ソラマメの育て方
目次
ソラマメとは?管理場所植え付けまでの基礎知識育苗・植え付け・冬の作業植え付け後の作業病害虫関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ソラマメ
- 科名
- マメ科
- 属名
- ソラマメ属
- 学名
- Vicia faba
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 上級者向け
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ソラマメとは?
ソラマメは
マメ科の
一年草。中央アジア・地中海沿岸原産。秋に種を播き、冬を越して春(3月4月)に開花し5月以降に収穫する秋まきと、春に種をまいて夏に収穫する春まきがある。低温に当てないと開花が鈍いので秋まき春収穫が一般的。
品種によって豆の大きさや色合いが違う。一寸ソラマメの品種が人気。庭(畑)でも収穫はできるが鉢・
プランターでも可能。鉢・プランターの場合はできるだけ深いものを使いましょう。
草丈70cm
育て方のまとめ
まとめ
●ソラマメはマメ科の一年草の野菜。
●10月11月に種まきして5月6月に収穫する。
●
アブラムシがよく発生する。野菜でアブラムシが発生しやすい部類。
●収穫して早く食べる。
栽培可能地域と栽培時期
10月11月種まき→5月6月収穫
九州南部・九州北部・中国・四国・関西・中部・関東南部
2月3月種まき→6月7月収穫
関東北部・東北南部・東北北部・北海道
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管理場所
必ず日当たりのいいところで監理します。日当たりが悪いと生育が悪くなり、収穫が減ります。花に水が当たると花粉が流れ落ちて受粉しにくくなるので、できれば雨の当たらない場所…ベランダで育てるといいが、普通はあんまり気にしない。それより日当たりの方が大事。
生育温度は15度から20度と涼しい気候を好み、夏の暑さには弱い。気温が25度を超えると生育が悪くなるため、初夏までに収穫して終了。
植え付けまでの基礎知識
重要な種まき時期!
10月11月に種まきをする。ソラマメは幼苗の時が寒さに強くマイナス5度まで耐えるが、葉っぱが出て育ってくると寒さに弱くなり、霜に当たって傷んでしまう。早く種まきすると冬までに大きく育ちすぎてしまうので、種まきは早すぎてもいけない。
理想は本葉3枚から5枚で越冬。
種まき時期の注意点
●0度以下になるなら株元をビニールマルチするか、ワラで覆う。その上で寒冷紗をかぶせて霜除をする。
●気温が10度以下になると生育が止まる。
●ソラマメの種まき時期に答えはなくて、今までちょうど良い時期で種まきしても予想外の暖冬で、生育して寒さで枯れることはよくある。ある程度はギャンブルです。
●例えば11月に種まきする。1週間後に一斉に芽を出すのではなく、バラつきがあるので、ちょうどいい時期に発芽したものを使う。
連作障害
ソラマメは
連作障害(忌地)を起こしやすい野菜です。ソラマメを含むマメ科の植物を過去3年か4年植えていない場所には植えないようにする。植える場所をズラすことで連作障害は避けられる。
用土
酸性の土を嫌うので、植え付ける前に
苦土石灰を1平方mあたり120gから150gほど混ぜて中和させる。元の庭(畑)土に2割から3割の
堆肥を追加して、化成
肥料1平方mあたり50gほどをよく混ぜて
用土とする。深く耕し、フカフカの土にすることで根が広がり、株が大きくなり収穫が増える。
鉢・プランターに植える場合は一般的な培養土を利用する。育苗・植え付け・冬の作業
ポットの種まき(10月11月)
2号か3号のポットに土を入れます。土に種2つを重ならないように離して押し込んで、種の頂点が少しだけ土から顔を出すように埋めます。かならず豆の「お歯黒(オハグロ)」と呼ばれる黒い部分を下にして植えます。上にしても発芽しますが、生育が悪いので下にしましょう。最後に水をやります。水をやったことで種が土の外に出てきたら、土を軽く被せて埋めてください。風通しの良い日陰で乾燥しないように管理していると1週間ほどで発芽します。
