めやすくするための嘘と言われています。
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