ネキリムシ(根切虫)の性質と駆除と予防

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ネキリムシ(根切虫)の性質と駆除と予防

ネキリムシ(根切虫)は根や地際の茎をかじる虫のことで、カブラヤガ・タマナヤガを主な種とする、オオカブラヤガ・センモンヤガ・シロモンヤガなどの夜蛾の幼虫。西日本はカブラヤガ、東日本はタマナヤガが多いとされます。

ネキリムシの活動・生態
植物の根元付近か葉に卵を生みつける。蛾が飛んできて生みつけるため、防除には限界がある。春〜夏にかけて2回〜5回のサイクルで発生する。寒さには弱いため、寒冷地では越冬できないが、春〜秋に成虫が飛んでまで寒冷地にやってきて卵を生みつける。気温が高い時期に卵が4日で孵化し、猛暑の年は大発生します。若齢幼虫のうちは昼間に葉っぱを食べていますがこの頃は被害は少ない。成長して老齢幼虫になると昼は土中、夜に茎を切って食害するようになります。

老齢幼虫は昼間には土中の浅いところに潜み、夜になるとアゴで茎をぶった斬って、土中に葉っぱを引き込んで食べる。そのため、老齢幼虫が住むようになると被害は一気に甚大になる。特に苗をやられると悲惨。1匹のネキリムシに一晩で全ての苗が切られていることもあります。

苗が一網打尽になるのは、「他に食べるものがないから」であって、他に雑草があれば、そちらも食べるため、被害は減ります。綺麗に草取りをしている方が苗を狙い撃ちにされるということ(草取りは予防になるのだけど)。

苗が引き倒されていたら、ネキリムシがいるので、その周辺を掘り返すと4cm〜5cmの丸まった幼虫が見られます。孵化して大体一ヶ月で蛹になり、それから2週間〜3週間で成虫になる。

夜蛾の卵は葉に1つとか2つで、ネキリムシが大量に発生するのではなくて、点在しています。苗が倒れても、その近くに潜むネキリムシは1匹か2匹ですので、掘り返してネキリムシを駆除して、苗を植えなおすといいです(無論、絶対ではないが)。
コガネムシ(ジムシ)・キリウジ(キリムシ)・コメツキムシ(ハリガネムシ)の幼虫もネキリムシと呼ばれることがあります。
米糠・ボカシを散布するとネキリムシ・ヨトウムシナメクジが寄ってきます。
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予防

薬剤で若齢幼虫を駆除する

老齢幼虫が苗をぶった斬って「被害」と認識されがちですが、若齢幼虫の時点から被害は始まっていますので、これを薬剤で駆除することで、その後の老齢幼虫の被害を減らせます。苗の頃はネキリムシ以外にも被害があるので、害虫駆除の薬剤を散布しておくと、色々とその後の被害も減らせます。
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育ってから植える

ある程度、苗が育って茎が太くなると被害がなくなります。なので苗をしっかりと育ててから植え付けると被害は抑えられます。

卵の殻をまいて防除

株元に砕いた卵の殻を撒いているとネキリムシが来ないという。これは卵の殻がチクチクしていて近寄りにくいからとされる。

ペットボトルやストローなどで防除

ネキリムシ:ペットボトルやストローなどで防除
苗の周囲に囲いをするだけで被害は抑えられます。ペットボトルを輪切りにして、土中に4cm〜5cmほど食い込むように苗の周囲にはめ込むだけで被害は防げます。ネキリムシが噛み切るのは地際なので、そこさえ抑えれば大丈夫。他にもストローを茎にはめるだけでも被害は抑えられます。トイレットペーパーの芯でもいいです。

ただ、苗の数が多いと大変なので、苗が多いならやっぱり薬剤を散布して若齢幼虫を駆除することで防除した方がいいです。

防虫ネットで防除

成虫は植物に卵を生みつけるので、苗を防虫ネットで覆えば発生は減らせます。鉢植えならば鉢・プランターごとおおって仕舞えば、ほとんどの害虫を予防できます。ただ、防虫ネットで日光を遮られたり、蒸れやすいです。
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草取りで防除

雑草で発生した成虫が飛んでくるので、雑草を除草することである程度の予防はできますが、成虫の飛行距離が結構あって、除草での防除のは限界があります。

オルトランなどで防除

植え付け時にオルトラン・ダイアジノンなどを土に入れることで駆除・予防できます。オルトランは植物に浸透して食べた虫を駆除する薬剤です。野菜など食べるものには使えない(使用時期を守れば問題ない)。

クローバー

クローバー白詰草)を植え付けると、ネキリムシやヨトウムシの天敵のゴミムシがやっきて、ネキリムシやヨトウムシの防除になる。クローバーはマメ科で空気中の窒素を土中に取り込む性質があるため、一石二鳥です。
もちろん、これは絶対的な効果があるとは考えないでください。一番は薬剤散布です。

駆除

駆除は二段階あります。卵生みつけられ、幼虫に帰って、葉っぱを少し食べている時期…若齢幼虫の時期はスミチオン乳剤・ゼンターリ・モスピランといった薬剤を散布して駆除する。この頃はネキリムシを狙い撃って駆除するのではなくて、他の害虫駆除のついてでに知らない間に駆除しているということが多いと思われます。

若齢幼虫のうちに駆除できなかったら、老齢幼虫になり、土中に潜り、夜になると茎を切って引き倒して葉っぱを食べ始めます。こうなると予防で使ったオルトランなんかは意味がなくなるので、ネキリベイトで駆除します。

ネキリベイトは誘引し、薬剤を食べると駆除されます。

薬剤

オルトラン

植え付けの際に利用することで防除できる。効果が見られるまで1週間ほどかかり、若齢幼虫には効果があるが老齢幼虫には効果がない。老齢の被害が見られるならデナポンベイト・ネキリベイトを使いましょう。
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ダイアジノン粒剤

苗の植え付け前に土に混ぜたり、植え付け後に土に散布することでネキリムシ・コガネムシ・ケラ・アワノメイガ・ハムシなどを駆除・防除する薬剤。
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ゼンターリ顆粒水和剤

ネキリムシは対象になっていないが、ゼンターリはBT剤で蝶蛾類の幼虫に効くため、ネキリムシの若齢幼虫には効いている。苗の段階で他の幼虫の被害がある植物であれば、使っていれば被害は抑えられる。
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サンケイデナポン5%ベイト

まくとネキリムシを誘引し、食べると死亡する。ネキリムシ以外にもヨトウムシやダンゴムシもくじょする。
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https://www.sc-engei.co.jp/guide/detail/1452.html

ネキリベイト

ネキリムシを誘引して駆除する薬剤。
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ガードベイトA

ネキリムシを誘引して駆除する薬剤。
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