トリカブト(鳥兜)の育て方

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トリカブトの基礎データ
トリカブト
科名キンポウゲ科
属名トリカブト属
学名Aconitum
別名鳥兜・アコニツム
水やり水を好む
場所外の半日蔭
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
剪定
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トリカブト(鳥兜)とは?

トリカブトはキンポウゲ科トリカブト属の宿根多年草

殺人事件に利用されるなどトリカブトは危険な感じがするのですが昔から生け花などに利用される綺麗な花。売買も育てるのも別に違法ではありません。苗も売ってます。ちなみに一般的に流通しているのは「セイヨウトリカブト」でセイヨウトリカブトは毒性が低く実用性(?)は低い。それでも危険なものは危険。

流通しているトリカブトは毒が少ないか、ほぼ無毒のものが多いが、それでも作業するときは手袋を。ちなみに山に生えているのは猛毒。山に行くと猛毒のトリカブトが生えている(動物に食べられないから)。そこまで行って取る意味なんてないです。

剪定・植え替えするときは、必ずビニールの手袋をつけます。トリカブトは全て(花・根・葉・茎)に毒があり、手に傷があるとそこからトリカブトの汁が入って危険です。
草丈1m
山菜のニリンソウと間違えて食べることがあります

生育サイクル

春に芽吹いて夏に花が咲きます。冬になると地上部が枯れて根で越冬。北方系の植物で真夏の暑さと直射日光に弱い。

水やり

鉢植えの水やり

土が乾いていたら水をやります。鉢の底の穴から水が出てくるくらいにしっかりと水やりをしてください。水やりは土が乾いてから水をやり、乾燥するまでは水をやらないようにします。多少ジメジメしているのを好むのですが、水はけが悪い(過湿)と根腐れを起こします。
森の中の木漏れ日がそそぐジメジメした場所を好み、乾燥に弱いです。真夏は乾燥しすぎないように気を付けましょう。夏は乾燥して枯れやすいので、朝と夕方の二回水をやります。乾燥しきらないように気をつけます。どうにも乾燥するようであれば、腰水にしたり、日陰に移動させるなど対策を取ります。
冬は活動が鈍いので、水やりは控えめにしますが、断水にしたら当然枯れます。地上部がなくなりますが、水やりは継続してください。土が乾いていたら水をやるようにします。

庭植えの水やり

環境(半日陰か明るい日陰)があっていれば、水やりは自然に降る雨だけで十分(そもそも日本に自生している植物ですし)。日照りが続くようであれば水やりをしてください。

肥料

鉢植えの場合、春から秋にかけて薄い液体肥料を1週間〜2週間に一回ほどやります。気温が30度を超える7月〜8月は暑さで弱ります。生育が鈍くなるので肥料を控えるか、さらに肥料を薄めてやります。真夏に濃い肥料をやると根を傷めます。

庭植えの場合はなくてもいいです。生育が鈍いならやってもいいです。やる場合は鉢植えと同様の時期に、液体肥料をやってください。

液体肥料
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植え付け・植えかえ

時期・頻度

新芽が出る前の2月3月に植え付け・植え替えをします。新芽が動き始めてから植え替えるとダメージがあり、回復まで時間がかかります。鉢植えは二年に一回か毎年、一回り大きな鉢に植え替えをします。庭植えの場合は植えっぱなし。

用土

酸性土壌を好む(中性でも問題はない)。用土は山野草の土。水はけがよい土を利用してください。自作する場合は赤玉土小粒1軽石小粒1鹿沼土小粒1を混ぜたものを使います。自作する場合は赤玉土はフルイにかけて粉を取り除き、軽石・鹿沼土を水で洗って微塵を取り除いてから使います。
●高山のトリカブトはもっと水はけの良い土が良いので、自作するのであれば軽石2鹿沼土小粒4赤玉土小粒4で。
●赤玉土7腐葉土3がいいって人も。

