コンポストを自宅で作る…好気型・嫌気型とは??

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コンポスト

このページでは堆肥を作る方法をあげています。堆肥については堆肥を参考に。

コンポストとは生ゴミなどを発酵させた堆肥のこと。「コンポストで堆肥を作る」みたいな文章を見かけるがこれは本当は誤用(うちのサイトでもやってると思うけど)。コンポストを作るものは「コンポスター」。

一般的なコンポスターの目的は「生ゴミの処理」。生ゴミはほとんど水(水分が70%から80%)なので、これを運搬し乾燥させるだけで、莫大な「燃料」が必要となる。そこで負担を減らすために地方自治体によっては生ゴミ処理器の補助金を出している。

コンポスターは魚や肉も分解する。ただし細かく粉砕しないと「腐って異臭」がするし、油が浮き、分解までは時間がかかる。動物系有機物は上級者向け。初心者はまずは生ゴミや草刈りのクズから始めましょう。
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まとめ

●コンポストは生ゴミなどから作る堆肥のこと。
●コンポストを作るものがコンポスター。
●堆肥作りはゴミが土に帰る様子を楽しむもの!なのかもしれない。
●生ゴミ処理機「キエーロ」で検索して参考にどうぞ。
●人それぞれの家庭環境・事情があるのだから、それぞれのやり方がある。
●好気型コンポスターと嫌気型コンポスターがある。
●コンポスターは堆肥作りのためではなく生ゴミ処理が主な目的で、堆肥は副産物という感じ。堆肥は購入した方が早く、コスパはいい。

コンポスター
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コンポスターの種類

好気型コンポスター

酸素を使って菌(主にカビ)が発酵・分解して堆肥にするコンポスター。一般的かつ、古代から行われている堆肥の作り方。発酵には酸素と水が必要。酸素が必要なので、攪拌する必要がある。電気式で攪拌させたり、スコップなどを使い「手」で攪拌する必要がある。ちゃんと酸素を供給して発酵させているならば、匂いはさほどしないが、無臭ではない(ちょい匂うが、嫌気型ほどではない)。

発酵を促進するためにある程度の温度が必要だが、発酵が進むと温度があがり、40度から60度前後まで上がる。温度があがると水が蒸発するため、水を加える必要がある。
●理想的には分解を早めるために生ゴミはできるだけ刻む。フードプロセッサでスムージーまですればいいが、そこまでするわけない。 適当に刻みましょう。
●条件が良いと生ゴミは大体1週間で分解され、2週間で堆肥になる。
●回転式のは好気性発酵。密閉式は嫌気性発酵。
●どうしても室内でやるなら電気式・脱臭機能付きで。それでも多少臭い。
●植木鉢・ダンボールコンポストは好気性発酵。好気性発酵の場合は通気性確保のため入れ物の底は浮かせて空気を通さないといけない。
●水分が多いと嫌気性発酵になり悪臭がする。土を3割ほど混ぜておけば、そこまで匂いはしない。
●水が多めだとミズアブのウジ虫が発生する。分解者なので取り除かない方がいいが、とにかく気持ち悪い。
●土を斜めにならすことで通気をよくする。もしくは四隅を深く掘って空気が通るようにする。それでも水が溜まるなら中心部分にも穴を掘る。

嫌気型コンポスター

発酵に酸素を使わないタイプのコンポスター。酸素が必要でないため、密閉できる。ただ「非常に臭い」。とにかく臭いので室内にはおけない。戸外でも近所に匂ってクレームが来るかもしれないので、都市部では厳しい。手間はかからないし、電気代もかからないがとにかく臭いのが問題。匂いは発酵が進むと少なくなるが、基本的にはずっと臭い。

嫌気性発酵では発酵はするが分解はしないため、ゴミの形状がそのまま残る。発酵したものを畑や庭の土に混ぜて分解は土中で行う。

密閉容器に生ゴミを入れて、発酵促進剤を入れておくと発酵が進む。
●密閉式は密閉している間は臭くないが、蓋をあけると臭い。室内は避ける。
●密閉式の下には水を抜くコックがついている。水は「液肥」として使える。液肥も不要なら「廃棄」する。使う時は薄めてから。この汁の臭いも当然きつい。

ミミズコンポスター

ミミズに分解させるコンポスター。ミミズで…というよりは好気型コンポスターをやっているうちに、内部にミミズが入って分解が早まるって感じです。

戸外でプラコン(プラスチックコンテナ)などに土を入れて、そこに生ゴミや剪定クズなどを入れ、よく混ぜておく。水を少なくし、土を多めに入れると分解が早くなり悪臭は減る。土が多めにあればミミズが住んで分解が早まる。あくまで好気型コンポストなので定期的に水を加えて攪拌する必要がある。
●ミミズは自然とやってくるが、どうにも入れたい場合は、山で掘って捕まえるか、釣具屋でシマミミズを買ってくる。
●スコップで攪拌するとミミズを切断するかもしれないが、ミミズは切れても再生するので気にせずやる。別に真っ二つにしても数は増えないですが。
●好気性発酵が順調に進むとコンポスター内部は50度から60度になる。となるとミミズは死ぬ。

