クレソンの育て方…水流が必要ですので、水耕栽培に!植え方に工夫が必要です
学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- クレソン
- 科名
- アブラナ科
- 属名
- オランダカラシ属
- 学名
- Nasturtium officinale
- 別名
- 和蘭芥子・オランダミズガラシ
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 初心者向け
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クレソンとは?
クレソンは
アブラナ科の
多年草の
ハーブ。這って茎から根を出して広がります。5度以下にならなければ通年栽培が可能になります。
発泡スチロールに土を入れて水を切れないようにすれば一年中栽培することが出来ます。クレソンは水の流れに根が当たることで酸素と栄養を吸収するため、「水がある」ことが大事なのではなくて「水の供給・流れ」が大事です。水辺が自生地ですが、水がよどんだ状態だと生育がイマイチです。理想はブクブクをつけ、さらにエアポンプで水を循環させることです。これにLEDで日光を供給することで自宅内で安定してクレソンを栽培することが可能です。
ま、そこまでするのは難儀なんで、
器の水を頻繁に取り替えるか、水やりを頻繁にしてやりましょう(水を供給するのではなく、根に水を触れさせるために)。これが栽培のコツです。
水辺に生えてます
クレソンは非常に頑健で日本の水辺…川の両端や、小川の中央の土が溜まったところなどに自生しているのですが、自生しているものには寄生虫がいることがあり、摘んで食べることで感染した事例が幾つかあります。火を通せば大丈夫です。
ちなみにクレソンは花の近くの葉っぱは細く、それ以外の葉っぱは食用で見かける葉っぱです。
●水の流れが根に触れて酸素と栄養を吸収するので、土は水に濡れているだけでなく、流れがあった方がいい。頻繁に水をかえたり、水やりをすることでよく生育する。
●防虫ネットをかける。これは必須。
●水を貯めて循環させるが理想だが、頻繁に取り替えればいい。
●日当たりでもいいが、
半日陰・明るい日陰でも生育はあまりかわらない。暑さに弱く、夏は水が高温になって枯れることもあることを考えると、最初から半日陰・明るい日陰での管理がいい。室内での栽培も問題ない。
●
肥料はあってもいいが、なくてもいい。いや、あった方がいいんだけど、水流がないと供給されないので、まずは水流。
●ツボミがあがってきたら摘む。花が咲くと葉っぱが硬くなりおいしくない。
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水やり
毎日水をやります。土が濡れていても水をやります。クレソンは水の流れに根が触れて酸素と栄養を吸収するため、水を頻繁に与える必要があります。理想は器に水を張って、その器の水を循環させることです。そこまでしないでも、水やり頻度をあげ、水を淀ませなければ栽培は可能です。
クレソンは根が水に浸かっているのはOKですが、
葉っぱまで水に浸かると腐って枯れてしまいます。クレソンは水辺で育つ植物ですので、水のやりすぎでクレソンが枯れてしまうことはありません。土は濡れている状態でいいです。ただ、水が腐ってはいけません。
●土が濡れているから水をやらないくていい、のではなくて水流を作るために濡れていても水をやりましょう。
肥料
肥料は無くても十分育ちますが、生育時期の春と秋に肥料があるとよく生育します。液体肥料を2週間に一回やるといいです。水耕栽培の際でも液肥は薄めがコツ。様子を見て調整しましょう。クレソンは水の流れが根に触れて酸素と栄養を吸収するので、肥料をやっただけでは吸収できず、水やりをして根に触れさせないといけません。
●土が濡れているから水をやらないくていい、のではなくて濡れていても水をやりましょう。じゃないと肥料が供給されません。
植え付け
植え付け時期
植え付けは真冬と真夏以外の、クレソンが生育する時期ならばいつでも植え付けは可能です。苗があれば苗を植えますが、市販の野菜のクレソンを水に浸けていれば発根しますので、それを増やしていけば簡単に収穫出来ます。
用土
用土は
赤玉土か川砂の単用で植え付けをします。花と野菜の
培養土に植え付けても収穫は可能です。
植え方