山野草の土
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鉢植え

一回り大きな鉢を用意します。鉢の底の穴を網で塞ぎ、その上に軽石を2センチから3センチ入れ、その上に用土を入れて、株を入れて、用土を入れていきます。最後に水をやって完成です。植え付けの時に根についた土は落とさず、株の根をいじらないようにします。特に太い根を傷つけると生育不良を起こして最悪、枯れてしまいます。

太い根を傷つけなければ、株分けも可能。その時は土を落としてもいいです。株分けをするときも太い根を傷つけない。太い根は自然と別れて手で取れるので、ナイフなどで切り分けたりしないようにする。

株分け・植え替えの時は必ず、手袋をしましょう。非常に危険です。
ゴム手袋
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庭植え

深さ30cmから40cmほど掘り返して耕し、株を入れて、用土を入れて、最後に水をやります。水はけの良い土じゃないといけないので、水はけが悪い場合は、軽石・川砂・鹿沼土などを入れて水はけをよくしてから植えます。

隙間に用土を入れていき、最後にしっかりと水をやって完成です。
軽石
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鹿沼土
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支柱を建てる

風で折れてしまうので、高く伸びたら支柱を立ててくくりつけます。

株の増やし方

種子で増やす

秋に種子を収穫して春に撒いて育てます。春までは砂に水を張って種子を入れて管理します。

春になったら種まきをします。用土はピートモス。ポット苗で植える時も土を崩さず、ギュっと抑えないようにします。日陰で乾燥しないように管理すると2週間で発芽します。本葉が3枚になったら鉢植えか庭植えにして管理します。
ビニールポット
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ピートモス
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発芽から開花まで2年か3年かかりますので、一般的には株分けで増やします。

株分け

植え替えの時に株分けもできる。太い根を傷つけないように、分けて植え替える。根はナイフで切ったり、手で切り分けるのではなく「自然に」別れたものを植え替えるようにする。

作業をするときは必ず、手袋をしましょう。
ゴム手袋
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管理場所

真夏の暑さと直射日光が苦手で、年間を通して半日陰か明るい日陰で育てます。半日陰は午前中に日当たりになり、午後に日陰になるような場所か、一日中木漏れ日が当たる場所などのこと。

鉢植えならば場所を変えられるので、春と秋は戸外の日当たり、夏だけは半日陰か明るい日陰に移動させ、冬は室外で管理します。
●気温30度以上では生育が止まり、株が弱る。最悪枯れることもある。高山植物で涼しい場所を好む。
●夏に移動できないなら、寒冷紗などで遮光(30%から50%)する。

耐寒温度マイナス10度からマイナス30度。品種によって違うが寒さには強い。防寒は不要です。

病害虫

アブラムシスス病など。

由来・伝承

日本三大有毒植物の一つ。他にはドクウツギとドクゼリ。非常に毒性が強いのですが、葉っぱの形が野草として食されるニリンソウやセリ、ゲンノショウコ、ヨモギにも似ているので誤食が現在でもちょくちょくあります。また蜜にも毒があり、トリカブトから集めた蜂蜜でも死ぬので、養蜂家はトリカブトの開花時期と自生する地域を避ける。

色々と
トリカブトの根から作った毒を「附子(ブシ・ブス)」と言います。富士山にトリカブトが生えているから附子が転訛して「富士」になったとも。ただし富士山は竹取物語でかぐや姫が置いていった「不死の薬」を燃やしたからというのがよくある説。
●またブサイクのことを「ブス」というのはトリカブトの毒によって顔面がアレしちゃった!というのが由来と言う話もあります。
●女神ヘカテーを司る植物とも。ヘカテーは魔術の女神。元々はティタン神族とも冥府の神で有力な存在とも言われていますがその後には妖怪のような扱いになっています。
●トリカブトはケルベロスのよだれから生まれたとも。

ニリンソウ・ヨモギと葉っぱが似ている。ニリンソウは白い花が咲くが、花が咲いていないと分からない。
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