レンズマメの育て方…栽培の基礎知識から収穫まで
目次
レンズマメとは?栽培可能地域と時期管理場所栽培の準備・基礎知識栽培作業病害虫関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- レンズマメ
- 科名
- マメ科
- 属名
- ヒラマメ属
- 学名
- Lens culinaris
- 別名
- ヒラマメ
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 上級者向け
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レンズマメとは?
レンズマメは
マメ科一年草の野菜。別名は扁豆(ヒラマメ)。眼鏡などの光を屈折させる「レンズ」はレンズ豆に形状が似ていることから付けられている(つまりレンズマメが先)。旧約聖書でヤコブの双子の兄であるエサウは狩猟で生活していたが、弟ヤコブは農業で生活していた。エサウが飢えたときにヤコブのレンズマメの煮物を食べるのと引き換えに「長子権」を譲ると答えたことで、ヤコブは長子としての祝福を受ける。エサウは激怒してヤコブを殺そうとする。レンズマメはかなり古い時代から生活に浸透していた野菜(穀物)です。ただ日本ではほとんど栽培されていない。
サヤには二つのレンズ豆が入っているだけで、サヤから取り出して十分な食べる量を得るのは作業が面倒。レンズマメを栽培するのはよほどレンズマメの料理が食べたい人だけ。
大きさ・草丈40cmから50cm
まとめ
●レンズマメはマメ科の一年草。
●秋播きと春蒔きがあるが、一般的には秋播き。
●暑さに弱く25度以上になると枯れはじめる。
●収穫が少ないので、あんまり栽培されない。
●日本ではスプラウト栽培の方がメジャーかも。
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栽培可能地域と時期
秋播き→初夏収穫
九州南部・九州北部・中国・四国・関西・中部・関東南部・関東北部
春蒔き→夏収穫
東北南部・東北北部・北海道
●耐寒温度はマイナス10度なので、地域によっては東北でも秋播きは可能。
管理場所
15度から20度が栽培に適した温度。気温が上昇すると生育が止まる。風通しの良い場所を好む。日光を好む。日光が少ないと花が減り、収穫も減るし、ヒョロヒョロになります。
栽培の準備・基礎知識
栽培時期
春(3月から5月)に種まき→秋(9月から11月)に収穫
秋(11月から12月)に種まき→初夏(5月から7月)に収穫
秋に蒔いて冬を越して初夏に収穫する秋まきパターンの方が冬に根を広がり収穫が多い。
中間地・
暖地では秋まきで収穫する。夏になると暑さで枯れるので、早めに種まきするといい。寒冷地では冬にさすがに枯れるし夏が涼しいので春蒔き→初夏収穫にする。
●秋に植えて冬は寒さで地上部の生育は止まるが、根は広がっている。
種まきについて
発芽に適した温度は15度から25度だが、もっと低くても発芽はする。水につけてから種まきすると1日か2日で発芽するくらい簡単に発芽する。
種子は
ホームセンターなどでは販売しておらずネットで買うのが早い。食用レンズマメでも発芽する。
発芽率はよい。
用土
鉢・
プランターには一般的な
培養土で問題なし。庭(畑)の場合は植え付ける二週間前に土を深さ20cmから30cmほど掘り返して、
苦土石灰を混ぜて中和させる。掘り出した土に
堆肥を2割か3割ほど追加して、さらに1平方mあたり100gの緩効性化成
肥料を追加してよく混ぜて
用土とします。
●レンズマメは中性気味の
弱酸性…ph6.5から7.0を好む。日本の土は基本的に弱酸性なので中和しなくてもいい場合もある。
●レンズマメに限らずマメ科植物は空気中の窒素を土に取り込む性質がある。肥料に窒素成分が多いと
ツルボケ(=葉っぱやツルばかりが伸びて花が咲かない状態)になる。元肥はチッソが少なめのものがあれば、出来ればそれを使う(バランスよく配合されていれば生育に問題はない)。
栽培作業
ポット苗を作る
秋播きなら11月から12月くらい
春播きなら3月から5月…地温が5度以上で発芽する
2号から3号のビニールポットに土を入れて、種を3粒か4粒入れ、用土を2センチかぶせて軽く土を抑える。水をたっぷりとやる。その後は乾燥させないように、日陰で管理する。本葉が出たら間引いて二本仕立てにする。本葉が4枚になったら鉢やプランターや畑に植え付けをする。
植え付け
秋播きなら11月から12月
春播きなら3月から5月
鉢なら直径30cmに苗を二本仕立ての苗二つ。プランターなら二本仕立ての苗三つ。苗は25cm以上離して植える。
冬越し
秋蒔きのみ…11月から2月
寒さには強いので暖地では防寒不要。株が20cmから25cmに生育すると寒さに強くなり、マイナス10度まで耐えられるようになる。生育が間に合わなくなったら霜が降りるのであれば寒冷紗を被せて霜除します。
寒冷地は秋播き→冬越しはやらない。
水やり
秋蒔き…10月から収穫まで
春播き…3月から収穫まで
土が乾いていたら水をやる。乾燥気味にしないと
根腐れするが、水が不足するとしおれる。意外としおれるので水切れに注意する。水不足になると花が落ちたり、サヤが生育しなくなったりする。逆に水が多いとサヤがつきづらくなる。と、色々と書いていますが、一般的な管理をしていれば問題はないです。
支柱を立てる
秋蒔き…2月から3月
春蒔き…4月
草丈は40cmから50cm程度なので50cmの支柱を立てて紐でくくりつける。支柱自体は早めに立てた方がいい(支柱を立てるときに根を傷つけるので根が広がっていない早めがよい)。レンズマメは自立せず、何かによりかかるか、匍匐に近い状態で広がるので、支柱を立てて紐でくくりつけないと乱れる。風に吹かれて倒れて折れるのでとにかく支柱はあった方がいい。
追肥
秋蒔き…3月以降
春蒔き…4月以降
春蒔きなら植え付けて一ヶ月後には肥料が切れてくるので追肥する。秋播きの場合は3月以降に肥料が切れてくるので追肥する。その後は一ヶ月に一回追肥を。追肥は株元に控えめに(1平方mあたり30g)やって、畑であれば土寄せする。
●肥料が少ないと花が少なく、収穫が少なくなる。
●追肥はなくても株が枯れるわけではない(収穫は少ないが)。
収穫
秋蒔き…5月から7月
春蒔き…9月10月あたり
4月に開花しはじめ、開花後一ヶ月後にサヤがつきます。株全体が茶色くなってからサヤを収穫します。
病害虫
カイガラムシ・
ハダニ・
アブラムシ・
ヨトウムシ・
エカキムシ(
ハモグリバエ)・立枯病・
ウドンコ病など
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