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スカビオサ(セイヨウマツムシソウ)の育て方

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スカビオサ
目次
スカビオサ(マツムシソウ)とは?
水やり
肥料
植え付け・植えかえ・種蒔き
種まき
スカビオサの管理場所・日当たり
花ガラ摘み
病害虫
由来・伝承
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学名などの基礎データ
スカビオサの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。最終更新
植物名
スカビオサ
科名
マツムシソウ科
学名
Scabiosa
別名
セイヨウマツムシソウ・リンボウギク
耐寒
マイナス5度〜マイナス10度
水やり
水控え目
場所
外の日なた
難易度
中級者向け
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スカビオサ(マツムシソウ)とは?

スカビオサはマツムシソウ科一年草もしくは多年草。日本にはマツムシソウ(Scabiosa japonica)が自生しているのですが、園芸店で流通しているのは大抵は「スカビオサ・アトロプルプレア(西洋マツムシソウ=一年草)」か「スカビオサ・コーカシカ(コーカサスマツムシソウ=四季咲き・多年草)」とその園芸品種のこと。

種まきは9月か10月。苗が店先に並ぶのは2月前後ですので、その頃購入して庭先に植えます。寒さに強く霜に当たっても平気なので、気にせず植えてください。
反面夏の暑さと蒸れに弱いので、梅雨以降は、風通しのいい半日陰に移動するかしないといけません。一年草タイプは開花後に枯れる。多年草タイプも蒸れに弱いので毎年徐々に株が小さくなって、3年後に消えてなくなる…というパターン。その前に掘り出して株分けすると蒸れ予防になります。一年草のスカビオサは種がこぼれて翌年も咲く事があります。
草丈10cmから100cm

栽培のまとめ

●スカビオサはマツムシソウ科の一年草・多年草。寒さに強く暑さに弱い。
●流通しているのは一年草の西洋マツムシソウと四季咲き多年草のコーカサスマツムシソウとその園芸品種。
●乾燥に強いが、開花時期にあんまりに乾燥すると花が咲かない。
●鉢植えにしたら土が乾いていたら水をやる。
●庭植えの場合は自然に降る雨でほぼ大丈夫。ただしあんまり乾燥するようなら水をやる。
肥料はなくてもいいが、あった方がよく開花する。
●日当たりで育てる。
●2月から流通し始めるのでこれを植える。
●多年草タイプは3年に一回は株分けをするといい。

品種

マツムシソウ(Scabiosa japonica)
スカビオサ・アトロプルプレア(Scabiosa atropurpurea=セイヨウマツムシソウ)
スカビオサ・コーカシカ(Scabiosa caucasica=コーカサスマツムシソウ・四季咲き・多年草)
スカビオサ・オクロレウカ(Scabiosa ochroleuca)
スカビオサ・ステラータ(Scabiosa stellata)
スカビオサ・コルンバリア(Scabiosa columbaria)
スカビオサ・エコーブルー
スカビオサ・ブルーバルーン
スカビオサ・ピュアブルー
スカビオサ・ミスティバタフライ
スカビオサ・リッツブルー
スカビオサ・ジェラート(四季咲き)
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水やり

鉢植えの場合は、土が乾いたら水をたっぷりとやってください。比較的乾燥に強いです。その代り、過湿に弱いので、梅雨以降の蒸れやすい時期には水のやりすぎに気をつけないといけません。

庭植えにした場合は自然に降る雨でほぼ大丈夫です。日照りが続くようなら水をやるようにします。根が土に広がると乾燥に強いですが、根が広がるまでは乾燥に弱く、庭植えでも水やりをしてやってください。根が広がるまでは大体10日か二週間くらい。
●乾燥に強い植物ですが、開花時期に水が不足すると花が咲かなくなります。

肥料

肥料はなくても生育には問題がないが、開花時期に肥料を追加すると開花が多くなる。腐葉土堆肥用土にあったらそれで十分。

植え付け・植えかえ・種蒔き

初春に苗が流通するのでその時に植え付ける。秋にも流通するがどちらかというと春がメイン。一年草と多年草があるが、どちらも春か秋に苗が流通するのでそれを植える。種子から育てるのも可能だが、一般的には苗から育てる。

3年に一回は株分けを

多年草タイプ(例:スカビオサ・コーカシカ【=コーカサスマツムシソウ】)は毎年株が大きくなるのですが、大きくなりすぎると密生して蒸れて枯れやすくなる。そこで鉢植えでも庭植えでも3年に一回は株分けして植え替えをします。
植え替え・株分けは夏以外ならいつでもいいです。
●三年後には飽きていることもあって、植え替えずに廃棄する人も多いと思う。

