ササゲの育て方
目次
ササゲとは?管理場所育苗・植え付けの基礎知識作業(植え付けまで)植え付け後の作業病害虫関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ササゲ
- 科名
- マメ科
- 属名
- ササゲ属
- 学名
- Vigna unguiculata
- 別名
- 大角豆
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 中級者向け
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ササゲとは?
ササゲはアフリカ原産の
マメ科の
一年草の野菜。春に植え、夏に収穫する。耐寒性がなく、霜に当たると一発で枯れるが、
夏の暑さと乾燥には強い。痩せた土地でも育ち、
こぼれダネから来年意図せず生えるくらいに強い。
連作障害を起こし、過去三年か四年ほどササゲを植えた場所にササゲを植えないようにする(ササゲでなければいい)。ツルあり種とツルなし種があり、ツルあり種は支柱やネットに絡めて2m以上に育つ。支柱・ネットを立てるのは面倒だが、
グリーンカーテンに利用でき、グリーンカーテンとして育てれば日避けと野菜収穫で一石二鳥。
草丈30cmから4m。
栽培のまとめ
●ササゲはマメ科の一年草の野菜。暑さに強く寒さに弱い。
●グリーンカーテンとしても。
●栽培北限は秋田・岩手。基本的に
暖地向きの植物。
●春に植えて夏から秋に収穫する。
●こぼれダネで来年、意図せず生えてくることもある。
由来・雑学
平安時代には日本に渡来している。ササゲの
種子は赤い。小豆は煮ると皮が破れる様子が切腹をイメージして縁起が悪いが、ササゲの豆は破れないので武士は小豆の代わりに赤飯に使った。
品種・仲間
品種
三尺ササゲ(サヤの長いササゲ)
十六ササゲ(16粒の豆ができるから、と言われる。柔らかくおいしい。)
アキシマササゲ(サヤに紫の縞模様が出るが茹でると消える。サヤに筋がないので人気。)
栽培可能地域
九州南部・九州北部・中国・四国・関西・中部・関東南部・関東北部・東北南部・東北北部
秋田岩手が栽培の北限。熱帯の植物で基本的に暖地向きの植物。
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管理場所
日光を好み、高温・乾燥に強く、また夏の直射日光にも負けない。なので日当たりの良いところで栽培する。
生育には10度以上。よく生育するのは20度から25度。暑さには強い。霜に当たれば一発で枯れるので霜が降りなくなってから種まきをするか、霜の当たらない軒下か室内でポット苗を作ってから植え付けをする。
育苗・植え付けの基礎知識
種まき時期
最高気温が20度以上になったら種まきする。霜に当たると一発で枯れるので霜が降りなくなってから直播するか、早め(3月4月)に苗を作っておいて霜が降りなくなったら即植える。早めに苗を作りたい場合はポット苗に種まきして室内や軒下か苗を作る。本葉が2枚か3枚になったら庭(畑)・
プランター・鉢に植え付ける。もしくはビニールトンネルをはって直播する(農家じゃないならそこまでしない)。
ササゲは移植が苦手なので、畑(庭)やプランターに直播するのが普通。
種まきの基礎知識
発芽温度は最低15度以上。20度から25度が発芽に適した温度。気温が低いと種子が腐ってしまう。種子は水に漬けずに種まきする。苗も流通している。たくさん植えても食べきれないので種子だと大量に株ができてあんまり意味がないので苗を買ってもいい。
●密閉された袋に入った種子は休眠しているので、中から出して一晩おいてから植えると
発芽率が上がる(水にはつけない)。
●温度が足りないと発芽せずに腐る。
●1株で食べきれないくらい取れる。
用土
酸性土壌を嫌う。Ph6.0から6.5が適した土。また
水捌けの悪い土を嫌う。
庭土(畑)には植え付ける2週間前に
苦土石灰を散布して中和して、植え付けの1週間前に