●土に新聞紙や不織布やワラをかぶせて蒸発を防いて乾燥対策をするといいです。
●種を鳥に食べられる。取り除けのためにも不織布などをかぶせる。鳥除けのテープやCDディスクをぶら下げるといい。
本葉が生えてきたら間引いて一本仕立てにする(二本仕立てにしてもいい)。手で抜いてもいいし、ハサミで切ってもいい。
本葉が2枚か3枚になったら庭(畑)・プランター・鉢に植え付ける。植え付けるとこにポットの土を崩さず、根をいじらないようにする。植え付けが遅いと植え付け後に生育不良を起こすので早めに植え付ける。
鉢・プランター・畑への植え付け(11月)
鉢・プランターへの植え付け
鉢なら
10号鉢に苗を1つ。プランターなら苗1つか2つ。鉢の底の穴を網で塞いで土が流れ出ないようにして、網の上に
軽石を2cmから3cmほど入れて、その上に用土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。
植え付けの時に苗の土を崩さず、根をいじらないようにします。根をいじると生育不良を起こします。
庭(畑)の植え付け
植え付ける植え付け2週間前に深さ30cmほど掘り返し、苦土石灰を1平方mあたり120gから150g混ぜて中和し、植え付け1週間前に堆肥を2割から3割追加して、化成肥料を1平方mあたり50g追加してよく混ぜ、用土とする。その用土で幅60cmから70cm、高さ10cmから15cmの畝を作り、40cmから45cm間隔で苗を植えていきます。
植え付けの時に苗の土を崩さず、根をいじらないようにする。
●葉っぱが5枚以上になると寒さに弱くなるので、葉が少ないうちに植える。
●気温が10度以下になる地上部の生育が止まる。なので本葉が3枚4枚で気温10度以下になるのが理想。暖冬で12月に生育して1月になって寒さで枯れるということはよくある。
庭(畑)の畝への直播(10月11月)
植え付ける植え付け2週間前に苦土石灰を1平方mあたり120gから150g混ぜて中和し、植え付け1週間前に堆肥を2割から3割追加して、化成肥料を1平方mあたり50g追加してよく混ぜ、用土とする。
その用土で幅60cmから70cm、高さ10cmから15cmの畝を作り、40cmから45cm間隔で種を撒いていきます。
種子を2粒か3粒を近くならないように、土に埋めます。豆の頭が少し出るくらいに埋め、お歯黒(黒い筋の部分)を下になるようにします。水をしっかりとやり、乾燥しないように管理していると1週間ほどで発芽します。
発芽して本葉が出てきたら、元気のないものを抜いて二本仕立てか一本仕立てにします。
●種を鳥に食べられるのでポットで苗を作って、庭(畑)に植えた方がいい。
●種まきは時期が大事、「種まき時期」の項目をチェックして判断しましょう。
冬の水やり(11月から2月)
庭(畑)への水やり
発芽して本葉が4枚になるまでは様子を見て水をやる。防寒を兼ねて乾燥しないように株元にワラやビニールマルチして乾燥を防いだら、冬の間は基本的には水やりしないでもいい。が、様子を見て水をやるようにする。
鉢・プランターの水やり
鉢・プランターの場合は土が乾いたら水をやる。それでも乾燥しがちなのでワラで
マルチングをする。
防寒(11月から3月)
株元をワラで覆ってマルチングする。ビニールマルチでもいいです。ワラ(マルチ)は乾燥予防と防寒を兼ねている。霜にあたると茎・根が傷むを避けるものなので、茎を守るように敷いてください。寒い地域では支柱でトンネルを作って、ビニールを張ったり、寒冷紗をかぶせる。
植え付け後の作業
支柱・ネットを立てる(2月3月)
2月にはツルが出始めます。できればツルが出る前に支柱を建て、倒れないようにくくりつけます。支柱は50cm前後でいいです。イラストでは支柱を株一個に対して一本立てていますが、畝に何本か立てて紐を張って倒れないようにするという方法もある。やり方はいろいろです。
春以降の水やり(3月から6月)
庭(畑)植えの水やり
気温が上昇すると地上部の葉っぱ・枝がニョキニョキと生育してきます。気温上昇によって蒸発が増えるのと、生育で水を吸い上げるようになるので、水が不足しがちになります。庭植えでも様子を見て水やりをしましょう。