浅い鉢や水を抜く穴を開けた発泡スチロールのトロ箱(魚が氷と一緒に入っているやつ)に植え付け、水を張った受け皿に付けます。
クレソンは池でも生育しますし、田んぼのような環境を作ってあげれば生育します。ところが、水が溜まる状態で高温になると腐って枯れてしまいやすく、黄色く変色したクレソンの葉っぱには有毒成分が混じり始めます。そこで、乾燥しないけども、水が溜まりすぎない環境を作ります。水を循環させるか、貯めた水はこまめに捨てて、入れ替えましょう。
●クレソンは水の流れに触れることで酸素と栄養を吸収します。水がよどむと葉っぱが細くなり、水をマメに替えると葉っぱがしっかりとなって、店で売ってるのと同じ感じになります。大事なのは水の入れ替えがあることです。
水は綺麗に
水が綺麗な方が育ちやすい……というのもあるのですが、水を張っていることで夏場にはボウフラが発生しやすいです。受け皿の水はちょこちょこ捨ててください。夏場は毎日取り替えましょう。
水耕栽培
水を循環させるといい。カゴに赤玉土を入れ、クレソンの
種子を蒔く。赤玉土が半分ほど浸かるように水を張った器に沈める。この水を張った器に別の器からポンプで水を送り、循環させる。これで水やり(というか水換え)は不要になり、栽培は継続できる。周囲は防虫ネットで覆うことで、虫を予防できる。
水耕栽培する場合、葉っぱが水につからないように工夫する。水面に百均で買った発泡スチロールを敷き詰めてしまうなど。
クレソンは長日植物で日が長くなると花が咲く。よって夏至が近くなると開花しやすい。そこで、室内で管理し、LEDで日照をコントロール(日照は11時間)すると開花せずに収穫を続けることもでき、冬は防寒システムを作ることで、安定した収穫も可能。まー、これは
家庭菜園を超えて、電気工作をするプロ農業に近いですわ。
管理場所・日当たり
少々日当たりが悪くてもOKです。他の園芸植物のように多少は日当たりがよくなくてもOKで、ベランダでも十分収穫が出来ます。むしろ半日陰、日陰の方がいいです。生育温度は15度〜18度です。
暑さに弱いので夏は遮光を。クレソンは夏の暑さに弱く、28度~30度あたりから枯れ始めます。風通しのよいところに移動するか、遮光して温度の上昇を防ぎましょう。
寒さにはある程度の抵抗があるけど、霜に当たると枯れる。耐寒温度は0度〜5度。霜に当たらないように軒下やベランダで管理すれば、強い寒波が来なければ戸外でも越冬可能です。5度以上を保てば、冬も収穫は可能です。
花を摘む
クレソンは長日植物で日が長くなると花が咲きます。4月〜10月までは花が咲きやすいです。花が咲くと葉っぱが硬くなるので、つぼみがついたらすぐに取ってしまいます。
●室内で管理しLEDで日照時間をずっと11時間以下で管理していると花が咲かず、長期間収穫が可能です。
●おそらく相対的に日が長くなると花を咲かすのだと思われます。
収穫
柔らかい新芽を摘んで、収穫します。
●火を通すと辛味が薄くなる。生が好ましい。
スーパーのクレソンを挿芽に
スーパーで買ったクレソンも挿芽すると株を増やして収穫できます。簡単に根付きます。種子を買うより安上がりではある。水に挿しているだけで1週間くらいで発根して芽が出てます。
成長点の新芽を数枚を残して、葉は落としてしまう。大きな葉がついていると、水が下がって萎れやすいため。葉の付け根から芽と根が出ます。発根したら植え付けます。最初の伸び始めは遅いが、一旦勢いに乗ると早い。そこまでは我慢しましょう。
基本的に防虫ネット(もしくは不織布)をかけて管理する。防虫ネットをかければほぼほぼ虫は発生しない。
●アオムシが発生する。
●カブラハバチ…黒い芋虫が葉っぱを食べる。
●
アブラムシ…デンプン系駆除剤で
●
ハダニ…葉っぱに水をかけることで予防できる。株全体を刈り込んで、鉢・葉も1日水没させれば、ほぼほぼ駆逐できます。
●コナガ…芋虫なんですがピョンピョンと飛びまわって移動する。ゼンターリなどで駆除しましょう。
●蝶々、蛾系はBT剤で駆除する。
オランダカラシ属はラテン語で「
ナスタチウム」。春のガーデニング植物のナスタチウムの仲間です。ナスタチウムの実もピリっと辛いです。
繁殖力強い
繁殖力旺盛で
雑草化するほど。茎の断片が水につかっているだけで、発根します。明治に外国人のための野菜として導入し、宣教師が日本各地を巡る際に全国に分布したと言われています。
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