ドラゴンフルーツの育て方
目次
ドラゴンフルーツとは?水やり肥料植え付け・植えかえ・種蒔き管理場所・日当たり人工授粉収穫病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ドラゴンフルーツ
- 科名
- サボテン科
- 属名
- ヒモサボテン属
- 学名
- Hylocereus undatus
- 別名
- ピタヤ、サンカクサボテン
- 水やり
- 乾かし気味に
- 場所
- 冬は室内 夏は外
- 難易度
- 上級者向け
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ドラゴンフルーツとは?
ドラゴンフルーツ(サンカクサボテン)は中南米原産の
サボテン科ヒモ
サボテン属(ヒロケレウス属)の放置しておくと数メートルの高さに育つサボテンです。自然界では気根を伸ばして木に絡み付いて立つのですが、自宅で育てる場合はそうもいきませんので、支柱を沿わせてやります。生育スピードが速く、一年で1m成長します。
月下美人のように満月の夜に一日だけ花を咲かせてしぼみます。果実をつけようとするのであれば、花が咲いている間に受粉させなくてはいけません。
白肉のドラゴンフルーツはメシベとオシベとくっつけるだけで結実しますが、他のドラゴンフルーツは「自家不親和性」と言って「他の品種の株の花粉と出ないと結実しない」という性質があります。花が咲くのが一晩であることを考えると「白肉」以外のドラゴンフルーツで結実させるのは一般家庭ではほぼ不可能と考えるべきです。
普通の家庭でドラゴンフルーツを収穫しようと必死にならない方が精神的には健康的です。
草丈10m
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水やり
鉢植えの土が乾いていたら、鉢底から水が出るくらいにしっかりとやってください。受け皿に水がたまっているなら捨ててください。ツボミ・花・果実があるときに水が切れないようにしてください。
果実が大きくなって色づいてきてから、
水やりを控えると果実の水分が減って甘くなります。
葉水
ドラゴンフルーツは本来、森林の樹木に気根というひょろ長い根を絡ませて登っていくもので、この気根からも空気中の水分を吸収します。ドラゴンフルーツ(ピタヤ)も乾燥に強く出来ていますが、湿度の高い環境だと気根から水を吸収するので成長が早くなります。
そこで気温が20度〜35度の時期は、土への水やりとは別に霧吹きで水をやります。これを
葉水といいます。葉水というか、気根に水を吹きかけてあげるといいです。
冬の水やり
冬は水を控えて管理すれば耐寒性が増しますので、水やりを減らし、乾燥気味に管理します。土が乾いてから数日経って水やりをします。水やりが多いと
根腐れを起こして枯れます。
肥料
春から秋にかけての生育時期…気温が20度〜35度の時期は薄い液体
肥料を2週に一回やります。肥料をやることで生育しますし、株が充実すれば開花もしやすくなります。
植え付け・植えかえ・種蒔き
時期
気温が20度以上になる5月以降に植え替え・植え付けをします。
用土
アルカリ性でも
酸性でも塩分があっても育ちます。土は
水はけのよいものでないといけませんが、市販されているサボテン用の土では水はけが良すぎて、水切れを起こしやすいので、
赤玉土6
鹿沼土2
腐葉土2を混ぜた土で鉢に植えつけます。もしくはサボテン用の土に
バーミキュライトを1割ほど混ぜて使います。
鉢植え
ひと回り大きな鉢を用意し、鉢底の水が抜ける穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を2cm〜3cm敷いて、
用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れます。株の土は崩さず、根をいじらないで植えてください。植え替えのときに水をやらず、そのまま日陰で1週間養生してから、日向に戻し、水やりを再開します。
庭植え
庭植えの場合は、深さ20cmを掘り返し、耕してから、鉢から取り出した株の土を落とさず、そのまま植え付けてください。水やりは植え付けしてから1週間後からはじめます。
支柱と仕立て方と敵芯
ドラゴンフルーツは、垂れ下がった枝先に開花して結実するので、まずは1m〜1.5mほど伸ばします。ちゃんと支柱を立てて、支えてあげます。支柱は高さ80cm以上の行灯仕立ての支柱を設置して、誘引します。支柱は
アサガオのものではなくて、オベリスクといったしっかりしたものがいいです。
成長点を敵芯して、脇芽を出させます。その脇芽が50cm伸びたら、また、先を敵芯して、脇芽を出させます。
脇芽は「垂れ下がる」ことで開花しやすいので、紐で括って垂れ下がらせます。
摘芯した枝は
挿木すると増えます。切り口を日陰で2日か3日干して乾かし、赤玉土小粒単用の挿し床にさして、乾燥気味に水をやっていると発根します。
種まき
ドラゴンフルーツの
種子は果肉をきれいに洗い流します。果肉は発芽抑制物質が含まれていて、果肉がついていると発芽しにくいです。水に入れると種が浮いて、果肉が沈むので、しっかりと分離させます。
苗床に川砂を敷き、埋めて乾燥しないように管理していると1週間で発芽します。
管理場所・日当たり
日光を好みますので、春と秋は戸外の日当たりか、室内の窓辺の日当たりで管理します。また、風通しがよいといいです。気温が20度〜35度でよく生育します。梅雨と秋の長雨のときは水やりに気をつけ、雨には当てない様にしてください。
夏越し
ドラゴンフルーツはサボテンなので日光に強いと思いがちですが、森林性サボテンといって森林の木漏れ日の中で育つサボテンです。強い直射日光を浴びると
葉焼けします。夏に日光がガンガン当たる場所で管理する場合は日除けが必要になります。もしくは
半日陰(木漏れ日)に移動させます。
ベトナムなどのドラゴンフルーツ栽培地でも日除けをしています。
日光にはちょっと弱いですが高温には強いです。
越冬
沖縄などの熱帯性気候では年中戸外で生育できますが、それ以外では冬は室内に取り込んでください。霜に当たると一発で枯れます。耐寒温度は3度で室内に取り込んで、リビングなど昼間に暖房がかかっている部屋であれば、越冬は十分可能です。
その際に冷暖房の風に当たらない様にしてください。冷暖房の風は非常に乾燥していて、これが直撃するとサボテンでも枯れます。
人工授粉
夜の開花して朝にはしぼむので、この間に雄蕊と雌蕊を筆などで擦って花粉をつけて受粉させてやります。白肉系は自家受粉しますが、赤肉系は自家受粉しないものが多いので、苗を買うなら白肉系にしましょう。
収穫
開花後40日〜60日で完熟します。熟しすぎると実が割れてしまうので、注意します。追熟させる必要はないので、そのまま食べられます。
病害虫
アブラムシや
カイガラムシが発生することがあります。これらよりは、水のやりすぎによる根腐れの方がよく発生するので、水やりに注意しましょう。
特徴・由来・伝承
サンカクサボテンの実を総称してピタヤと呼びます。ドラゴンフルーツはピタヤをベトナムから輸出する際の「商品名」で正式な名称ではありません。日本では沖縄・九州でドラゴンフルーツの果実栽培がされるようになりました。
日本で食べるドラゴンフルーツのほとんどが輸入品で、日本に出荷するために、まだ未成熟な状態で収穫して空輸するために、日本では味が薄く感じます。そのために「ドラゴンフルーツ」=「見た目がすごいだけであまり甘くない」というイメージが強いですが、本来はもっと甘いそうです。
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