ミズアブコンポスター

ミズアブで分解させるコンポスター。ミズアブは冬は消えるのであくまで好気性発酵がメインで、ミズアブは補助的な分解者と考える。

ミズアブは水を好み、水分が少ないと発生しない。嫌なら乾燥気味に管理すればいい。ミズアブが発生するとウジが忌避物質を出し、ハエのウジが沸かなくなる。ミズアブの成虫は口がないため、何も食べない…つまりハエのように雑菌をあちこちにバラまくことはないのでミズアブが好まれる。

好気型コンポスターは通気性が必要なため密閉はしない。網をかけるなどして空気は通るが虫は入らない…ようにするのだが、ミズアブは細長い産卵管を差し込んで卵を産み落とすため防げない。
●ミズアブの幼虫(ウジ)は爬虫類や小鳥の餌になる。ミズアブはダンボールコンポストだと底を食い破る。
米糠1水2を広く浅い容器に入れて放置しているとミズアブが湧くが、ドブ臭い。
●ウジ自身で水っぽい環境を作ることもできるので発生すると余計に水っぽくなる。
●ミズアブを好む人と、嫌う人がいる。前者は分解者として評価した結果、後者は虫嫌い。どちらが間違っているということではないです。
●ミズアブの成虫はコンポスターの中で待っていて、蓋が開いた時に飛んでいく。コンポスターの中身が蓋ギリギリまで積み重なっていると成虫が、大量発生した幼虫に飲み込まれて死んでしまう。
●ウジはすぐにハエになる。特に小蝿はサイクルが早く鬱陶しい。ミズアブはサイクルが遅く、さほど気にならない…ハエに比べるとね。

植木鉢コンポスター

10号鉢に3分の1から半分ほど土を入れ、米糠・発酵促進剤・燻炭を少し入れて混ぜる。その上に生ゴミを入れ、いっぱいになったら、生ゴミの上に古い土を被せる。土の面を斜めにする(空気に触れる面積を増やすため)。別の鉢にひっくり返し入れる。ひっくり返った土の面を斜めにする。二つか三つの鉢を重ねてもいい。

草堆肥

無理にコンポスト用の入れ物や、ブロックや板でコンポスト用のスペースを作らなくても、草刈りで発生した枯れ草などを積み上げて、水を撒いて、踏んづけてシートをかけてやるだけで発酵する。ただし、住宅地では臭いがあってクレームがあるかもしれない。
●黒いシートだと温度が上がってよりよい。

草堆肥の作り方は草刈り・草取り・落葉清掃で出たゴミの処理のページも書いてあります。

ダンボールコンポスター

ダンボールコンポスト。段ボールの箱にもみ殻くん炭とピートモスを混ぜたものを半分ほど入れて、そこに生ゴミを投入してよく混ぜて発酵させて堆肥にする。毎日投入→混ぜるを繰りかえす。毎日家族3人分…500gから800gの生ゴミを処理し、堆肥にする。水分が多いなら籾殻などを再度投入して水分を減らし、攪拌する。失敗するとただ腐敗して臭い地獄になる。
●ダンボールコンポストは最後に土に埋めて熟成する。

好気型コンポスターは酸素を吸収して、麹菌→納豆菌→乳酸菌→酵母菌→放線菌と菌が活動して発酵する。白カビが発生しているのが良い状態。竹林の中にある白い塊の「森のはんぺん」は白カビの集まりでこれをコンポストの中に入れるとよい。赤や黒はよくない。土・水・通気性などを見直す(主に通気性)。炭素が多いと納豆菌が増えて放線菌が安定しづらい。
●空気が入らないと酪酸菌が増えて、靴下の腐った臭いがする。
●白カビがわくといいが、白絹病かも。白絹病は虫の卵のようなツブツブができる。
●ドブ臭いのは酪酸菌。

コンポストのトラブル

ビチャビチャになる

水分が多くても、少なくても発酵は進まない。水をやったり抑えながら丁度いい感じを探る。水分が多くて、ベチャベチャになったら基材を入れる。どうにも水が多くなりがちなら、生ゴミの投入量を減らす。もしくは生ゴミを一旦、乾燥させてから投入する。
●嫌気性発酵して悪臭が発生したら、殺菌のために天日干しにしたらいいが、住宅地なら悪臭でクレームがある。そういう場合は廃棄する方がいいかも。
●嫌気性発酵したものは乾燥させて、条件(通気・水分)を見直し、基材と発酵促進(ボカシなど)になるものを入れれば、好気発酵になる。
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