鉢・プランターの水やり
これまでと同様に土が乾いたら水をやります。冬より、水切れしやすいので注意して水やりをしてください。
枝を間引く…整枝と土寄せ(3月4月)
春になり生育するとソラマメは枝が10本以上出てくる。この枝が20cm以上…草丈全体が50cmから60cmになったら、まず、中心の枝を切り取り、太いものだけ6本ほど残して、あとは切ってしまう。枝を残していると、サヤ(豆)が小さいものばかりが出来てしまう。
枝を間引いてから株元に土を被せ、株元が土に隠れるくらいにする。株元を土で隠すことで新たな枝が出ないようにします。
花の間引き(4月)
ソラマメは節に2個か3個の花が咲き、放置していると全部が結実してサヤになってい、一つあたりが小さくなる。そこでサヤになってから…サヤが1cm前後で、勢いのあるものを節に一つだけ残して間引いてしまう。
この作業はやらなくても問題はない。作業をするのであれば、サヤが小さいうちに行う。大きくなってからやってもあんまり効果がない。
追肥(4月)
花があらかた終わって、サヤが膨らみ始めた頃に化成肥料を1平方mあたり10gから20gほど畝に撒いて土寄せをします。これはサヤの生育のための肥料で、肥料が不足するとサヤの生育が鈍くなる。また、肥料は水に溶け出すので、肥料をやっても水やりが少ないと肥料を吸い上げられないので水やりを少し多めにしましょう。
摘芯(4月)
最初のサヤができた頃には草丈が60cmになっています。ソラマメはサヤを膨らませながら、茎・葉を伸ばしているので、これを
摘芯することでサヤに栄養を注ぐようにしてやります。すべての枝の先を
切り戻します。
●ついでに細い弱い枝があるなら、間引いて切ってしまいます。
●枝の先は柔らかく、アブラムシが好むので、摘芯して枝先を落とすことで、多少はアブラムシ対策になります。
収穫(5月6月)
開花して一ヶ月から40日で収穫可能になる。
ソラマメのサヤは1枚目の画像のように最初は上を向いている(サヤが空を向いているからソラマメ)が、成熟につれサヤが横・下向きになる。このサヤの向きが一つの目安。またサヤの筋が黒くなり、
2枚目の画像にようにサヤがテカテカになってきます。この頃にはサヤから取り出した豆にはお歯黒(豆の黒い部分)が見られるようになり、収穫する時期になります。
でも、お歯黒が見られるようになる前の方が甘味が強いですし、熟すと鳥が食べにくるので、お歯黒が見られる前に収穫するのでもいいです。
●ソラマメは収穫後にすぐに食べるようにします。鮮度が落ちて味が落ちます(「おいしいのは三日だけ」なんて言われるくらい)。
●意外と種が高いので、サヤが黒く熟すまで放置して種を取り出して、天日干しして乾燥させ、紙袋に入れて常温で保存しておき、また種まきに使います。虫がわいても発芽するところが食べられていなければ発芽はします。
撤収
5月以降になると下葉から枯れてくる。枯れきってから撤収してもいいが、半分以上枯れて…でもいい。撤収の時期はソラマメの都合というよりは、その後に畑でなにを栽培するのか?って都合で決める。夏野菜を栽培したくなったら撤収ってのが現実的。
収穫後は急いで土づくりをして夏野菜(
ゴーヤなど)の植え付けをする。
病害虫
コナジラミ・
ネキリムシ・
ヨトウムシ・
カイガラムシ・
ハダニ・アブラムシ・菌核病・立枯病・
ウドンコ病など
アブラムシ
アブラムシがよく発生する。発生したら殺虫剤を散布して駆除する。キラキラするものをアブラムシは嫌うので、ビニールマルチはシルバーを使ったり、株の周辺にアルミ蒸着テープを貼ると予防できる。もしくは植え付け時に植物が吸い上げて効果する浸透移行性殺虫剤をまく。
アブラムシはソラマメの汁を吸って弱らせるだけでなく、
モザイク病(
ウィルス病)を運んでくる。ウィルス病は治療が効かず、他の株まで感染するのでアブラムシを駆除するのがいちばんの予防法。
褐斑病
サヤに赤・黒いカビが生える。サヤができる3月から5月に雨が多いと発生する。発生すると豆は食べられない。発生したら他の株にも感染するので、発生次第、即、株ごと処分する。
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