腐葉土か
堆肥を元の土の2割ほどを追加して、化成
肥料(1平方mあたり120gから150g)を追加してから植える。
鉢・プランターなら一般的な培養土で十分。自作するのであれば
赤玉土小粒6腐葉土3
バーミキュライト1を混ぜたものに
石灰・化成肥料を入れて使う。
連作障害
ササゲは
連作障害を起こす。過去三年か四年かにササゲを植えていないところに植える。土をシャベル一杯分だけでも、やりかえればかなり連作障害をおさえらるし、50cmから1mほどズラせば連作障害は起きない。
●他のマメ科植物とは連作障害を起こさない。過去にササゲを植えていなければいい。
●連作障害のメカニズムはハッキリとはしていない。
●連作障害を起こすと、
病気にかかりやすくなり、生育不良を起こす。
作業(植え付けまで)
ケース①ポット苗作り→植え付け
種はホームセンターで売ってます。2号(直径6cm)か3号(直径9cm)のポットに土を入れ、種子を3粒か4粒入れて、種子の上に2cmほど土を被せて、最後に水をしっかりとやります。その後は霜の当たらない場所で、乾燥しないように水をやって管理します。鳥よけのために防虫ネットや不織布などをかけます。ネットは本葉が生えるまでします。気温があれば種まきしてから5日から1週間で発芽し、順調なら10日くらいで本葉が二枚になります。
●ササゲの苗作りは鳥との戦いです。
●気温が低いと発芽までの時間は長くなり、またバラつきが大きくなる。
●ポットで作らず、庭(畑)やプランター・鉢に直播するのが一般的。苗も出回っているので、これを植えてもいい。
間引き
本葉が出ていたら、間引いて「二本仕立て」にします。種子が重なっていると引っこ抜く時に残す株まで抜けてしまうので、重ならないようにしましょう。どうにも近い場合は抜く株をハサミで切ってしまいます。
ケース②ササゲの苗を鉢やプランターや畑に植え付ける
苗はあんまり流通していないが、無いわけでもない。ホームセンターで買うか、ケース①ポット苗を作るを参考に自力で作る。沢山植えないのならば苗を購入するのがお得です。
プランターなら2株植える。鉢植えなら
10号鉢(直径30cm)に1苗植える。畑に植える場合は、畝幅60cmから100cm、高さ10cmから15cmの畝を作り、株間を30cmから40cm空けて植え付ける。畝のイメージはケース③庭(畑)に直播するのイラストを参考に。。ポットから植え付けるときは土を落とさず、根を崩さないで植える。ササゲは非常に生育がよく、生育すると株に大して「土」が不足しているので、水切れが起きやすい。特に夏は乾燥で水切れする。朝夕の二回
水やりをしても不足するので、株元にワラで
マルチングをして蒸発を防ぎます。
●プランターはとにかく大きめにする。
ケース③庭(畑)に直播する
畝幅60cmから100cm、高さ10cmから15cmの畝を作り、株間を30cmから40cm空けて、深さ2cm・直径6cmほどの穴を作り、そこに種子を3粒か4粒を重ならないように入れます(近いと間引きの時に抜きにくい)。あとは土を被せて、たっぷりと水をやり、乾燥しないように管理します。温度と水があれば5日から1週間で発芽します。
●種まき後、乾燥対策と取り除けのために不織布をかぶせるといいです。
●もしくは苗を植える。苗を植えるときは土を崩さず、根をいじらないで植え付けをします(ササゲは移植に弱いため)。
●種子は一晩、水につけないでいいです。そのまま種まきします。
間引き
本葉が出てきたら、
間引いて二本仕立てにします。抜いてもいいし、ハサミで切ってもいい。間引いて残すのは背の高いものではなく、葉っぱが詰まっているものの方が良いです。
水やり(種まきと植え付け時の)
苗作りの時の水やり
苗を植えて1週間ほどで発芽する。その間は乾燥しきらないように水をやります。乾燥対策として株の上に不織布をかぶせることで乾燥対策とともに鳥被害対策もできます。
●不織布は本葉が二枚になったら取り除く。
苗を植え付けた後の水やり
