栄養系とは?株分け、挿し木、挿し葉、球根、接木など

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栄養系とは??

よく栄養系コリウスだとか栄養系ゼラニウムといったワードがありますよね。これは栄養繁殖で増やした植物のことです。

では栄養繁殖とは具体的にどういったことか?といいますと、種子で増やしたもの以外のことです。例えば、株分け、挿し木、葉挿し、球根、接木、成長点培養も栄養系繁殖です。
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どうしてわざわざ栄養系と表記するのか?

種子で増やした植物はメンデルの法則に則り、品質というか性質にばらつきが出ます。これは環境に適応するための当然のルールです。植物としては多様性を維持するために様々な対策をわざわざ練っているわけです。雄花と雌花で分けてみたり、同じ個体の花粉では受粉出来ないようにしたりして、遺伝子の多様性を保とうと必死です。

多様性は消費者にとって不利益
ところが、このばらつきというのが消費者にはありがたくない。運悪く繁殖力の弱い株が当たったり、色合いが違ったり、花つきが悪かったりするとどうにも納得できない。
そこで、完全に親株のクローン体であり、性質がほとんど同じ栄養系●●は販売元にとっても消費者にとってもありがたいわけです。

挿木で増やす
成長したものが良い性質を持っていたら、挿し木などで増やし、その苗を販売する。その増やしたものから更に良い性質のものを選抜することもあります。例えば種子の出来にくいゼラニウムなどや、種子はできても発芽に時間がかかるランなどは、栄養系が便利なわけです。

栄養系繁殖の種類

株分け

植え替えの際に、1つの鉢の株を複数の株の分けること。あんまり小さく分けると、開花しなかったり、回復まで時間がかかることがある。また、直根性の植物などは株わけそのものができないことがあります。

挿し木・挿し芽

樹木の枝を切ったものが「挿木」で、草花の茎が「挿し芽」であり「挿し穂」と呼びます。樹木と草花の違いで呼び名が違うだけで、手法・手順は同じものです。水揚げをすると発根する確率は高まります。

植物は、突然、元々の花とは違う花が咲いたり、葉っぱに突然、斑が入ったりすることがあります。この「枝変わり」の枝を挿木で増やすことで新品種ができて…というのはよくある話です。

球根(分球)

球根も親株のクローン体で、球根のまわりにできたものを分けて、別々に植え替えることで新株ができる。

接木

病気に強い台木を用意し、その台木を切って、その切り口に、種類の近い別種の植物をくっつける。すると継いだ植物の花が咲き、果実がなります。

交配によって作られた新品種は、花の咲き方・色合い・斑入り葉・果実の味などを意識したものが多く、代わりに病気に弱いことが多い。そこで接木で対応することが多いです。

取木

樹木の皮を剥ぎ、そこに濡らした水苔で包み、ビニールを巻いて保湿していると、発根するので、発根したら切って植え付ける。

根伏せ

根を切って、埋めていると新芽が出てくる植物もあります。そもそもかなり繁殖力の強い植物ですね。

成長点培養

植物のツルの先などの成長点を、培養したもの。上記の栄養繁殖では、親株がもっている病気をそのまま持ち越すことになるが、成長点培養では持ち越さないで新株を作ることもできる。特にウィルス病を排除できるところが優れている。ただ、専門的な知識と設備などが必要で一般家庭ではできない。

ムカゴ

ムカゴとはヤマノイモなどで見られる葉っぱやツルなどに発生する球根のようなもののことで、上記と同様の栄養繁殖です。ヤマノイモのムカゴなどは昔はよく食べられていました。
詳細は
を参考にしてください。

ランナー・地下茎

ランナーとは匍匐茎のことで、株から横に伸びた茎が地面につくと、節から発根して増えていくこと。イチゴヒメイワダレソウなど、よく見られる繁茂の仕方です。

地下茎は地面の中に茎を伸ばして、広がっていくものでミントや竹などがあります。地下茎で広がるタイプは庭植えするととんでもないことになるパターンが多いので、植える前によくよく考えた方がいいです。

これらも栄養繁殖で親株と全く同じ性質が増えていきます。もちろん、同時に受粉して多様性を保とうともしています。
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