用土

酸性の土を嫌い、アルカリ性の土を好む。庭に植える場合は、植えつける二週間前に、土に苦土石灰を混ぜ込んで中和させてから、植えつけます。鉢植えにする場合は一般的な培養土をそのまま使うか、一般的な培養土に川砂を混ぜて水捌けをよくするといいです(やらなくても栽培に支障はない)。一般的な培養土は中和してあるので石灰を加える必要はないです。
多年草タイプは「山野草の土」で植え付けるといいです。
●酸性を嫌うのは「セイヨウマツムシソウ」で「マツムシソウ・スカビオサ」はそうでもないと、する本やブログもありますが、流通しているのはほとんど「西洋マツムシ草=スカビオサ」なので、やはり酸性対策はしておかないといけません。庭植えでも市販の土を使って植える場合はすでに中和してあるので、しなくていいです。
鹿沼土は酸性なので土に混ぜない方がいい。
●日本は雨が多く、弱酸性になりやすい。庭の土は基本的に弱酸性。

鉢への植え付け

高性種(=草丈が高くなる種=スカビオサ・アトロプルプレアやスカビオサ・コーカシカ)などは8号から10号鉢に1苗。それ以外の小さな株は5号から6号に1苗。
鉢の底の穴を網で塞いで、その上に水捌けをよくするための軽石を2cmから3cmほど入れ、軽石の上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れます。鉢を揺らすと隙間ができるので、隙間に用土を入れて、最後に水をやります。水が鉢底の穴から出るくらいにしっかりとやります。

庭への植え付け

深さ30cmほど掘り返し、掘り出した土に苦土石灰を混ぜて中和させます。中和させてから二週間後に腐葉土か堆肥を2割ほどと少量の肥料を追加してよく混ぜて用土とします。用土を半分戻して、株を入れていきます。株同士は高性種(草丈が高くなる種)を植える場合は30cmあけて植えます。それ以外の草丈の低い種で一年草は密生(株間15cm)させて植えます。
●苦土石灰と腐葉土・堆肥を同じときに混ぜると反応してガスが出るので二週間ズラす。

支柱

よく流通しているスカビオサ・アトロプルプレア(=セイヨウマツムシソウ)などは草丈が高くなります。風で倒れてしまうかもしれないで、草丈が高くなりすぎたら支柱を立てるのも検討します。

種まき

発芽温度は15度から20度。発芽まで一週間ほど。春に種を蒔いて秋に植え付けるか、秋に種を播いて春に植え付ける。寒さに強く暑さに弱いので秋に蒔いて春に植え付けるのが普通。広い土地にスカビオサを咲かせたいときは種蒔をする(あと、採種したとき)。種を砂で揉んで傷つけてからまくことで種子が水を吸いやすくなり発芽率があがる。
●種子の寿命が短いため、古い種子は発芽率が下がる。

スカビオサの管理場所・日当たり

春から秋の管理場所

日当たりのいい水はけの良い土を好みます。日光が不足すると開花が鈍くなる。梅雨以降は雨の当たらない軒下や、風通しのいい半日陰へと移動させて多湿対策を採りましょう。寒さに強く、涼しい環境を好む。

冬の管理場所

耐寒温度は大体の種がマイナス10度。スカビオサ・アフリカーナとスカビオサ・インシサはマイナス5度で枯れる。土が凍るとよくないので、株元を腐葉土やワラなどで多い土が凍結しないようにします。

花ガラ摘み

一年草タイプと多年タイプがあります。一年草タイプは実をつけて枯れます。実も観賞価値があり、品種によっては(例・ステンクーゲル)切花として市場に流通しています。花を放置しておくと実を熟成させようと次の花つきが悪くなるので、時間があれば花ガラは摘んでしまいましょう。

病害虫

アブラムシハダニ灰色カビ病などが発生することがあるが、あんまり病害虫は発生しない。発生したら対処するが、病害虫より夏の暑さの方が問題。

灰色カビ病
灰色のカビが発生する。湿度が高く風通しが悪いと発生するので、水やりを控えて葉っぱをむしり風通しの良いところで管理するといいです。

由来・伝承

スカビオサという名前よりもマツムシソウと言った方が分かりやすい人もいるかもしれません。野山で咲いていることもあって、春の野原でポンポンと淡い青の花を咲かせる姿はとても愛らしいものです。
ここで扱っているのは「セイヨウマツムシソウ」で咲く時期が少し違います。
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