苗を植え付けて1週間ほどは根が土に馴染んでいないため、水を吸い上げる力が弱いです。水やりが少ないと萎れてしまいます。
庭植えでも、苗を植え付け後1週間ほどは根が土に水やりをいてください。
鉢植え・プランターの場合は土が乾いたら水をやるようにします。
植え付け後の作業
ネットを貼る(本葉が5枚になる前に)
ツルあり種作業…支柱・ネットを立てる
本葉が5枚以上になるとツルが出てきて何かに絡もうとしますので、支柱かネットを立てます。支柱はしっかりしたものを。支柱は2mのものを用意します。太い支柱を二本立てて、その間を針金で結んで、そこにネットを貼ります(
キュウリやエンドマメや
インゲンマメ用のネットがありますのでコレを使う)。
グリーンカーテンとしても栽培可能なので、屋根からネットをぶら下げて這わせてもいい。
●ネットを貼る手順は色々とある。ようは「倒れなければ」いいです。
水やり(植え付け後から収穫まで)
本葉が5枚以上になってから
鉢・プランターは土が乾いたら水をやります。特に鉢植え・プランターは土の量が少なく、水切れしやすい。株元にワラを敷いて乾燥を防ぐ。夏(8月)になると地温が上がり、昼に水をやると水が沸騰して根を傷め、生育不良を起こすので、水やりは9時までにするか4時以降にやるようにします。
サヤができてから水が不足するとサヤが硬くなり、おいしくなくなるので、乾燥しきらないようにする。庭植えで合っても定期的に水やりをします。
●品種にもよるがサヤができると1日で数センチ伸びる。水が切れると生育不良を起こす。
●サヤが生育しなくても、ぱっと見の株の健康は悪くないので、
初心者は水が少なくなりがち。
●下記の肥料をやった後は、水をやらないと肥料が染み出さないので、意図的に水やりをしましょう。
追肥・土寄せ(開花前後からずっと)
株が生育して花が咲き始めたら、化成肥料を1平方mあたり30gやり、土寄せをする。これを10日に一回か二週に一回行う。株の周辺に肥料をまき、周囲の土を株元に寄せる。土寄せは
雑草避けと、水やり・降雨で土がえぐれて根が剥き出しになって根を傷めるのを防ぐために行います。
肥料をやったあとは庭(畑)植えでも鉢植えでも定期的に水をやるようにします。肥料は水に溶け出し、根から吸収されるので水やりが不足すると肥料を吸い上げられず、肥料が効きません(肥料が効かないとサヤの生育が悪い)。
●サヤができ始めてからは水やりが不足するとサヤが硬くなるので、肥料のこともあるが水やりは必須。
●肥料が多すぎると
ツルボケ(葉っぱやツルばかりが伸びて開花しない)を起こす。肥料は控えめがコツ(30gって少なめです)。
摘芯
摘芯とはツルの先(成長点)を切ることで脇芽を出させることです。脇芽(側枝)が出れば、葉が増え、花が増え、収穫が増えます。ツルが2mの支柱の天辺まできたら、摘芯するか、草丈50cmくらいから適宜、摘心して脇枝を出させて枝葉を増やすといいです。
収穫
種まきから収穫までは80日(二ヶ月半)。開花後2週間で収穫できます。サヤの太さが鉛筆より細いくらいの…豆の膨らみが目立たない程度の未成熟な時期…早めに収穫します。成熟させるとサヤが硬くなり、美味しくなくなるし、成熟することで株が弱るので、早めに収穫することで次の収穫量が増えます。
●十六ササゲで35cmから40cm。
●三尺ササゲなら45cmが食べごろ。
豆の収穫
豆を食べる品種はサヤが黄色・茶色になったら収穫します。収穫は秋になる。放置しているとサヤが弾けて豆が落ちてしまいます。落ちると食べられない(食べたくない)ので、弾ける前に収穫します。収穫したものは風通しの良い日陰で乾燥させ、豆を取り出し、さらに乾燥させてから保存します。
病害虫
ハダニ・
アブラムシ・
カメムシ・メイガ・
モザイク病(
ウィルス病)・
エカキムシ・立枯病
ハダニ
乾燥する夏場に発生しやすい。葉っぱの裏に水をかけることでかなり予防できる。
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